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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

ストレスフルな思考はコントロールするのではなく、観察するのがベストだ!というお話


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こんにちは、なすびです。

 

今回は前回お話した『ACT』の続きになっています。

 

『ACT』ではストレスに柔軟になるためには6つのポイントがあるぞという話なのですが、その1つとして『感情をコントロールするのではなく、受け入れるといったマインドが重要』というものがあります

 

いわゆるアクセプタンス(受容の精神)と言われるやつなのですが、例えば「不安って嫌な感情だな〜」を「不安誰にでもあることだよな〜」と捉えるのもアクセプタンスの一種です。要は不安を良いか悪いに当てはめるのではなく、「自然なことだ!」といった感じでそれ以外の置き場所を作ってやろうという感じですね。

 

まあ「受け入れるってどういうことだ?」といまいち感覚がつかめないなんていう方もいらっしゃると思うので、今回はそんなアクセプタンスについてもう少し詳しくお伝えできればなと思っております。

 

内容としては「不安は良くない感情だからどうにかしなきゃ」とか「イライラするが怒りを鎮めなくては」といった感じで、「感情をコントロールしなくては!」といった感じで悩んでいる方にオススメです。

 

僕自身も不安をコントロールしようと思いがちな上に、アクセプタンスの感覚がいまいちつかめていないので、一緒に学んでいきたいですね(`・ω・´)

 

誰しもが気持ちをコントロールしたいと思うが、思ったよりコントロールができないぞ!

誰しもが「こんな悲しい気持ちになるのは嫌だ」、「イライラをどうにかしたい」、「不安をなくしたい」といった感じで、自分が悪いと思っている感情を良い方向に持っていきたい!と持ったことがあるかと思います。

 

僕自身がその1人で、まさに「不安って嫌な感情だな、なくしたいな〜」と躍起になっている1人なのですが、感情というものはコントロールしようとすればするほどかえって反発してくるのは過去に書いた通りです。シロクマのリバウンド効果なんて呼ばれたりもしますが、感情というものはコントロールしよう思えば思うほど、コントロールが効かなくなってしまうわけです。

 

ここでは感情のコントロールが難しいということを、メタファーという物語形式でイメージをしてみます。

 

・考えてはいけないというメタファー

これから僕がいうことを絶対に考えてはいけません、少しもです、良いですか。

暑い夏に冷たいジュースを飲んでいることを考えてはいけません。

自分がどんなジュースを飲んでいるのかもです。

冷たいジュースが喉を通り抜け、思わず一息ついてしまう、それすらも想像してはいけません。

 

・恋に落ちるというメタファー

あなたにはこれから100億円を差し上げます。ただし僕がこれから連れてくる人と付き合うという条件付きです。

今から連れてくる人は、あなたの好みとは正反対の人で、お風呂もかれこれ3ヶ月以上は入ってません。

100億円がかかっている以上、あなたは付き合っている振りはできるかもしれません、しかし心のそこから「愛している」と言えるでしょうか?気持ちはコントロールできるでしょうか?

 

一部メタファー例を紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。少しはコントロールができたかもしれないという人もいれば、「思った以上にコントロールが出来ない」と思った方もいることでしょう。

 

緊張している場で「落ち着け」と言い聞かせても心臓がドキドキしてしまう場合はもちろんのこと、冷静な状態でも感情や思考のコントロールは難しいわけっすな。他にも笑っちゃいけない環境ほど、笑けてくるみたいな感じにも近いかもですね。

 

 

感情をコントロールしようとしても、問題は解決しないぞ

感情のコントロールが難しいことがなんとなくイメージできたところではありますが、何故感情をコントロールしようと考えてしまうのでしょうか?それは感情をコントロールできれば、負の感情が抑えられるというイメージがあるからです。僕で言えば、「不安をコントロールできれば、不安にならなくて済む」という感じです。

 

しかしながら不安をコントロールしようと思えば思うほど、シロクマのリバウンド効果のように不安は顔を出してきます。流砂に落ちると、もがけばもがくほど身体が沈んでいくように、負の感情の中でもがいても負の感情に呑まれやすくなってしまうわけですね。

 

では「この悪循環を断ち切るにはどうしたらいいのか?」ということですが、ここで役に立つのが思考を観察するといった姿勢です。ざっくり言えば、思考を刺激しないで放っておこうということになります。

 

ちょっとわからない部分があると思うので、またメタファーを見ていきましょう。

 

・モンスターとの綱引き

あなたは今巨大なモンスターを相手に綱引きをしていて、あなたとモンスターの間には底なしの沼があります。

あなたは懸命に縄を引きますが、モンスターの強大な力にズルズルと沼に引っ張られていきます。

このままでは沼に引きずり込まれてしまいますが、あなたはそれでもモンスターに負けないように精一杯縄を引き続けますか?それとも手を離してしまいますか?

 

感情をコントロールしようとするのは、モンスターと綱引きを続けるようなイメージです。しかし負の感情という沼に落ちないために、懸命に縄を引く、感情をコントロールしようしてしまうのが普通ではあるものの、もっと手っ取り早い解決策がありますね。そう、縄を離してしまえばいいわけですね。

 

アクセプタンスのように感情を観察することは、モンスターとの綱引きで縄を離してしまうという選択肢を取ることです。つまり無理にコントロールしようとしないで、思考を遠くから眺めるように観察するということになります。

 

「うーん、観察?」とちょっと疑問に思う方がいらっしゃるともいますが、それで構いません。感情はコントロールしようと思わない方がいいぞ!ということが、なんとなくイメージがしてもらえれば結構です。

 

今回は理論編のような形になってしまいましたが、今後脱フュージョンのような観察する感覚を体感するような内容をまとめていこうと思います。一応過去に少しだけ書いてはいるので、気になる方はこちらをご参考ください。

 

また「自分は感情をコントロールしようとしすぎていないかどうか」を確かめてみたい方は、以下のようなワークがおススメです。

 

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これを埋めていきますと、

 

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こんな感じです。埋めていくと人によっては、「自分がやってきたことは無駄だったのか、、。」と考えてしまうかもしれませんが、あまり落ち込まないでください。あくまでも「自分の精神をコントロールしようと試みても、すぐそばに戻ってくることが多いんだな〜」という事実を客観的に感じてもらえればと思います。

 

僕が埋めた例でも、不安をどうにか減らそういろいろやってみるものの、結局不安が手の届くところにいるわけですね。だからといって運動と瞑想をやめようとは思いませんが、不安を抑え込むためにやるのはやめようかなという感想を持ちました。これなら下手に手を出さないで、観察する姿勢を養う方がいいんでしょうな〜。地道なトレーニングだな、こりゃ、、、。

 

まとめ

アクセプタンスについていろいろ書いてきましたが、ざっくりまとめますと

 

  • 感情はコントロールしようと思うほど、コントロールできなくなってしまう
  • その感情を減らそうといろいろやってみても、結局は気持ちは変わってなかったりする
  • ならばちょっかいは出さず、観察してみよう

 

といった感じですね。

 

「観察するってどんな感じなのか?」という話は後日改めてまとめようと思います。一応すでにまとめているものであれば、AWAREのテクニックマインドフルネス瞑想あたりが参考になるかもですね。

 

個人的な観察テクニックとしては「この時間の自分はどんな感情でいることが多いのか?」を理解しておくと、観察がうまくいきやすいかもしれません。例えば、「自分はお昼頃不安になりやすくて夕方になると落ち着いてくるな〜」というパターンがわかれば、「今の不安感も時間が経てば収まるだろう」といった具合に、観察することができるかもしれませんね。

 

また今回紹介したメタファーもいくつか役に立つものがあると思いますので、この辺も感情をコントロールしようとしてる場面があれば使ってみてください。(`・ω・´)

 

参考文献