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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

カフェインで脳がスカスカになるのかも、、、っていう研究の話です

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こんにちは、なすびです。

 

「カフェインで脳がスカスカになるかも!!」っていう研究が興味深かったのでまとめておこうと思います。

 

カフェインといえば「脳の疲労物質をブロックして集中力を維持する効果」で有名ですが、一方で「睡眠の質を下げるかもしれない」っていう話があったりします。理論的には「カフェインで睡眠の質が下がって、脳によくない影響があるんじゃない?」って話になってるんですが、これは摂取のタイミングが悪かったり、量がやたらと多かったり、カフェインに敏感な体質だったりと一概に言える訳ではなかったりするんですね、、、。

 

まあカフェインに強い人であれば、寝る前にコーヒーを飲んでも全く問題ない!みたいな話もあったりする訳なんですが、そんな中新しい研究では「睡眠の質に関わらずカフェインが脳に直接悪影響を与えるのでは?」っていう見解になってて目から鱗でした。

 

 

カフェインで脳がスカスカに?

これは2021年にバーゼル大学の研究チームが発表したRCT研究になりまして、参加者は普段からよくコーヒーを飲む健康的な若い20名を以下のグループに分けて実験をおこなっております。(P)

 

  • カフェインの錠剤を飲むグループ(1日に150mgを3回に分けて摂取)
  • プラセボ(偽薬)を飲むグループ

 

カフェインを摂取してるグループに関してはブラックコーヒーでいうと大体4〜5杯分相当になりますが、もちろん実験期間中はどちらのグループも飲料などでカフェインの摂取はしないように促しております。

 

 

で、そんな10日間に及ぶ実験の前後では

 

  • 脳スキャンして参加者の灰白質の量をチェック
  • 脳の電気的活動(EEG)を記録し睡眠の質もチェック

 

してるんですが、『灰白質』っていうのはざっくりいうと脳内の神経細胞が集まりで記憶といった情報処理の中心となる部分。これが少なくなると認知症うつ病のリスクと関連してるんですが、そんな認知機能に重要な部分がカフェインを摂取するしないで違いがあるのかを調べてくれた訳ですね。

 

 

サンプル数は少ないものの実験のデザインはいいのでなかなか参考になりそうなんですが、そんな結果はというと、

 

 

  • 睡眠の深さはどちらのグループでも同等であった
  • 灰白質の量はカフェインを摂取したグループよりプラセボを摂取したグループの方が多かった

 

 

ということで、カフェインを摂取してないグループの方が灰白質の量が多くなってたんだそう。特に海馬といった記憶の定着に重要な脳の領域での変化が顕著だったみたいなんですが、睡眠の深さが同等だったっていうポイントも個人的には意外でした。カフェインが睡眠の質に悪影響を与えて脳のスカスカにするという流れでまとめるのは難しいそうな感じですね。

 

 

しかしコーヒーで脳がスカスカになる訳ではない

でもって気をつけたいポイントがカフェイン飲料で脳がスカスカになるとはいえないっていうポイントであります。この研究ではカフェインの成分をピンポイントで摂取してる訳なんですが、コーヒー自体には実は病気のリスクを下げるといったメリットが報告されてるんですね

 

脳に関わる部分でいえば、パーキンソン病といった認知症や鬱といったメンタル疾患リスクを下げる可能性があるわけなんですが、この辺は研究者曰く、

我々の結果は必ずしもカフェインの消費が脳に悪影響を与えるという意味しない 。しかしながら毎日のカフェインの消費は明らかに私たちの認知ハードウェアに影響を与える。脳の形態の変化は一時的なものと思われるが、コーヒーを飲む人と通常カフェインをほとんど摂取しない人との間の体系的な比較はこれまでのところ不足している。

とのこと。

 

まだわからないところが多い故に一概にはいえないですが、

 

 

の場合は、カフェインによる脳への悪影響が大きくなる可能性があるかもしれないという認識でよろしいのではないかと思う次第です。