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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

メンタルが悪化したらとりあえず8つポジティブ心理学を使ってみてはいかが?という研究のお話です。

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こんにちは、先日ベース動画も更新しました、なすびです。( *¯ ꒳¯*)✨

 

今回は「家族介護者のためのライフ・エンハンシング・アクティビティ(LEAF)」という介護者のためのメンタルケアプログラムが、ストレスケアに役に立ちそうだったのでまとめておこうと思います。(P)

 

 

 

8つのポジティブ介入で構成された『LEAF』とは?

LEAF』は以下の8つのポジティブ心理学で構成されたプログラムなんですが、まずはそんな中身を見ていきましょう。

 

  1. 日々の感謝を記録する他者に感謝の気持ちを向けることでメンタルが改善する研究はそこそこ有名なんですけど、これは自分が日々感謝していることをメモに残すような内容ですね。日々の感謝日記をつけるイメージでも良いと思います。
  2. ポジティブな出来事に気がつく:記憶の特性としてはネガティブな出来事の方が記憶に残りやすいので仕方ないところもありますが、ネガティブなことばかりに目がいくようになると人生が暗いものに感じてしまうので、日々の小さなポジティブに目を向けるようにトレーニングすることは結構重要だったりします。この辺は『スリーグットシングス』のように今日1日で起こったポジティブなことを些細なものでも良いので3つメモしてあげると良さそうです。
  3. ポジティブなイベントをスケジュールに組み込んでおく:「自分が楽しい気分になれそうな予定を入れておくのは当たり前では?」と思う方もいらっしゃると思いますが、人によっては「休みの日になったものの行動する気になれなくて1日何もせずに終わった!」なんてことが起きたりするんですよ。本当はポジティブな気持ちになれそうなことを色々できたはずなのに!っと悶々としないためにも「この日の空いた時間は昔やってた趣味をもう一度やってみようかな」と事前にやることを決めておくとことは結構重要なんですね。この辺に関しては『行動活性化療法』の話が参考になるかもしれません。
  4. マインドフルネス:マインドフルネスも当ブログをご覧になっている方にとってはお馴染みかもしれませんが、ざっくり説明すると「過去や未来についての考え事から脳を解放してやろう!」みたいな感じ。ただここでは説明しきれないので詳しくは「マンドフルネス瞑想」や「デタッチドマインドフルネス」の記事を参考にしてもらえればと思います。
  5. シルバーライニング:『シルバーライニング』は「短所は長所でもある」とか「失敗は成功のもと」みたいに感じで、ストレスだった出来事や悪いと思っていることをなるべくポジティブに解釈し直すことです。(その他:怒りは一歩踏み出す勇気を与えてくれる、不安は慎重に行動するのに役に立つとか)
  6. 達成出来そうな目標を立てる:「小さな進歩の力」がモチベーションやメンタルに良い影響を与えてくれる!という話は過去にさせてもらったんですが、『LEAF』でも幸福感に重要だ!ってことで取り上げられてました。逆に達成できそうにない大きな目標を立てると自信をなくしてメンタルが悪化しやすいという話もあるので、今の目標が自分には大きすぎると思ったらもう少し簡単なものに設定し直したり、日々の生活に新しい小さな目標を立てたり実行していくのはメンタルのためにも非常に良いのではないでしょうか。
  7. 自分の強みに気づく:自分の強みに気付いたり、強みにそった行動をするのは自己肯定感といったポジティブな感情を育むためには非常に重要なことは言わずもがな。まあ「自分は他の人と比べると物覚えが良い!」と自覚して、それが活かせるような行動をすると成功しやすいと考えると自分への自信にも繋がりやすいのはなんとなくイメージが出来るかと。そうはいっても自分の強みがわからないという方は「The VIA Character Strengths  Survey」をやってみるのがおすすめです。
  8. 他者に親切にする:ボランティアのような事前活動に取り組むと幸福度が高くなる!といった研究は多いので、家族や友人でも誰でも良いので1日1回何か親切な行動を心がけても良さそうです。

 

 

LEAF』ではこれら全てを段階的に行っていくため、ある意味ポジティブ心理学のオールスターといえそうな感じですね。

 

 

 

LEAF』プログラムを行った人たちはメンタルが大幅に改善した!

でもって、実際のRCT研究では170人の介護者を対象に『LEAF』取り組むグループ(N = 86)とそうでないグループ(N = 86)で効果を6週間にわたって比較してくれているんですが、そんな結果は、

 

  • ポジティブ感情が大きく増加した【d = 0.58;p < 0.01】
  • 不安レベルも減少した【d = -.33;p< 0.01】
  • 抑うつ感もそこそこ減少した【d = -.25;p = 0.02】
  • 身体的な健康状態も改善した【d = 0.24;p = 0.02】

 

ということで、参加者はポジティブに考えられるようになったのはもちろんのこと、研究を始めたことは中等度の抑うつ症状を示していた参加者は『LEAF』プログラムを通じて標準レベルの抑うつ症状になったことを考えると、メンタル面は大幅に改善してるといえそうな感じですね。

 

この結果について、研究者曰くですが、

私たちは単純に「心配せず、幸せになれ」というアプローチを提唱しているわけではないし、単にポジティブな感情を高めるだけで、認知症介護者が直面する非常に現実的で複雑な問題の万能薬になると信じているわけでもありません。

〈中略〉

しかし今回の研究では介護者のポジティブな感情をターゲットにした介入がうつ病の軽減するための方法を段階的に設定することできるようになることが示されている。

とのこと。

 

目の前のストレスフルな出来事が存在するのは変わることがない事実ですが、それをどう解釈するかによって少しでも心理的な苦痛が減り、幸福感が得られるようになるのであれば、こういったポジティブ心理学のようなものを使ってみるのはありなのではないでしょうか。

 

もちろん『LEAF』は効果がある8つのポジティブ心理学を全て行っているので効果が大きく出ている部分も否定はできませんが、1つ1つで見ても効果があるとされているので、何か1つ気になったものを始めて見るのも良いと思います。(`・ω・´)

 

※明日から2日はバンドリ8thライブの感想になりますので、実質おやすみをいただきます。(_ _)