【空腹vs食後】運動するとき脂肪が燃えやすいのはどっちなの問題
こんにちは、なすびです。
今回は【ダイエット】ということで運動についてなんですが、『運動するタイミングは絶食状態の方が痩せやすいのか?』って話が興味深かったのでまとめておこうと思います。
近いところでいうと「食後より食前の運動の方が脂肪が燃えやすいのでは?」っていう話は昔からあるんですが、絶食のように食事を8〜12時間とってない状態で運動するとどうなるのか?についてはあまりわかってなかったりするんですよ。
まあ日常生活で当てはめると「寝て起きて朝飯食べる前に運動すると痩せやすいかもしれない」っていう話なんですが、実際のどうなの?ってところですよね。
絶食状態のほうが脂肪は燃えやすい??
ということで、この辺についてガッツリ調べてくれたのが2016年の研究になりまして『絶食と脂肪燃焼』に関する適格な27件の研究を統合したメタ分析です。(P)
サンプルとしては19~59歳の成人(8割以上が男性)なんですがグループわけとしてはこんな感じです。
- 空腹状態で運動したグループ(270人)
- 食事をしてから運動するグループ(269人)
でもって、この二つのグループの参加者には『脂肪燃焼の指標』とも言える
といったポイントをチェック。
上記の指標について「空腹か食後で違いがあるのか?」を比較してくれてるんですが、過去の研究に基づく理論だと空腹の時に運動した方が、
といったように、食後の運動より脂肪が燃えるだろうと。逆に食後の運動はインスリン濃度が上昇するから脂肪が燃えにくくなるかもしれないわけですね。
まあこのメタ分析に関しては集められた研究のデータにばらつきが大きい(異質性が高い)ためあまり質が高いデータとは言えないのがネックですが、参考適度に結果を見ていきますとこんな感じになりました。
- 空腹時の運動をしたグループの方が脂肪の酸化が有意に増加した(N=11)
- グルコース濃度やインスリン濃度は食後のグループの方が有意に高かった(N=22)
- 遊離脂肪酸(NEFA)濃度に有意差はなかった(N=16)
遊離脂肪酸については理論通りにはなってないものの、概ね空腹状態で低~中程度の強度有酸素運動を行う運動した方が脂肪が燃焼してるという結果が出たんだそうです。
メカニズムについては研究者曰く
運動中の遊離脂肪酸(NEFA)の血漿中濃度の上昇は、インスリンによる脂肪分解の阻害により、運動前の炭水化物摂取によって減衰する。またインスリン濃度の上昇は、筋細胞膜やミトコンドリア膜を介した脂肪の移動を直接阻害することも示唆されている。したがってNEFAの利用可能性が低下し、IMTGの酸化が抑制された結果、摂食状態での運動では脂肪の酸化が抑制されています。
とのこと。運動前に炭水化物を摂取するとインスリン濃度が上がることで脂肪を燃やしにくくなるんではないかという話になってるんですが、逆に血糖値が上がりにくい食品(低GI食品)であればもうちょっと脂肪は燃えやすくなるのかもしれませんね。
『ちなみにどのくらいのレベルの運動すればいいかの?』については、定かではないんですが、
脂肪酸化は低~中程度の運動強度(VO2max60~65 %を超えない)では高くなる傾向があるが、強度が75 %を超えると低下することが示されている
ってことで、ジョギングレベルの運動の方が脂肪は燃えやすいし、逆にランニングのような強度の高い運動に達すると食後と空腹で差がなかったんだそうな。この辺は運動強度が高くなるとコルチゾールの増加し、脂肪を蓄え出す働きによるものかと思う次第です。
注意点とまとめ
最後に注意点をまとめておくと、この研究は実際に「体脂肪や体重がどのくらい減っているのか?」を調べてるわけではないので、どこまでダイエットにつながるかは謎な部分があったりします。
まあ全くの無意味ってわけではなさそうですが、空腹時の激しい運動なんかは安全性が確立されてるわけですし、ランニングは食欲が暴走しやすいためダイエットには向いてない説もありますんで、空腹時の運動は激しいものではないものが無難かと。
そして空腹状態を作るために絶食をするにしても「丸一日断食」のようなハードなタイプではなく「8時間ダイエット(リーンゲインズ)」のようなライトなものから初めて見てください。
個人的には「8時間ダイエット(リーンゲインズ)」と運動ではなく「NEAT」の増加を組み合わせるのが楽でいいなと思いますね。
空腹最強!!