【ダイエット】お皿を小さくすると食べる量が減る?はどこまでホント?
こんにちは、なすびです。
今回は「お皿を小さくすると食べる量が減ってダイエットになる説はどこまでホントなの?」って話が面白かったのでまとめておこうと思います。
「お皿を小さくすると摂取カロリーが減る」みたいな話はダイエット法の一種として聞いたことがあるかもしれませんが、まずその辺の根拠となるデータを見てみますと、
- 2014年のメタ分析:皿の大きさが食事の摂取量に及ぼす影響には一貫性がない(効果量:d = 0.18)(P)
- 2015年コクランレビュー:72件の研究を統合したメタ分析ではパッケージや食器の大きさが食事の摂取量に及ぼす影響は小から中程度であることが確認された(効果量:d = 0.29)(P)
- 2016年のメタ分析:56件の研究を統合したメタ分析では、皿の大きさが2倍になると食事の摂取量が41%増加することがわかった。(効果量:d = .43)(P)
という感じで、これらのデータを見る限りだと皿を小さくするだけでも食事の摂取量が減ってダイエットになりそうな印象があるわけですね。
しかしながら、これらのメタ分析が含まれてる研究1つ1つの質が低いのがネックになってまして、具体的には、
- 含まれたほとんど研究はサンプル数が少ない
- グループ分けがランダムになってない
- どのグループに何人割り当てたか?など不明点が多い
ということで、科学的に信頼度が高いとされるメタ分析による結果にしては信頼しにくいデータになってるということなんですね。
まあ錆びたパーツで車を作ってもポンコツな車が出来上がるように、統合された研究の質が低いとメタ分析の質も低くなっちゃうって話なんですが、そんな中上記の研究に疑問点を感じた研究者がデザインをより厳密に設計した上で新しいデータを取ってくれていたので、今回はその辺についてまとめておこうと思います。
お皿を小さくすると食べる量が減る?
これは134名の成人(18~61歳)を対象に行われたRCT研究になりまして、参加者は以下の2つのグループに分類してます。(P)
- 大きなお皿で食事を取るグループ(直径29cm)
- 小さなお皿で食事を取るグループ(直径23cm)
でもって参加者にはパスタのような特定の食事を自分が好きな分だけ取って食べるセルフサービスの食事をしてもらった上で、
- 大きな皿と小さな皿で食事の摂取量に違いはあるのか?
- 盛り付ける量、食事のスピードや噛む回数などに違いがあるのか?
ということを調べてくれてました。
以前の研究と比較しても、デザインはもちろんのこと参加者の男女の割合や高所得から低所得、高学歴から低学歴と幅広いサンプルを使ってるのはなかなか信頼度が高いポイントなのではないでしょうか。
ということで、そんな結果はどうだったのか見ていくと、
- 大きな皿と小さな皿を使ったグループを比較しても摂取カロリーは平均19.2kcalしか違いはなかった(効果量:d = 0.07)
- お皿に残された食事の量が多かったのは大皿を使用した参加者だったが、食事のスピードや噛む回数などに有意な差はなかった
とのこと。まあ1食につき20カロリー節約できるのを大きいと捉えるか小さいと捉えるかにはよるものの、そこまで目立った差はないんじゃないかという結果にはなってますね。ちなみにこの結果は年齢や所得レベルといった変数を調整しても結果が変わらなかったみたいなので、かなり信頼できる結果になってるのではないでしょうか。
で、個人的に「もっと小さいお皿だと結果は変わって来るんじゃないか?」と思ったんですが、17cmの皿と26cmの皿(直径9cm差)を比較した過去の研究によると摂取量への影響は見られなかったんだそう。(P)
この辺をふまえて研究者曰く
以前の質の低いエビデンスによるメタアナリシスでは、皿の大きさが食事の消費に及ぼす影響をかなり過大評価していた可能性があることを示唆している。
とのことで、皿の大きさを小さくすることで食べる量がかなり減ります!というのは言い過ぎかもしれないってことですね〜。
まあとはいえ「お皿のサイズを小さくするのに意味はない!」と言い切れるわけではないのも事実なので、現状だとあまり目立った効果は期待できないという微妙な立ち位置にあるんだな〜くらいの認識でいいんじゃないでしょうか。
一食あたりのカロリーの節約レベルなら食べ順ダイエットの方が使えるかもしれませんね。(`・ω・´)