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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

【食べ過ぎも食べなさすぎもダメ!】寿命が縮まない炭水化物の摂取量はどのくらいなのか?というメタ分析のお話

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こんにちは、久しぶりにヘルスケア関連の記事になります、なすびです。この1週間で危うく当ブログがゲーム攻略サイトになる所でした、、、(笑)

 

ということで、今回は『炭水化物』のお話になります。

 

炭水化物といえば食べすぎると糖尿病になったり、太る原因になる可能性があるってことで何かと悪者扱いされてるんですが、この辺は低炭水化物ダイエットの影響であまり良いイメージをもってない方も多いかもしれませんね。かくいう私も2年くらい前は「糖質は毒だ!」なんて思って時期もありましたね、、、。笑

 

しかしながら『炭水化物を減らすように食事が体にいいのか?』と言われると決してそういうわけでもなく、「低炭水化物ダイエットで寿命が縮んじゃう!」という研究もあったりしますし、だからといって「食べ過ぎても寿命が縮む!」といった研究があるので、炭水化物の摂取量は判断するのが難しかったりします。(P)(P)

 

炭水化物の摂取量は何を信用していいのやらという話なんですが、今回は『寿命を伸ばすためのベストな炭水化物の摂取量は?』ということについて、いろんな国の研究をまとめた上で判断をしたメタ分析が出てましたので、参考に見ていこうと思います。

 

 

 

長生きするためのベストな炭水化物の摂取量とは?

これは2018年にイギリスの医学誌ランセットに掲載された論文になりまして、ARICのコホート研究やその他7件の観察研究を統合したメタ分析になります。(1)

 

集められた研究は北米、ヨーロッパ、アジアといった幅広い国の調査データになりまして、総サンプル数も432179人となかなか多いです。またデータ1つ1つの調査期間も長く、中には日本の研究が含まれてるのも信頼度が高くてよろしいのではないでしょうか。

 

ということで、早速結果を見ていくと、

 

ARICコホート研究の結果

 

  • 炭水化物が50〜55%の場合もっとも死亡率が低い(1日の摂取カロリー、タバコ、アルコール、運動習慣などは調整済み)

 

 

8件の観察研究を統合したメタ分析の結果

 

  • 炭水化物が40%未満の場合、死亡率が20%高い(N = 6件)
  • 炭水化物が70%を超える場合、死亡率が23%高い(N = 2件)

 

ということで、この研究結果だと長生きするための炭水化物の摂取量は50〜55%がベストなんだそう。

 

まあ炭水化物の推奨量は国よっても異なってるんですが、日本場合2020年に厚労省が発表した食事摂取基準だと1日の摂取カロリーの50〜65%を推奨しているので、その辺も考えると50〜60%の摂取ラインが無難で良さそうですね。(P)

 

 

 

ちなみにこの研究の更にナイスなポイントは『炭水化物を減らした分何を食べてるのか?』について調べた上で低炭水化物による死亡率を調べてくれているところです。

 

低炭水化物の食事をするってことは自然とタンパク質や脂質からエネルギー摂取が増えるので、どんな食材からタンパク質や脂質を摂取するかによって死亡率にどんな影響があるのかも考慮して考える必要があるということなんですが、そのポイントを抑えた上で出た結果はというと、

 

  • 炭水化物を減らした分のカロリーを動物由来のタンパク質や脂肪置き換えた場合死亡率が18%上がった(N = 5件)
  • 炭水化物を減らした分のカロリーを植物由来のタンパク質や脂肪に置き換えると死亡率が18%下がった(N = 5件)

 

とのこと。低炭水化物ダイエットと動物性のタンパク質や脂質の摂取を増やす組み合わせは、寿命が縮む可能性があるみたいですね。

 

研究者曰く、

私たちの調査結果は食物源が考慮されていない場合、平均余命と低炭水化物および高炭水化物の両方の食事との間に負の長期的な関連があることを示唆しています。これらのデータは動物性の食事をベースにしたの低炭水化物ダイエットは推奨されるべきではないというさらなる証拠を提供します。炭水化物の摂取を制限する場合、炭水化物を主に植物ベースの脂肪やタンパク質に置き換えることは、健康的な老化を促進するための長期的なアプローチと見なすことができます。

とのこと。

 

低炭水化物ダイエットでも動物性のタンパク質や脂質は老化を促進する可能性があるってことで、植物性のタンパク質や脂質を取り入れていきたいところです。

 

この辺は

 

  • 牛や豚ではなく魚にする
  • 納豆とか豆腐を食べる
  • 全粒粉のパンや玄米、さつまいも、果物のように食物繊維が多い炭水化物を食べる
  • 野菜を増やす

 

といったポイントを抑えてもらえると良さそうで、もう少し詳しいメニューでいったら地中海式ダイエットは参考になりそうですね〜。

 

 

参考文献

(1)https://www.thelancet.com/journals/lanpub/article/PIIS2468-2667(18)30135-X/fulltext