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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

『食べ順ダイエット』には効果があるのか?について改めて考えてみる【後編】

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こんにちは、なすびです。

 

というわけで【前編】の続きになります。

 

前回は「食べ順ダイエットによって摂取カロリーや空腹感にどのような影響があるのか?」というポイントについて見て来たものの、食べるタイミングを変えるだけでは思ったより摂取カロリーや満腹感に差がなかったため、なんだか食べる順番はあまり関係ないさそうな印象でございました。(*¯ㅿ¯*;)

 

しかしながらこれだけで「食べ順ダイエットに意味はない!」と言えるわけでもなく、いかんせん「太るメカニズムとして血糖値の変動なんか考慮していく必要がある!」ということで、今回は食べ順ダイエットにおける血糖値の影響や実際に体重が落ちてるのか?なんてポイントみつつ食べ順ダイエットの意義を見ていこうと思います。

 

食べ順ダイエットで血糖値の変動が穏やかになるが、、、

食べる順番が血糖値の変動に影響があることは様々な研究で立証されてることなんですが、まず2018年にコーネル大学が発表した論文を参考にすると、

 

  • 『最初に炭水化物』を食べるより『最初にタンパク質と野菜』もしくは『最初に野菜』を食べた方が血糖値のピークが約40%ほど低い
  • 『最初にタンパク質と野菜』を食べると『最初に炭水化物』を食べるより(グルコース曲線下増分面積が38.8%低い

 

とのことで、同じ食事でも野菜とかタンパク質を先に食べるかどうかで血糖値の変動レベルに大きな差があるわけですね。(P)この辺は食物繊維が糖の吸収を穏やかにするから!みたいな話は聞いた事あるかもしれませんね。

 

「で、それとダイエットにどんな関係が?」と思うところかもしれませんが、血糖値の変動が大きい食事は太りやすいかもしれないっていう説があるからなんですよ。

 

カニズムとしては、

 

  1. 炭水化物といった血糖値が上がりやすい食事をする
  2. 急上昇した血糖値を下げるために膵臓からインスリンを分泌し脂肪を生成(デノボ脂肪合成)
  3. そのままお腹の脂肪になる!

 

といった感じで、血糖値が急に上がる食事ほど脂肪が生成されるから太るんではないか?という話ですね。

 

「なるほど、つまり最初に野菜やタンパク質を食べると血糖値が急上昇しにくいから、脂肪を生成しにくくなりダイエットに役に立つかもしれないのか!」という理解でいいんですが、「そもそもインスリンのせいで太ってるのか?」という理論は賛否両論なところがあるためなんとも言えず。この辺は糖質は太る原因ではない!って研究もあったりしますからね、、、。

 

 

 

実際に食べ順ダイエットでそこまで体重は減らなかった

では『食べ順ダイエットで血糖値の変動が抑えたれてるなら、それによって体重が痩せるはず!』ということで、その辺の研究についてみていこうと思います。

 

これは2019年に糖尿病になる可能性が高い日本人の男女42人を対象におこなわれたRCT研究になるのですが、そんな参加者をランダムに3つのグループに分けてます。(P)

 

  • 従来の健康指導プログラム:摂取カロリーと消費カロリーのバランスを取りましょうといったアドバイスを受けるグループ(エレベータじゃなくて階段を使いましょう、なるべく歩くようにしましょう)(N = 11)
  • 食べ順ダイエット:最初に炭水化物を食べるのではなく、野菜やタンパク質を食べるような食べる順番についてアドバイスを受けるグループ(N = 18)
  • 栄養素ダイエット:野菜や海藻のような食物繊維を増やし、脂肪は魚といったオメガ3脂肪酸を増やすといった栄養素についてアドバイスを受けるグループ(N = 18)

 

この3つのグループの血糖値や体重の変化に違いはあるのかについて調べてくれてます。実施期間も約6ヶ月長く、日本人を対象にしている点もなかなか信頼度が高いのではしょうか。

 

ということで、結果をみてみますと、

 

  • 食べ順ダイエットは従来の健康指導プログラムより、体重の減少値が1.4kgほど高かった(従来のプログラムでは体重が増えてた)
  • しかし食後の血糖値に関しては2つのグループに違いはほどんどなかった(1,5-AGやHba1c数値)

 

一応数値だけ見れば食べ順ダイエットの方が痩せる!という結論にはなってるんですが、食べ順ダイエットを行ったグループの人たちの方が平均年齢が5〜6歳ほど若く、平均体重も約4kg重いことを考えると「食べ順ダイエットのグループの方が痩せやすい人たちが集まっていたのでは?」といった指摘もあるため、1.4kgの減量差をどう捉えるかは微妙なところであります。

 

加えて前の章でお話しした理論だと血糖値の変動レベルで差によって体重も変動するはずなんですが、この研究だと血糖値の目立った違いは確認されなかったことを考えると「食べ順を意識することで痩せてるのか?」については疑問点が多いかなという感じですね。

 

 

 

まとめ

ということで『食べ順ダイエット』についてまとめてまいりました〜。

 

最後に個人的な結論をまとめますと

 

  • 食べ順番よりも食べる物(野菜やタンパク質の割合とか)の方が大事!
  • しかしやるに越したことはないので余裕があればやるのもあり

 

ということで、ダイエットにおいて「食べ順」はそこまで力を入れる部分ではないのかなという結論でございます。(※糖尿病などを患っている場合は話は別ですが)

 

もちろん無意味だ!といえるわけでもない点に注意は必要ですが、食べ順ダイエットやるにしても、

 

  1. 野菜完食してから、肉食べて、糖質食べる
  2. スマホ見ながらのながら食べはやめて、ゆっくり食べる

 

っていうポイントを軽く抑えておくくらいが、労力のコスパを考えても良さそうだなと思う次第です。比較的健康体であれば「炭水化物はタンパク質の10分後に食べなきゃ!」といったようにそこまでこだわらなくても良さそうな感じですね。( ˙꒳˙ )