慢性的なストレスは免疫力の低下だけでなく、脳への悪影響も怖すぎるというお話です
こんにちは、なすびです。
今回は『慢性的なストレス』についてのお話です。
当ブログでは一時的なストレスであれば比較的問題はないものの、ストレス状態が慢性的に続くとちょっとまずいかもというスタンスでございます。
慢性的なストレス状態というのは副腎から分泌されるコルチゾールの影響で糖尿病になりやすかったり、免疫力が下がってアレルギーが悪化、シンプルに老化を早めてしまう可能性があるので早めに手を打っておきたいわけです。
まあ慢性的なストレスの影響は怖いという話なんですが、今回は『慢性的なストレスは免疫力のみならず脳へのダメージも大きい』といった長期的な研究があったのでまとめておこうと思います。
慢性的なストレスで認知症リスクが大幅にアップ
これは38〜60歳の女性1462人を対象にした観察研究になりまして、慢性的なストレスが認知症の発症率にどのような影響があるのかを調べたもの。(P)
ざっくりとした研究の流れとしましては、
- 参加者は1968年のストレスレベルのチェックを開始(ここ1ヶ月日常生活でストレスを感じてますか?みたいな)
- 約5年間隔で同じようにストレスレベルをチェックしていく
- 35年間に追跡調査を行い長期的なストレスと認知症の発症率を割り出す
といった感じです。
35年間の追跡期間中に161人の女性が認知症を発症したみたいなんですが、ストレスがないと答えた人と頻繁にストレスを感じると答えた人の認知症の発症率を比較した結果どんなことがわかったのか?というと、
- 1回目の検査で『頻繁なストレス』あるいは『一定のストレス』を報告した人は認知症リスクが10%高い
- 2回目の検査でもストレスを報告した人は認知症リスクが73%高い
- 3回目の検査でもストレスを報告した人は認知症リスクが151%高い
ということで、常に何かしらのストレスを抱えてる期間が長い人ほど認知症の発症リスクが高かったんだそう。(特にアルツハイマー病の割合が多い)
ちなみにストレスによって認知症になりやすくなるメカニズムについてですが、
慢性的なストレスによって体内にコルチゾールの分泌が続く
↓
この状態が長く続くことで脳の海馬が萎縮する
↓
学習機能や認知機能の低下を引き起こし、認知症になりやすくなる
といった可能性はもちろんのこと、アルツハイマー病の原因とも考えられてるアミロイドベータというタンパク質の生成をコルチゾールが促進している可能性もあるんだそうです。
また研究者曰く、
このような脳の変化がストレスに対する脆弱性の増加を引き起こす可能性を排除できない。したがってストレス耐性の低下は認知症の初期症状を反映している可能性があります。
〈中略〉
またストレスに対する脆弱性は、社会経済的地位、栄養状態、喫煙、高血圧、中枢性肥満、身体活動などさまざまなライフスタイル要因の原因と結果の両方である可能性がありますが、私たちの調査結果は多くのライフスタイル要因を調整した後も残っていました。
とのこと。
ストレスによって脳の状態が変化するのもそうですが、そんな脳の変化によってストレスに弱くなる可能性があることも考えると、慢性的なストレスを感じてる状態はすでに認知症へのスタートラインを切ってるとも言えそうなわけですね。
やはりこの辺は日常的にストレスケアを実践するのが吉ということで、個人として肝に銘じておきたいと思います。(`・ω・´)