「夜遅くに食事を摂ると太りやすくなる!」はどこまで本当なのか?という、最新研究のお話
こんにちは、なすびです。( ˙꒳˙ )
今日は久しぶりにダイエットに関するお話になるんですけど、皆さんは「夜遅くに食事をすると太る!」なんて話を聞いた事がありますでしょうか?過去の観察研究なんかでは「17時以降の食事量が多いと答えた男性はBMIが25以上の割り合いが2倍も多かった!」なんてデータの裏付けもあったりするんですけど、この辺の有名なメカニズムで言えば「食べた後すぐに寝るからカロリーが消費できなくて太るから!」といったところが真っ先の思いつくかと。(p)
このメカニズムが科学的に正しいのかはさておき、これだけだと「夜遅くに食事をするから太るのか?」ということについて明確な答えは出せないものでして、いかんせん
- 夜遅くに食事をする必要があるってことは、睡眠の質が悪くなってるから太りやすいのでは?(睡眠の質が悪いと食欲が暴走しやすい)
- 夜遅くに食事をする人たちは生活に気をつかっておらず、食事の質もあまり良く無いのではないか?(そもそも健康意識が低い人が多い)
といった、観察研究ならでは疑問点があるわけですな。
この辺について明確な答えを出すには、1日のカロリーや睡眠の質などをしっかり揃えた上で比較研究を行うのがベストなんですけど、そんな中新しい研究では「夜遅くの食事は肥満に繋がるのか?」ということを、先のポイントをしっかりおさえた上で詳しく調べてくれてて、かなりいい感じでした。
夜遅くの食事で糖代謝が悪くなるかも
これは2020年の研究になりまして、健康な男女20名(平均年齢26歳)を対象に「夜遅くの食事が栄養素の代謝どのような影響を与えるのか?」を調べたものです。(p)
まずは研究の手順についてもざっと見ていくと、
- まずは18時に夕食を食べる生活をしてもらう(普通の夕食)
- 続いて22時に夕食を食べる生活をしてもらう(遅い夕食)
- この2つの生活中に中性脂肪やインスリン、コルチゾール、特殊な装置を使って脂肪の燃焼レベルなどをチェック
といった感じのランダム化クロスオーバー試験になっております。まあRCTに比べれば信頼度は劣りますけど、過去の研究と比べて食事のカロリーや睡眠時間も23時〜7時と固定して調べてくれるので、純粋に夕食のタイミング遅いが太りやすくなるのか?についてはかなり参考になる結果が得られそうな感じです。
でもってそんな研究結果はというと、
ということで、どうやら遅い夕食は血糖値や脂肪を燃焼に悪影響がある可能性があるみたいで、これが肥満に繋がるかもしれないとのことなんですよ。
この辺については研究者によると
体の正常な概日リズムとずれた食事をすると、通常のようにグルコースを代謝しないということ他の研究でも示されていましたので、これに関しては特に驚くべき結果ではありません。しかしながらこの研究は食事の栄養バランスや摂取量といった従来の要因だけでなく、食事を摂取するタイミングも将来の糖尿病や心臓病などの慢性疾患のリスクに影響を与えることを改めて確認できた。
とのこと。このように「食事をする時間帯によって食事の代謝が変わるのか?」について研究する学問のことを「クロノ栄養学」っていったりするんですけど、その観点から見ても正しい生活リズムに合わせて食事を取ることは肥満の予防にはかなり重要そうな感じですね。(p)
ただもちろんすべての参加者が同じような結果を示したわけではなく、「遅い夕食でも全く影響がない人もいた」ということで個人差があるのも事実っぽいんですけど、概ねカロリーや栄養バランス以外にも食べるタイミングは大事そうだという意識をもってもらえると良いのではないでしょうか。
ではどのような食事を心がければ良いのか?
でもって「食事のタイミングに焦点を当てて、どんな食事を心がければ良いのか?」について、もう少し考えてみると
- 就寝の4〜5時間前であれば夜にガッツリ食べてもOK!(朝ガッツリか夜ガッツリと肥満に関してはあまり関係がないという研究もある(p))
- 朝もしくは昼にガッツリ食べて、夜は量を減らすものあり
- 22時以降のような遅い夕食になってしまう場合、ヨーグルトのようなもので軽く済ませる
という感じになりますでしょうか。肥満の予防について食べるもの質が重要なのは言うまでもないかと思いますが、とりあえずどの時間帯で多くのカロリーを摂取するかは皆様のライフスタイルに合わせていただきまして、夕食が遅くなればなるほど摂取量を減らすようにする!ということ意識してもらえると良いのではないでしょうか。