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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

感謝日記やり方 & 感謝日記で幸福感が6ヶ月間は持続するかも!っていう研究のお話

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こんにちは、なすびです。

 

今回は『ポジティブ心理学』についてのお話です。

 

感謝することはメンタルに良いよ!』っていう話は何度か過去に何度かしているんですが、『具体的にどんなことを感謝すれば良いのか?』っていう話が参考になったのでまとめておこうと思います。

 

これは2020年に発表された研究になりまして、日常生活から小〜中程度の幸福感と苦痛を感じてる217人のオランダ人を対象にしたRCT研究になります。(P)

 

この研究ではまず参加者を以下の3つのグループにランダムに分けてるんですが、

 

  1. 感謝の日記をつけるグループ(詳細については後ほど)
  2. 自分に対して優しくする日を作るグループ(自分のことを褒めたり、趣味に時間を増やしたり、マッサージに行ったりとか)
  3. 特に何もしないグループ(治療待機群)

 

これらのメンタル改善エクササイズに参加してもらった上で、

 

  • 主観的な幸福感(MHC-SFスケールでチェック)
  • 抑うつ症状のレベル(CES-D)
  • 不安レベル(GAD-7)
  • やってみた満足感

 

といったメンタルの状態を実験の前後でチェックして、どのグループでどのくらいメンタルの改善がみられるのか?という差を調べてくれてたわけですね。

 

研究のデザインとしてはいい感じなので、なかなか信頼度の高い結果が得られるのではないでしょうか。

 

 

 

 

足早ですが、まず『感謝日記グループ vs 特に何もしないグループ』の結果を見ていきますと、

 

  • 感謝日記グループの方が幸福度は大幅に改善した【d = 0.93】
  • 抑うつ症状も大幅に改善した【d = 0.80】
  • 不安症状も若干改善してた【d = 0.33】

 

といった感じで、そりゃ何もしないグループと比較すれば感謝日記のグループの方がメンタルは改善効果は大きいよな〜といった具合であります。

 

では次に『感謝日記グループ vs 自分に優しくするグループ』を比較した場合の結果はどうだったのか?

 

  • 感謝日記のグループでは幸福度が中〜大程度改善してた【d = 0.63】
  • 抑うつ感と不安はそこまで差がなかった

 

とのことで、抑うつや不安といったネガティブな気分の改善値は両者にそこまで差はなかったんですが、幸福度に関しては感謝日記のグループの方が高かったんだそう。

 

ちなみにこの研究ではありがたいことに「6週間後の効果」と「6ヶ月後の効果」も追跡調査してくれてるんですが、その結果も見てみると

 

  • 6週間後も幸福度は小から中程度残ってた【d = 0.40】
  • 6ヶ月後も幸福度は小程度ながら効果は残ってた【d = 0.31】

 

とのことで、感謝日記は長期的に効果が持続しやすい!というポイントはなかなか良い感じなのではないかと思う次第です。

 

まあこの結果をネガティブに考えるのであれば、参加した人たちはそもそもエクササイズへのモチベーションが高かったり何かに感謝することに抵抗がなかったりする人たちが多かったため、その辺の効果が大きく出てる可能性は否定できなかったりするんですが、この辺が特に抵抗がなければメンタルの改善のためにやってみる価値はあると言いえそうです。

 

 

 

【6週間】感謝日記の付け方

ということで、最後にこの研究で行われた感謝日記の付け方をまとめておこうと思います。基本的には毎日日記をつけるような感じになりますので、人への感謝とか日記書くのはそんなに苦じゃない!っていう方は是非取り組んでみてください。

 

全体的な内容としては1週目〜6週目かけて行っていくエクササイズになっていて、内容も少しずつ深いものにレベルアップしていく感じになっていきます。

 

1週目:日々の些細な出来事に感謝する

 

  1. その日に起きた良いことについて3つ書き出す(出来たら毎日、少なくとも5日間)
  2. 「その内容がどんなものだったのか?」「どんなことに感謝してるのか?」といった理由も含めて15分くらい書けて日記をつける

 

例:母に今日食べたいものを伝えると、何も文句も言わずに作ってくれた。お金を払ってるわけでもないし、自分の欲求に応える義務もないのにご飯を作ってくれるのはありがたいことだ。


2週目:視点を変えて、感謝する

 

  1. 日常生活の中から「〇〇がなくなったらどうなるか?」について、1日1トピック考える(例:水道水、ペット、最愛の人、洗濯機、きれいな水とか)
  2. 日常生活にこれがないとあなたの生活はどうなるのか?これはあなたの人生にとってどのような意味があるのか?何に感謝しているのか?について10〜15分程度考えてみる

 

例:もしiPadがなくなったら、好きなゲームもできなければ、好きなYouTuberから元気をもらうこともできなし、音楽も楽しめなくなってしまう。これがなくなったら自分にとってクリエイティブが活動ができなくなり、人生がとても退屈なものになってしまうことを考えると、製作者には感謝しているし、高いお金を払う価値は合ったと思う。またiPadのエネルギー源に当たる電気を作ってる会社にも感謝している。

 

3週目:感謝の手紙を書く(相手に送らなくてもOK)

 

  1. ここ最近もしくは数ヶ月間であなたのために何か良いことをした人のこと思い出し、この人に感謝の手紙を書く
  2. この人はあなたのために何をしてくれたのか、そして彼または彼女の行いがあなたにとって何を意味するのか?について書き出してみる

 

これに関しては実際に手紙やメッセージを送っても良いですし、その人の前で声に出して読んでも良いんだそう。ただ恥ずかしいって言う人が大半だと思うので、とりあえず書き出すだけでもOKです。

 
 

4週目:人生の良かったと思う経験に感謝する

 

  1. あなたの人生において出会った人や起こった出来事について、またどれくらい感謝しているか?について毎日15分から30分書く(1日1トピック)

 

どれくらい感謝しているのか?については『100点中の80点』みたいに数値化して、出来事によって比較してみるのも面白いかもしれません。(実際に気分の数値化はいろんなメンタル改善テクニックに使われてる)

 

これも例えば、「志望校に受かったことや学校で過ごした友人たちとの楽しい時間がなかったと考えるとどうだろうか?」、「この人の助けがなかったら今の自分はどうなったただろうか?」、「この人の影響を受けなかったら自分はどんな道を歩んでいただろうか?」といった枠で考えて見てください。

 

 

5週目:不幸な出来事への感謝について考える

 

  1. 最近または過去に起こったネガティブな出来事について1日1トピック書き出してみる(または少なくとも5日間)
  2. 「そのネガティブな出来事ことの中でもポジティブな側面はないだろうか?」「その出来事を体験しなければ学べなかったかもしれない発見があったかどうか?」「人として何か変わったか?どのような前向きな変化に気づいたか?」「困難な出来事の前向きな結果に感謝を感じることができますか?」について考えてみる

 

5週目からはポジティブな出来事への感謝ではなく、ネガティブな出来事にこの経験があってよかったと意味を見出すエクササイズになります。これも例えば「友人と喧嘩したけど、お互いの本音を言い合うことができてより仲良くなった」とか「失敗して精神的に辛かったけど、そこから学んで成長した」みたいな感じですね。

 

6週目:人生における感謝の気持ちを持つ

 

  1. 毎朝の5分間「人生に感謝の気持ちを持ちたい」という気持ちを思い出す(朝起きていることに感謝できそうか?、あなたの一日はどのようものになりそうか?)
  2. 日中はできる限り、日常生活の正常なことに気づき感謝する(いつも通りキレイな水が使えるとか)

 

最後は毎回記録するのではなく、日々の生活を送る中でも感謝することを忘れないマインドを養っていくという感じです。

 

まあ日常の中から感謝を見出すといっても「お日様、いつも地球を照らしてくれてありがとう!」とか「道端に咲いてる花に感謝せよ!」ってなると流石にしんどいので、自分だったら「ここにコンビニがなかったら、もうちょっと歩く必要があるから時間も節約できて助かるわ」くらいの感謝レベルがちょうど良いですね。

 

この辺は皆さんが「これなら感謝できそう」ってレベルのことを見つけれもらって実践してもらえると良いのではないかと思います。あんまり感謝しなきゃって思いすぎても日常生活が窮屈になっちゃうんで、この辺はほどほどにということで、どうぞよろしくお願いします。( ˙꒳˙ )