ナルシストが失敗から学ばないのは都合のいい『後知恵バイアス』が働きまくてるからだ!という研究のお話
こんにちは、なぜか定期的にナルシストの生態をまとめてします、なすびです。
今回は『ナルシストが失敗から学ばないのは都合の良い後知恵バイアスがかかりまくってるからだ!』っていう話が興味深かったのでまとめておこうと思います。
ナルシストは都合の良い解釈がすごい、、、
これは2020年にオレゴン州立大学が発表した論文になりまして、727人の男女を対象に「ナルシズムと後知恵バイアス」の関係を調べた研究です。(P)
『後知恵バイアス』っていうのは何か答えがわかった後に「そういえば知ってたわ」とか「よくよく考えたらそうだよね〜」など自分が持ってる知識を過信しちゃう現象のことなんですけど、ナルシストな人ほどこの『後知恵バイアス』が強いんじゃないか?って話があったりするんですよ。
ちなみに過去の研究だとナルシストほど
- 自分の実力を過信してリスキーな行動を取りやすい
- 意思決定の質も低くなりやすい
- 失敗からの学びが少ない
といった傾向にあるんですが、そういった特徴は『後知恵バイアス』による影響が大きいのではないかと研究チームは推測を立てたわけですね。
で、この論文ではそんな「ナルシストと後知恵バイアス」の関係を4つの研究にわたって調べてまくってくれてるんですが、一言でまとめると
- ナルシストほど失敗した時に後知恵バイアスが強い!
とのこと。
つまりナルシシズム傾向が高い人は失敗した時に「まさかこんなことになるとは思わんでしょ」という思考で止まり「じゃあどうすればこうならずに済むのか?」というポイントまでは考えない傾向が強かったそう。
逆にナルシシズム傾向が低い人ほど「もし〜したら、こうなってたのではないか?」という思考になることが多く、ナルシストの人より失敗から多くのことを学習したと感じてたとのことなんですね。
つまり「ナルシストな人ほど反省がやたらと少ない」ってことですね。
失敗した時にやたらと状況のせいにしがち、、、
でもってこの研究で興味深かったのは、ナルシストは成功したときではなく失敗した時に後知恵バイアスが強く働くことであります。
例えば、ナルシストに繋がると考えられてる自己愛が高い参加者に「株を買ってもらう」という選択をした過去の研究では、
- 「買った株が値上がりして予想が的中したぞ!」と伝えたグループは「自分は金融に詳しいからな!」といった考えになりやすかった
- 一方「買った株が値下がりしたぞ、、、」と伝えたグループは「いや、それはそっちが提供する金融の情報が足りなかったからだろう」と考える傾向があった
という結果が出ていたりします。従来の知見だとナルシストは成功しようが失敗しようが『後知恵バイアス』が強く働き、自分に都合の良い解釈をしまくると考えられてたんですね。
しかしながら、今回の研究では予想を外した場合や失敗した場合に『後知恵バイアス』がより強く働くそうで、予想を当てたり何かに成功した場合は『後知恵バイアス』が少なかったそう。
この辺は研究者曰く
私たちの研究はナルシシストが成功した後、無条件に勝者のように感じる傾向があることを示唆しています。 さらに彼らは将来の決定に前向きな結果をもたらす可能性のある自己批判的なプロセスに従事していません。
とのこと。要するに成功しても成功した理由については特に考えなかったり、失敗したらやたらと周囲や状況のせいにしたりすることによって失敗から学びににくいのではないかという感じになってました。これは確かにありそうな話ですね、、、。
では以上のことの踏まえて、ナルシストの特徴まとめますと、
- ポジティブなフィードバックを受けると当然のことのように感じたり、良い結果を「運が良かっただけだ」「こうすれば更に良かったかもしれない」と批判的には考えない
- 失敗すれば自分のせいではなく何か別の要因や状況のせいだといった言い訳を探し、「こうすればもっとミスは防げたはずだ」とか「もっと勉強しておくべきだった」などと思わない
- 加えて「君のいうことが正しいとは限らないだろう」といったようにフィードバックの提供者を信用しない傾向があったり、効く耳すら持たない場合がある
- ある程度自己批判的に見ることで将来的にはポジティブな結果が待っているにもかかわらず、そうしないので結果的に失敗から学べなかったり、リスキーな行動を繰り返すやすい
という感じになりそうです。
まあ全体的には傾向の話なので「他人のせいにする=ナルシスト」と言い切れるわけではないんですが、こういった特徴がある人ほどナルシストである可能性は高いというポイントは改めて抑えておくと良いんじゃないでしょうか。
もちろん自己批判的になりすぎるのもメンタルのダメージが大きいので、自信がある人とナルシストの違いについても抑えておくと良いと思います。重要なのは『セルフコンパッション』のような自己への愛と程よい自己批判のバランスになってるので、似ているようで性質が違うこともお忘れなく!