やらない後悔とやる後悔、実際はどっちが大きい??という心理学のお話
こんにちは、なすびです。
僕のブログではメンタルヘルスに関する記事を書いていますが、今まで書いてきたことは体内の炎症を改善して、メンタルヘルスを保つというアプローチでした。
簡単に言えば生活習慣改善しようね!ということを色々書いてきたわけなのですが、今回は初めて心理学的なことを書いていこうと思います。
僕自身心理学はすごく好きなので、勉強したことをメモ感覚でお伝えできればなと思います。
今日は心理学と言えばこの方!
ノーベル経済学賞を受賞した、ダニエル・カーネマン先生の著書「ファスト&スロー」から一部抜粋してお届けしまーす。
テーマ
後悔を減らす選択
- 後悔とは何か?
- やらない後悔よりやる後悔は正しいのか?
- 後悔を恐れると損をする
- 後悔を減らす選択の仕方
後悔とは何か?
後悔は皆さんにとって馴染みのある感情だと思います。
「後3日待ってれば、半額で買えたのに、、」とか「告白なんてしなければふられなかったのに、、」なんてことが皆さんの経験にもあるはず。
僕も後悔はしょっちゅうしますが、今回はダニエル・カーネマン先生が後悔について興味深い内容を書いていたのでご紹介。
著書によれば
後悔とは現実に起きたのとは異なる状況が思い浮かぶからこそ引き起こされる感情であり、その意味では反事実感情だと言える。
とのこと。
言い回しが難しいので例えば、
現実に起こったことが好きな子にふられたということであれば、それとは異なる自分、つまり告白しなかった自分が今頃どんな生活を送ってるのかと想像力を働かせてしまうということ。「もし~しなければ・・・みたいな」感情のことですね。
僕も好きな子に告白してふられたことがありますが、「告白しなければ、こんな切ない気持ちにはならなかったのに、、、」とか「告白しなかったら、いつも通り楽しい会話が出来たはずだ、、、」など後悔がしまくって、パン屋さんで泣きそうになってました。今となっては良い思い出ですが(笑)
恋愛において後悔はよくある話だと思いますが、飛行機事故のような滅多に起きないことでは、人間の後悔という感情はより強く働くことが研究でわかっています。
やらない後悔よりやる後悔は正しいのか?
「やる後悔よりやらない後悔の方が大きいよ」みたいな話をよく聞くのでは無いでしょうか。
僕はその言葉でで好きな子に告白して撃沈したわけなのですが、人生のアドバイスとしてよく耳にするフレーズですよね。
さてそんな「やらない後悔よりやる後悔だ」という理論なのですが、著者によれば人間はやらない後悔よりやる後悔のほうが精神的ダメージは大きいとのこと。
これは実験で使われた質問です。
良ければ考えてみてください。
以下の状況を想像してください。
ブラウン氏はこれまで一度もヒッチハイカーを乗せたことがありません。しかし昨日若い男を乗せたところ、所持品を奪われました。
スミス氏は日頃からよくヒッチハイカーを乗せています。昨日も若い男を乗せたところ、所持品を奪われました。
この出来事をより深く後悔するのはどちらでしょうか?
A:ブラウン氏
B:スミス氏
実際の実験結果では
ブラウン氏と答えた人が88%
スミス氏と答え人は12%
だったみたい。
なぜこのような結果になったのかというと、ブラウン氏はいつもと違う行動をして、失敗したから。
著者によれば
デフォルトから離れると、デフォルトが容易にイメージされる。そこでデフォルトから離れた行動を取って悪い結果が出た場合には、ひどく苦痛を味わうことになる。
とのこと。(1)
デフォルトとは上記の例で言えば、ブラウン氏は普段はヒッチハイクをしないということ。
普段やらないことをやって失敗したので、後悔という感情が強く働いてしまったということですね。
普段ヒッチハイクをしないんだけど、今回はヒッチハイクしてみた。
↓
盗難される
↓
「もうヒッチハイクなんてするもんかー!」っと酷く後悔する
という流れなんじゃないかなと。
これは確かにトラウマになりそう。
ブラウン氏はもう二度とヒッチハイクをしないでしょうねー。
後悔を恐れると損をする
いつもと違うことをして、失敗したときに後悔の感情が強まることは先に述べたとおりです。
ただ後悔したくないという感情が強すぎて新たな選択を避けることは、人生において損をする場合もあります。
例えばあなたは化粧品コーナーにいるとします。
あなたはいつも使っている化粧水Aではなく、新商品の化粧水Bを買うか迷っているとします。(AとBの価格は同じとする)
もしあなたが化粧水Bを買って良かったと感じれば、Aを使っていた頃より良い人生を送ることができます。
ただここで「Bを買って失敗したくない!」とか「前回化粧水Cを変えて失敗したから、A以外使うものか!」など、後悔したくないという感情が働きすぎると、本当にメリットのある化粧水Bを知らないまま人生を送ることになります。
株式投資などでも同じことが言えるでしょう。
確かに現状から違う行動を起こすことは、後悔を伴うことも有ると思います。しかしプラスになる要素もたくさん含んでいることをわすれてはいけないということですね。
現状維持が一番のリスクだと言う話も耳にしますし、ある程度リスクを取ることも大切なのでは無いでしょうか。
後悔を減らすための選択
ある程度のリスクは取る必要はあるもののあ、そうなると後悔がつきまとうでしょう。
ではリスクを取れるようになるために後悔をどのように減らしていけば良いのでしょうか?
著者によれば、
最も効果的な方法は予測される後悔を先に書き出しておくことだ。そうすれば、自分は決定をする前にちゃんとその可能性を考えていおいたのだと思い出し、あまり後悔に苛まれずにすむはずだ。
とのこと。
新しい化粧水に手を出すときは、それを買ったときに自分がどんな後悔をするのかを思い浮かべてから買うということですね。
例えば新たに化粧水Bを買う場合、「やっぱり前回使っていたAのほうが良かったなー」とか「BとCで悩んだけど、Cにすればよかったー」みたいに書き出そうということですね。
そうすれば実際に後悔したときに、「いや、自分はこの後悔を考えた上で化粧水Bを買ったんだ!」と後悔に苛まれずに済むということみたいです。
また「明日の幸せを科学する」著者のダニエル・ギルバード氏によれば
とのこと。
実際に後悔に直面したときよりも、後悔するかもと自分で考えたストーリーの方がはるかに強力だと。そして後悔に直面したとしても、人は思ったよりその感情に耐えられるものだよということらしい。
つまり一番恐ろしいのは自身の想像力はということでしょうか、、、。
まとめ
- 人はいつもと違うことをして、失敗したとき最も後悔しやすい
- 後悔を恐れすぎても、損をする
- 後悔を減らすためには、後悔するであろうことを事前に紙に書く
- 自分が想像する後悔が一番強力かもね
- 人は思ったよりメンタル強いよ
参考文献
ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダニエル・カーネマン,村井章子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/06/20
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