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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

学生が親友を作るには一体何時間必要なのか?ちなみに大人はその2倍は必要かもしれないよ、という研究のお話


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こんにちは、なすびです。( ˙꒳​˙ )

 

今回は『仲のいい友達が出来るには何時間ぐらいかかるの?』っていう研究が面白かったのでまとめておこうと思います。(P)

 

 

 

これは2018年にカンザス大学が発表した論文になるんですけど、この論文では2つの実験が行われているので、1つずつ分けて見ていこうと思います。

 

2つの研究の違いをざっくり言うと「大人を対象にしているか?」「学生を対象にしているのか?」というポイントになるのですが、

大学は時間と自由という点で学生に社会的な機会を与えている。特に寮や共同アパートなどの共同生活は、家族と一緒に暮らしたり、一人で暮らしたりする大人に比べて、友人と一緒に過ごす時間の長さが増える。

ということで、そもそも大人と学生で友人に避けることが出来る時間が違う!ってことなんですね。

 

なのでこの辺は大人か学生でそれぞれ時間を出してあげるのがいいのでは?という感じで、実験が分かれてるポイントはなかなかいい感じなのではないでしょうか。

 

【実験その1】大人編

ということでまずは大人編から。

 

これは新しい地域に引越しをしてから、6ヶ月経っていない成人の男女355人(平均年齢約33歳)を対象にした研究になりまして、まず参加者には引っ越してから出来た友人や知り合いについて、以下のように思い出してもらいます。

 

  • 思い出した人は自分にとって知り合い程度の人なのか、そこそこの友人なのか、それとも親友なのか?
  • その人とは何週間前に出会ったのか?この人とどのくらいの時間過ごしたのか?
  • その人と何をしたのか?「仕事をした」「映画を観に行った」「軽く冗談を言い合った」

 

これらの回答を分析して、「知り合いがそこそこの友人になるまでには?はたまた親友になるまでにはどのくらいの時間が必要なのか?」についての答えを出したのですが結果を見ると、

 

  • 基本的には一緒に過ごす時間が増えるほど、人間関係の親密度は徐々に上がる
  • 知り合いレベルの人がそこそこの友人にランクアップする確率を50%以上にするには約94時間は一緒に過ごす必要がある
  • そこそこ友人からの仲の良い友人にランクアップする確率を50%以上にするには約164時間、仲の良い友人から親友にランクアップするには約219時間が必要

 

という感じで、ちょっとイメージがわきにくいですが、とりあえず知り合いが親友レベルに発展するには400時間は必要そうな感じで、かなり大変そう、、、。

 

もちろんこの時間は仕事や学校のように単に同じ空間で時間を過ごせば良いのか?というわけでもなく、

 

  • 一緒に仕事したり、クラスで過ごした時間の割合が高いと親密さが下がるか比較的一定のままである傾向にあった
  • しかし一緒にぶらぶらしたり、テレビを見たり、ゲームをしたりしたと、強制ではなく選択的に時間を過ごす(仕事で仕方なくではなく、遊ぶ約束をする)場合は親密度の向上に関係してた【中程度の効果量 R2 = 0.11】

 

とのこと。結構当たり前な感じもしますが、親密さを高めるには遊ぶ約束のようにあらかじめ組んだ予定で時間を過ごすことが重要なんだそうで、話している時間も特に関係はないんだそう。まあ確かに仲の良い人なら無言でも居心地が良い人もいますもんね。

 

まあ大人になると友人への時間が裂けなくなり、親友を作るのが難しくなるような感じではあるんで、『この人と関係を続けたい!』という人に時間の集中投資をしてみるのはアリかもしれませんね。( ˙꒳˙ )

 

 

 

【実験その2】学生編

続いて学生編ですが、これは大学の新入生を112 名(平均年齢18.3歳)を対象にした研究では、やってることは先と似てるところがあるので割愛しちゃいますが、

 

  1. まず参加者には大学に入学してから知り合った人たちから2人を選んでもらう
  2. その人と何週間前にあったのか?、一緒にどんなことをしたのか?をチェック
  3. 特に会話の内容について詳しくチェック

 

という感じ。これについても分析結果をみてみると、

 

  • 知り合いレベルの人がそこそこの友人にランクアップする確率を50%以上にするには約43時間は一緒に過ごす必要がある
  • そこそこ友人からの仲の良い友人にランクアップする確率を50%以上にするには約57時間、仲の良い友人から親友にランクアップするには約119時間が必要

 

とのこと。

 

より仲良くなるためにより多くの時間が必要なのは納得いくと思いますが、成人に比べて学生の方が仲良くなるまでの時間が半分くらいになってるのが不思議なところ。

 

この辺は論文によれば、

学生の参加者は良好な関係を維持するために、数週間の短い間に何日も何日も一緒にいる時間を増やしていた

とのことで、この辺は時間の作りやすい学生の利点が出てるんだな〜という感じでした。親友が作りやすいのは学生の特権なのかもしれませんね。

 

でもって会話に関する分析結果も見てみますと、

 

  • 会話の時間に関しては親密度の上昇に特に関係はない
  • 「合ってない時間でどんなことがあったのか?」「悩み相談など真剣な会話」といったストライビングエピソードについて話すことは親密度の上昇に関連があった
  • 「最近の時事ネタ」「スポーツやテレビの内容」といったスモールトークについて話すほど、親密度の低下に関連があった

 

とのことなんですが、この辺は研究者いわく

特筆すべきは世間話をすることで6週間から9週間の間に友情の親密度が低下することが予測されたことである。つまり世間話をしている友人関係は時間の経過とともに親密さが低下していくのです。

〈中略〉

会話に費やした時間の割合は一般的な親密さとは無関係であったが、ストライビングエピソードは親密さの変化をポジティブに予測し、世間話はネガティブに予測していた。このことは会話がどのような形であるかが非常に重要であることを示している。

とのことで、あまりに内容がない話ばかりだと時間が経つにつれて関係性が希薄になっていくんだそう。話す時間の長さや過ごす時間が長いだけでは不十分なので、良い関係を続けたい相手とは話す内容について意識してもらえると良さそうです。

 

では最後にまとめると

 

  • 知り合いをそこそこの友人にするには40〜60時間一緒に過ごす
  • そこそこの友人を仲の良い友人にするには80〜100時間一緒に過ごす
  • 仲がいい友人を親友になりたければ6週間で200時間の時間を過ごそう
  • そして時間を過ごす際にどんな会話をするのかもかなり重要!!

 

という感じで、親友レベルになると1日5時間くらい一緒に過ごす!ってことでかなりハードな感じではありますが、会話の内容によっては距離をぐっと縮めることができるのもっと少なくて済むかもしれません。この辺は過去の「相手に信頼される10の話題【セルフディスクロージャー】」の話が参考になるかもしれないので、関係を深めたい相手などにご自愛頂ければと思います( ˶˙ᵕ˙˶ )