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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

6人に1人は生涯でうつ病経験すると言われますが、現代では3人に1人なのかもしれないというシミュレーション研究の話


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こんにちは、なすびです( ˙꒳​˙ )

 

時代の近代化に伴ってメンタルの調子を崩す人が増えているわけなんですが、過去のデータを見ても

 

  • うつ病の生涯有病率は6人に1人(P)
  • 不安障害の生涯有病率は3人に1人(P)

 

というわけで、現代では誰でもメンタルの調子が悪くなる可能性があるんですよね、、、。

 

特に現在は感染症のストレスによってかなりメンタルに負担がかかっている状況な訳ですが、新しい研究では「うつ病を経験してる人って先のデータより多いのではないか?」という知見が出てて、なかなか深刻な問題だなと感じました。

 

 

 

これはアメリカの全国健康調査のデータや薬物の使用履歴から、「大うつ病のエピソードの発生率」および「うつ病の過小評価する確率」などのシミュレーションをモデルを作成し、生涯のうつ病有病率を改めて調べたもの。(1)

 

ちなみに大うつ病エピソードというのは、

激しい悲しみや絶望感、疲労感、体重増加や体重減少、睡眠習慣の変化、活動への関心の低下、自殺や自殺未遂の思考などを2週間以上経験すること

といった、大うつ病と診断される基準のようなものになるのですが、この大うつ病エピソードから、現在の生涯有病率を割り出すことについてはいくつか問題点がありまして、

 

  • 本当は治療を受けた方がいいレベルにも関わらず、「自分は大丈夫です」と、症状を低めに報告する人がいる
  • 「今の憂鬱感はちょっとした心の成長痛だから問題ない」とうつ病の症状であることを認識していないケースもある
  • 今の精神的な苦痛がうつ病であることを知る機会がない人もいる

 

ということで、本来有病率を割り出す上で含まれる人達が含まれてない可能性が高いので、実際のところはもっと多いのではないか?というところがあるんですね。(リコールエラー)

 

まぁ「うつ病は甘えだ!!」と言う人も世の中には一定数いますが、そういう人たちがうつ病の症状が出た場合、「これは病気ではない!」と考えて報告しないことも考えられそうですからね、、、。

 

ということで、今回の研究ではその辺の偏りをシミュレーションモデルをつかって調整してくれてるのですが、そんな結果見ていくと

 

  • 実際は23.9%の人が大うつ病エピソードを経験していた
  • 女性は30%、男性の17%の人が大うつ病エピソードを経験していた

 

ということで、男性に関しては5人に1人、女性はもっと多く3人に1人、全体で見れば4人に1人は大うつ病エピソードを経験していたんだそう。

 

また過小報告に関しては男女合わせて10%に達するらしく、特に高齢者はうつ病の過少報告が70%にも達していたんだそうなんですね。

 

この辺については、研究者いわく、

うつ病のエピソードは、我々が考えていたよりもはるかに一般的なものです。また我々のモデルでは思春期に最初の大うつ病エピソードを経験する可能性が高かった。

とのことで、大うつ病エピソードを経験するのは、思春期のような学生時代に多いんだそう。

 

まぁこれはシミュレーションによる推定なので、実際のところはどうなのかはわからないものの、思ったよりうつ病を経験してる人は多いと考えるのがいいのかもしれませんね。

 

またこの研究は感染症が広まる前の研究なんで現在の影響の大きさは不明ではあるものの、今現在はより多くの人が大うつ病エピソードを経験していてもおかしくないのではないかと思う次第です。

 

ストレスは現在のストレスレベルに比例して大きくなりますし、1度大うつ病エピソードを経験すると2度目も経験しやすいという話もあるので、マメなストレスケアを心がけて行きたいですね。

 

今思えば、自分も学生時代経験した落ち込みは大うつ病エピソードだったわ:(´◦ω◦`):

 

参考文献のリンク

(1)https://www.ajpmonline.org/article/S0749-3797(20)30179-3/fulltext