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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

孤独感を減らすには4つのステップが重要だ!というお話


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こんにちは、なすびです。( ˙꒳​˙ )

 

前回「孤独は良くないけど、孤独感を感じてなければ問題ないのでは?」という話をしたところ、こんな質問を頂きました。

 

他に孤独感を減らす方法はありますか?

 

前回は対策というよりは理論的なところを中心に書いた感じだったので、対策に関しては以下のようにざっくりとしか書いておりませんでした。

 

  • 心理カウセリング
  • 古い友人や家族と連絡を取る
  • SNSを使う(質が悪いコミュニティもあるのでデメリットも意識した上使う)

 

最近書いた記事だと、睡眠不足も孤独感が悪化するかもなんて話をしたんですけど、今回はもう少し別の孤独対策に焦点を当ててお話を書いていこうと思います。

 

 

 

孤独感を減らす4つのポイント

孤独感といえば、1人でいる時に感じる、もしくはそんなイメージがあるという方は多いかと思いますが、孤独感を感じる場面はこれ以外にも、

 

  • 仕事を失って自分の役割も失われたような孤独感
  • 集団にいてもさみしさを感じるような孤独感
  • 人から伝染した孤独感

 

といったように、孤独に感じるケースは人によって様々。孤独感をかなり大きな括りでまとめると、自分が望んでることと現実とのギャップが原因で引き起こしてるところもあるので、「これさえやっておけばOK!」と一概に言えない感じではあるんですよ。

 

じゃあこれといった対策は特にないのか?と言われればそういう訳でもなく、この辺は個人にあったものを選んでいくのがベストだ!というガイドラインをユニバーシティ・カレッジ・ロンドンがレビュー論文(過去の孤独に関する研究をひとまとめにしたもの)としてまとめてくれてたので、それを参考に見ていこうと思います。

(p)

ちなみに同論文では孤独感を解消するポイントを4つにまとめてくれているんですが、それらについて先に見ていくと、

 

  1. 思考の癖を治す(認知行動療法)
  2. 社会的なスキルを身につける
  3. サポーターを見つける
  4. 幅広いコミュニティーを見つける

 

という感じです。ちなみにこの4つ中だと『思考の癖を治すこと』が1番効果があると考えられていて、他の項目に関しては効果のあるなしが研究によってまちまちな感じなんだそう。人によっては効果があるかもしれないし、無いかもしれないですが、思考の癖のような大元が改善することで、他の3つが上手く機能しやすいみたいなので、特に思考の癖を治すという部分に注目して貰えると良さそうです。

 

1:思考の癖を治す(認知行動療法)

どんな人にも考え方の癖があるもので、孤独感もその人の考え方によって生まれている可能性もあるとのこと。

 

少し極端な例として、いつも仲の良い友人と目を合わせたけど何故か目を逸らされたケースを考えてみます。もしこの時、友人の行動によって「きっと私のことが嫌いなったんだ!」という飛躍した結論を出したとすると、

 

  1. 友人を避けるような孤独な振る舞いが増える
  2. 人に近寄り難い印象を与えて、人が寄り付きにくくなる
  3. さらに孤独感を感じる

 

というような悪循環が発生して、孤独感が増えていく可能性もあるわけですね。これは極端な例にはなっちゃいますが、このケースでいう思考の悪い癖というのは、

 

  • 目を逸らされる = 私の事が嫌い 

 

というように、ちょっとした1部を見て大きな結論に飛躍してしまうことなんですね。

 

もしかしたら友人は疲れていて、そもそも自分の存在に気がついてなかったのかもしれない、コンタクトを無くして顔がぼやけて見えてたのかもしれない、今日は気分が良くないのかもしれないといった別の原因には思考が回らず、「嫌われた!」という結論をすぐに出してしまう思考は、認知行動療法では「歪んだ認知」ということがあります。

 

このような思考に乗っ取って行動を繰り返していくことは、より孤独感を感じる原因にもなる可能性があるので、自分の孤独感は極端な考えによって生まれてないだろうか?というところは意識して見るといいかもしれません。この辺は『歪んだ認知13選』やCBT日記などを参考にしてみてください。

 

また瞑想のようなマインドフルネス系も孤独感に効果があるかもしれないとのことなので、瞑想なんかも良いかと思います。(p)

 

 

 

2:社会なスキルを身につける

孤独感というのは様々な場面で発生するのは先に述べた通りなんですけど、他にも

 

  • 仕事で役に立ってる気がしない
  • このチームに自分の存在意義を感じない
  • 普通の人に出来ることが私には出来ない

 

といったように社会に溶け込めてないことによって引き起こされてるところもあります。

 

そこで役に立ちそうなのが、会話能力やボディランゲージ、心理教育(感情のトレーニング法など)といった、社会的なスキルを身につけるようにトレーニングをすることです。(他にも資格といった勉強など)

 

人は何かしらのグループに所属することで自分の個性を見出して、自尊心の重要な部分を引き出すことが出来ると考えられているので、何か役割をもって集団に溶け込む状態を作るには社会的なスキルを身につけるのが良さそうな感じ。

 

3:サポーターを見つける

これは言葉の通り自分のサポーターを見つけようってことなんですけど、先の「思考の癖を治す」の手助けをしてくれるセラピストのような専門家、社会的なスキルを身につける後押しをしてくれる公的機関や家族みたいな感じですね。

 

孤独感の原因が人によって様々な以上、解決法もざっくばらんにはなるんですけど、サポーターいることでどのサポートが役立つかを特定したり、自分にとって最も適切な活動/グループを選択したりと、自分の動機とマッチするようなガイダンスを提供することに、孤独感を減らす可能性を高めるかもしれないとのこと。

 

 

 

4:幅広いコミュニティグループをもつ

でもって最後は幅広いコミュニティに所属するといっところです。これは職場や家族、友人、同好会、ネットのコミュニティといったいろんなものがありますが、研究者曰く、

より幅広いメンバーにアピールする機会はメンタルヘルスの問題の有無にかかわらず、より良い統合を促進し、社会的な偏見を減らし、より広い社会メンバーの一員として自信を高めることができます。

とのこと。

 

幅広いコミュニティに所属するといろんな考えの人とふれる分、世の中は悪い人ばかりだ!といった偏見が減るのはよさそうなポイントですね。

 

まとめ

ということで、孤独感の対処について触れてきましたが、最後に改めて確認しておくと、

 

  1. 思考の癖を治す(認知行動療法)
  2. 社会的なスキルを身につける
  3. サポーターを見つける
  4. 幅広いコミュニティーを見つける

 

という感じになります。特に2:3:4の行動に影響を与える思考の癖を治すことが重要そうな感じなので、『歪んだ認知13』もチェックしてもらえると良いでしょう。

 

もっと本格的にやりたい場合、セラピストのような専門家にお願いするのが吉だと思うので、お近くの心療内科を訪れてみてください!