ポリフェノールは摂取しすぎても悪影響はないのか問題について
こんにちは、なすびです。
少し前に『メンタルのためにポリフェノールを摂取するならこの9つが良さそう!』って話をしたんですけど、その時は「ポリフェノールのデメリット」については触れてなかったので、今回はその辺についてです。
「ポリフェノール」は栄養素としてかなり健康的なイメージがあるとは思うんですけど、17世紀の医師として知られるパラケルススはこのような格言を残しております。
すべての物質は毒であり、毒でないものは存在しない。その副容量こそが毒であるか、そうでないかを決めるのだ
当ブログではよくどんな優良食材でも食べすぎると悪影響が怖いという話をしてますが、要するにポリフェノールといえど取りすぎは体に悪いのではないかという話ですね。
確かにポリフェノールは心血管疾患といった病気のリスクを下げてくれるというデータは多いんですけど、逆に毒性のようなデメリットについて調べてる研究がそこまで多くないので、どうしてもポリフェノール最強という印象になりがちなんですよ。(P)
まあ「ポリフェノールすごい!」っていう認識は間違ってないとは思うものの、個人的には「ちょっとしたデメリットやどのくらいの摂取量なら安全そうなのか?」について知っておくに越したことはないのかなと思い、今回の記事に至ります。
ポリフェノールの4つの危険性
ということで、先にポリフェノールに関する4つのリスクを抑えておきましょう。これは2003年にフランスで行われたポリフェノールの安全性に関する国際会議の内容をまとめたもので、ちょっと文献は古いですが参考適度にまとめると以下の4つです。(P)
- 甲状腺ホルモンの合成を阻害する(緑茶や大豆のとりすぎ)
- イソフラボンがエストロゲン(女性ホルモン)の働きを活発にしすぎる(エストロゲン過剰)
- 鉄分不足のリスクを増加させる
- ものによっては発がん性や遺伝毒性がある
ただ根拠となる研究はマウス実験のレベルだったりしますし、食事から摂取するには無理がある大量のポリフェノールの量が投与されてたりするんで、あくまでも可能性がある程度の内容になってます。
またポリフェノールと鉄不足の関係についてはポリフェノールが豊富に含まれるコーヒー、紅茶、ワインといった食事に非ヘム鉄の吸収を促進するビタミンCが含まれていないことが関係してる可能性もありますので一概にはいえなかったり。
人間を対象にした臨床試験は倫理的な問題で実施が難しかったりするんで、「どのくらいの量を摂取する悪影響があるのか?」については明確に分かっていないんですね、、、。
ポリフェノールはどのくらいまで摂取していいのか?
「ポリフェノールがどのくらいのラインを越えると病気のリスクが上がる!」というデータは現状おそらくないと思われるので、ここでは「ポリフェノールの悪影響が出る量」を「ポリフェノールの恩恵が最大になる量」と再定義して、ポリフェノールの上限値について考えてみようと思います。まあポリフェノールのメリットは逓減していくタイミングなら、悪影響も大きくなり始めてるでしょうという発想でございます。
で、参考になりそうなのが、2014年のデータになりまして31,068人の参加者を対象に『ポリフェノール摂取量と死亡リスク』の関係を調べた観察研究です。(P)
内容としては、参加者の1日あたりのポリフェノール摂取量が
- 低(600 mg/d未満)
- 中(600~750 mg/d)
- 高(750 mg/d以上)
となるように分けた上で、平均4.8年間の追跡調査を行い「ポリフェノールの摂取量によって死亡リスクがどのくらい変わるのか?」について調べてくれてます。
で、足早に結果をみますと、
- 総ポリフェノールの摂取量が最大のグループ(1日に1,235mg)は最低のグループ(1日483mg)に比べて死亡率が37%低い
という結果になってて、これは食物繊維や脂肪の摂取量といった食事の内容を調節しても残ったんだそう。
つまりこのデータをもとにすると、
- 1日に1,235 mgまで!
であればポリフェノールの悪影響よりメリットが大きい可能性はありそうです。「1日1,235 mg のポリフェノール」は前回の記事を参考にすると、
- ダークチョコレートなら100gであっという間
- りんごなら8個ぐらい
- ブルーベリーなら300gくらい
- 緑茶や紅茶なら1.3リットルくらい
といったように食品によって違いますが、食生活が偏ってなければ取りすぎる心配はなさそうです。この辺の計算については過去の記事をもとに他力本願ということでよろしくお願いします。( ˙꒳˙ )
特にどんなポリフェノールが良かったのか?
ちなみに参考までにですが、この研究では「特にどんなポリフェノールが良かったのか?」についても調べてくれてたりするんですが、どうやら
- スチルベンとリグナンを多く摂取した参加者では死亡リスクが46%減少することが観察された。
とのこと。
ちなみにこれらのポリフェノールは
といった食品に含まれているた、全体的にみるとベリー類の優秀さが目立つ感じになってますね。
こりゃ久しぶりにラズベリーにでも手を出してみるかな〜。