【マーケティング】テレビの健康情報はどこまで信用すれば良いのか??
こんにちわ、なすびです。
テーマ
テレビの健康情報って正しいのでしょうか?
目次
- テレビの健康情報は正しいのか?
- 「最新の健康法」という謳い文句騙されるな!
- 研究は「最新」より「最多」
- 成分重視が恐ろしい結果をまねく
- マーケティング目的の健康情報に注意
- 比較的信頼できる健康本の選び方
- 疑いながら読む
テレビで言っていることは正しいのか?
本題に入る前に、テレビのビジネスモデルを確認したいと思います。テレビの収益の仕組みを理解しておくと、今後の話が理解しやすくなると思いますので。
まずテレビ業界の収益モデルはCMなどによる広告収入がメインです。テレビで放送されているCMは企業がお金を出して、CMの放映権を買っています。
テレビのCM放映権というのは、一般的に視聴率が高くなればなるほど値段が上がります。多くの人が見てくれると、宣伝効果が上がりますからね。
つまり
視聴率が高い
↓
CMを多くの人に見てもらえる
↓
多くの人に影響を与えられるので、企業の売上につながる
↓
CM枠が高くても、企業は買ってくれる
テレビ局側としては、CMで利益を上げるためにも視聴率が鍵になっていくことがわかります。
最新の健康法という謳い文句騙されるな!
テレビ側としては、視聴率を上げるためにはどうすれば良いかと、考える必要があります。
視聴率を上げるポイントは色々考えられるかもしれませんが、どの番組にも共通していることは「人の目を引くコンテンツ」であることかと。
そもそも番組に何かしらの魅力がない限り、その番組を見ようとも思わないだろうし、他のチャンネルに移られてしまいますよね。
では健康に関する番組はどのように魅力が作られていくのか?
それは「最新の研究で明らかに!」とか「リコピン(成分)が身体にいい!」といったフレーズです。
「最近わかった!」という目新しさや聞き馴染みのない成分で視聴者を惹きつけます。
例えばですが、
「大根が身体に良い!」
「大根のジアスターゼが身体に良い!」
どちらのタイトルが気になりますか?
僕は後者だと思います。
大根など野菜そのものが身体に良いのは、皆さんなんとなくわかっていると思います。
なのでただ単に大根の特集をやったとしても、「体に良いのは想像すればなんとなくわかるな〜」と視聴者が素通りしてしまう可能性が高いんですな。
ただ上記のようにあまり耳にしない成分のような言葉を聞くと少し興味が出てきますよね。
つまりこのように「最新という言葉」や「聞き馴染みのない成分」で視聴者に興味を持ってもらうようにしているわけです。
さて、色々テレビのことについて書いてきましたが、このように視聴率を上げることを目的とした「最新の研究」や「成分に注目した」番組の何が悪いのでしょうか?
研究は「最新」よりも「最多」
マスメディア(新聞やテレビ、雑誌など情報を拡散する媒体)の共通点として、いかに人の目を惹きつけるかが利益に繋がります。なのでより最新の情報(目新しさ)を求める傾向にあるわけですね。
この最新の情報が新発売のiPhoneや話題の飲食店であれば、新しいことに越したことはありませんが、健康に関しては新しさほど諸刃の剣です。何故なら研究は積み重ねが物を言うような世界だからです。
最新の研究が危険な理由をショッピングサイトのレビュー(Amazonとか)で例えてみましょう。
☆5のレビューが1つある商品を想像してみてください。この商品はたった一人しか良いという評価をつけていません。この商品は果たして買って損ではないと言えるでしょうか?
仮にこの商品に二人目が☆1をつけたらどうなるでしょう。レビューは平均して☆3に下がってしまいますよね。
そしていろんな人が評価を重ねていくうちに、☆5に近い値もしくは☆1に近い値に落ち着きます。
研究の評価も実はこんな感じなんです。
どこかの研究者が「リコピンが身体にいいことがわかったぞー」っていうと、またどこかの研究者が「あんたの研究はこの点が考慮されてないぞー、だからリコピンが身体にいいとは言えない!」と意見がぶつかり合う。
こうして何度も研究が行われていき、情報が蓄積されていくことによって、リコピンが身体に良い、もしくは悪いことが証明されていくんですね。
ちなみに玄米は膨大な研究結果が蓄積されているので、イメージとしては80件のレビューがあり、平均して☆3.7ある状態。このような状況では玄米に対して批判的なレビューが1件ついたとしても、総合的なレビューはあまり変わらないので安心できます。
前述したとおり、あまりにも最新という言葉に食いついてしまうと、後日研究が否定されてしまい「最新と提唱された健康法が実は間違っていた!」なんてことが起きる可能性があります。
身体良いと言われて取り続けていたものが、数年後には悪いという結果になっているというのは怖いことです。途中で気がつけば良いのですが、そのことを知らないで何十年も生活をすれば、悲惨な未来になっている可能性あります。なので最新の健康法と謳ったものが出てきた場合、目新しさに飛びつかず、研究結果が蓄積されるのを待ち、誤った健康情報を取り入れないことが大切かと思います。
効果がないものにお金を割いてももったいないですし、「実は身体に悪かった!」みたいな結果になったら、それはなおさらかと。
皆さんの健康情報が☆2になっていないことを願います〜。
成分重視が恐ろしい結果をまねく
目新しさと同じくらい危険な考え方は成分重視の考え方かと。「ビタミンCが体に良い」とか「リコピンが体に良い」見たいな感じですね。
なんでこの考え方が危険なのかというと、食材で取る成分とサプリで取る成分には違いがあるからなんですね。例えば「オレンジで取るビタミンC」と「サプリで摂るビタミンC」の効果は別物ということです。
実際に緑黄色野菜などに含まれるβカロテンを野菜ではなくサプリメントで取ると、死亡率が7%上がったり、膀胱がんを発症リスクが約50%上昇したり、喫煙者では、肺がんと胃がんのリスクが10〜20%上昇すると報告されているわけですな。(1,2,3)
これら(1,2,3)の研究はメタ分析になっており、情報の精度としては一級品です。(ランダム比較化試験、メタ分析については初回のブログにて)
マスメディアは人の目を引くために成分をアピールしてきますが、大切なのは成分ではなく、成分が含まれる食材そのものだと、津川友介先生は述べています。
つまりビタミンCをサプリや取るのではなく、果物としてビタミンCを取ることに意味があるわけですね。逆にサプリメントやジュースなど加工食品で摂取すると、むしろ身体に害を与える可能性があるので危ないということです。
ちなみにリコピンが身体に良いという、質の高いエビデンスはないみたいなので、リコピンを抽出したサプリや健康食品ではなく、栄養価の高いトマトをそのまま食べるほうが、効果は高いと考えられます。
マーケティング目的の健康情報に注意
テレビを含め、メディアに関する情報について色々書いてきましたが、テレビが100%正しくないと言っているわけではありません。しかしながら100%正しいと言っているわけでもないので、ちょっと情報を疑うというスタンスをもっていただければと思います。
なぜなら番組の健康情報は、マーケティング目的である可能性も十分に考えられるからです。
マーケティング目的とは上記した「最新の研究結果」や「トマトのリコピンが身体に良い」みたいなことで、これらの情報が真実であろうがなかろうが、食品メーカーやスーパーはメディアで流れた健康情報を宣伝することで、商品が売れることにつながります。こうなると間違った知識も世の中に深く根付いてしまうんですね。
なのでメディアの報道や大手の食品メーカーの健康情報が必ずしも正しいということにはならないと、頭の片隅で考えておくことは、自分の身を守ることにつながってくるかと思います。
比較的信頼できる健康本の選び方
ここからは二つ目のテーマになります。
本屋に行けば「最新の研究でわかった!」や「最高の健康本!」みたいたくさん本があるし、どれを選んで呼んだら良いのかわかりにくい部分があります。
そんなたくさんの健康本の中から、より正しい可能性が高い健康情報を得るために気にするべきポイントが2つあります。
- 参考文献などから引用されているか?
- どんな経歴の人が書いているか?
ポイント1
先日ブログや放送でもお伝えしたとおり、情報源が重要というところに繋がってきます。
例えば専門家が大根が身体に良いと主張してるとします。
専門家が言っていることなので正しそうだと考える気持ちはわかります。
僕もそうでした。
ただ専門家の意見も情報源である医学論文の質によって左右されます。論文によってまとめられている研究が信頼性に乏しいものであれば、専門家の意見も信頼性が低くなってしまうからですね。
なので本の最後の方を見て、参考文献に英語の文章がづらづらと書いてあれば、ある程度信頼度の高い本になるわけですね。僕は参考文献が何も書いてなければ、何も読まずにそっとページを閉じます笑
ポイント2
特に健康に関する本を買う際は参考文献にも注目したいですが、「著者がどのようなことを学んできたのか?」や「専門分野はなんなのか?」を見て、この人はどんな人なのか想像してみると良いと思います。
例えば
・〇〇大学を出て医学博士
・海外の〇〇大学で〇〇年〜について学ぶ
・10000人の患者を救った
・NPO法人で代表を務める
と著者情報として書いてあるとしましょう。
この経歴を見るだけで、この先生は凄そうだ!と思いますよね。僕も最初はそうでした。
凄そうな人が言ってることは、正しいと思ってしまうんですよね。
これは心理学的にハロー効果と呼ばれるものです。「イケメン、長身、英語が喋れる、サークルの代表=全てにおいて優秀だろう」みたいな考え方。
プラスの印象をすべてに当てはめるということですね。この場合でも「凄そうな人が言っていること=正しい」となりがち。
ただいくらこの人が大根が身体にいいと訴えていても、研究などの情報源(論文のURL、参考文献)を示していないことには、信頼度は下がってしまうんですね。ただえさえ研究のやり方でも信頼度が変わってくるので、文献すらないと信頼度が下がってしまうわけですな。
なので、どっちも著者の経歴よりは参考文献から引用していることが大切なのかな思います。
疑いながら本を読む
一番良いのが、ナッツが健康に良いって本を呼んだ時に「エビデンスあるのか?この人はどんな経歴がある人なのかな?」と疑いながら読んでみることがベストです。しかし知らないことを疑えと言われても、なかなか難しと思います。
何故なら情報を疑うようになれるには、りんごが身体に良いことを知っている状態で、りんごが身体に悪いという情報を聞いたときです。こうなると「あれ?りんごって身体に良いんじゃなかったっけ?」となるはず。
なので疑いながら本を読むには、健康であれば、健康に関する基礎知識を増やしていくしかないんですね。
僕も昔はお医者さんのいうことをハイハイと受け入れていましたが、本を読んでいくにつれて、お医者さんのよって言っていることが違ったので、疑う技術を身につけることができました。
大したアドバイスは出来ませんが、皆さんも健康に関する知識量を増やして、普段から疑う癖を身につけておくといいのではないかと思います。
まとめ
- テレビの情報はマーケティング目的の可能性があります
- 最新の研究は今後ひっくり返る可能性があるので注意
- 食品は成分じゃなくて、成分が含まれた食品そのものが大切。
- すごい経歴の人が正しいことをいっているとは限らない
- 大切なのは研究などの情報源、本で言えば参考文献の欄
参考文献
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