ネガティブな思考を切り離すと噂の、脱フュージョン一覧!
こんにちは、なすびです。
前回は『ACT』の中のアクセプタンス理論編のお話でした。「感情や思考はコントロールしようとすればするほど、コントロールが難しくなってしまう」という話でしたね。
「ではそんな感情や思考にはどう対処すれば良いのか?」となったときに、『ACT』ではそんな思考や感情をどうにかしようとするのではなく、「観察しよう!」というスタンスでいるわけです。
しかしながら「感情や思考を観察するとはどういうことなのか?」と疑問に思うかたが大半であると思いますので、今回は観察する感覚を体系的に学ぶ『脱フュージョン』について、まとめていこうと思います。
ちなみに脱フュージョンとはどんな状態になることかと言いますと、
- ネガティブといった思考や感情の渦にのまれるのではなく、そんな思考や感情を遠くから眺める
といった感じになってます。
例えば、仕事で怒られるシーンが頭の中でぐるぐるしているのであれば、「あ、自分はまた怒られたことを考えているな」ということに気がついて、思考から一歩距離を置いてみるイメージですね。
それでもイメージがしにくければ、思考の満員電車に乗っているのではなく、ホームから降りて電車が通り過ぎていくのをただ見つめているような視点が『脱フュージョン』になります。
ではそんな『脱フュージョン』を体感出来そうなセッションをいくつかまとめてみましたので見ていきましょう。
いろんな『脱フュージョン』
ここではいくつか書きましたが、自分にしっくり来そうなものをやってみてください。
・紙などに文字を起こしてみる
これは思考や感情をありのまま文字に起こしてみる感じですね。『エクスプレッシブ・ライティング』に近いですが、頭の中の考えを見える形で紙に書き出すことも、立派な脱フュージョンになります。
・ネガティブな思考に『と思った』、『という考えを持っている』と付け加えてみる
これはネガティブな思考について『〇〇と思った』、『〇〇という考えを持っている』と付け加えるものです。例えば『私は自分がダメな母親と思った』、『私は人の役に立ってたないという考えを持っている』みたいな感じですね。
『と思った』をプラスして口に出すことで、さっきより嫌なことが他人事に思えたり、心理的な距離が遠くなる感じやすくなるんだそうです。
・目に入ったものを読み上げる
これはあたりを見回して、目に入ったものを読みあげる『脱フュージョン』になります。
例えば、部屋のテレビ、リモコン、テーブル、ソファー、ドアと言った感じで、部屋を見渡して目に入るものを声に出すと言った具合です。
似たようなものとしては、聞こえてくる音に集中してみても良いです。子供がはしゃいでいる声、エアコンのおと、服が擦れる音、鳥の鳴き声など、耳に入ってくる音に意識を向けるようなことでも構いません。
これはネガティブ思考の渦にハマっているときは、未来や将来についての考え事で発生しているケースがほとんどなので、周囲に意識を向けて「今に集中する」という点が、脱フュージョンになるんだそう。
・歌にして歌ってみる
これは自分のネガティブな感情を歌に乗せて口にしてみるといった感じです。「アンパンマンのマーチ」、「ドラえもんの歌」、「ハッピーバースデーの歌」と何でもいいのですが、曲に乗せて歌ってみてください。
・気持ちを実況中系してみる
これは頭の中でも口してもらっても大丈夫なのですが、ネガティブな感情をサッカー風でも、レース風でも、自分の好きな声優さんの声でもいいので、今の感情を別の誰かに読み上げてもらうことをイメージしてみてください。
サッカー風であれば「さあ、不安な気持ちが湧き上がってきました。『自分なんてこの世に必要ない』という気持ちがかんに自分を攻めてきますね〜。」みたいな感じです。(笑)
・パソコンの画面に打ちこむ
これはイメージするのが得意な方におススメです。
目の前にパソコンの画面があるのをイメージしてください。
そのパソコンにあなたを苦しませているネガティブなワードを打ち込こみます。例えば「私はダメな人間だ」といったワードがパソコンの画面に表示されていることをイメージしてください。
パソコンに打ち込まれた文字は黒色で描かれていますが、これを黄色、緑、青と色を変えてみてください。
次はフォントを変えてみましょう。斜めの字体、でも構いませんし、絵本のような丸みを帯びた時で字も構いません。
最後にその文字の配置を変えてみましょう。ドーナツのように輪っかに配置してもいいですし、タスキのように斜めに並べてもいいでしょう。
パソコンに思考を打ち込んで、いろんなフォントで遊んでみるイメージですね。その文字が飛んだり跳ねたりと、アニメーションをつけてもらっても結構です。
瞑想的な『脱フュージョン』
瞑想的な『脱フュージョン』もありますので、一部まとめていこうと思います。
・葉っぱ流れのメタファー
あなたは今、小川の前でゆったりと腰を下ろしています。
すると小川の上から一枚の葉っぱが流れてきました。
流れてきた葉っぱの上に載せるのは、あなたが今考えている、「辛い」、「苦しい」、「不安だ」という思考の一部です。
あなたの思考を乗せた葉っぱ、ゆっくりと川を流れていきます。川の流れは早めてはいけません、ゆっくりと流れていきます。
途中で木に引っかかってしまったとしても、そっとそのままにして自然と流れていくのを見守ります。
しかしあなたはこの作業がだんだんと退屈になってきて、「退屈だ」、「こんなことに意味があるのか?」といった別の思考が浮かんできました。
それもまた小川から流れてくる葉っぱに乗せて流れていくのをただただ見守ります。
といった感じです。
僕の場合は嫌なシーンを思い浮かべたら、それを写真でパシャリと取って、写真ごと葉っぱの上に乗せて流すみたいな感じで使うことが多いですね。
こんな感じで『脱フュージョン』は自分がイメージがしやすいように、改造することも出来るので、気に入った『脱フュージョン』があればそれを改造してみてもいいかもしれません。
脱フュージョンの注意点!
最後に注意点にはなりますが、『脱フュージョン』は決して、ネガティブな思考を消し去るテクニックのようなものではないというところは改めて注意が必要です。
『脱フュージョン』はネガティブな思考に囚われることで、日常生活を有意義にするための行動を減ってしまうという現象を防ぐのを目的としてます。
誰しもが「今は気分が悪いから」、「やる気が出ないから」といった思考によって、家事が捗らなかったり、仕事が集中できなかったりと、思考が行動を邪魔する場面があるかもしれません。
しかしながら、実際に行動してみないと悩みが解決しないケースが多いのもまた事実かと思います。
なので改めてお伝えすると、『脱フュージョン』はあくまでも自分にとって有意義な行動がネガティブの思考によって妨げられるのを防ぐために使うことが重要になってきます。
『脱フュージョン』で今の不安や自分を否定するような感情を消し去ろう、減らそうという思いすぎても、結局のところコントロールしようという思いが強く出てしまうので、かえって感情が際立ってしまう!というのは冒頭でお伝えした部分にはなりますので、注意して使ってもらえればと思います。
ちなみに僕は葉っぱ流れのメタファーが好お気に入りです。小川を流れる葉っぱのように落ち着いたメンタルを保ちたいもんですね〜( ˙▿˙ )
参考文献
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