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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

ネガティブな思考が悪い訳では無く、『思考の有効性』で考えてみようというACTのお話


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こんにちは、今日は風が強すぎて飛ばされるかと思った、なすびです。(´・_・`)

 

今日は久しぶりに『ACT』のお話です。

 

ACT』というのざっくり言うと、ストレスに対して柔軟になるため心理療法のことなんですけど、何せ過去の研究でも

 

  • 質の高い18件のRCTメタ分析では、『ACT』は通常の心理セラピーに比べてメンタル改善効果が高かった!(効果量 Hedges g= 0.48)(p)
  • 『ACT』の本を読んで実践するだけでも、ストレスがかなり減るぞ!(効果量 d=0.9)(p)

 

ということで、メンタルの改善にはかなり優秀な感じなんですよ。個人的にも逆境で不安に陥ったりしたときに、結構お世話になってまして、かなりやってみる価値はあるんじゃないかと思う次第です。

 

そんな『ACT』について「脱フュージョン」や「価値観に沿った行動をしよう!」といった内容についてはいくつかまとめてきたのですが、今回は『ACT』での基本的な考え方え方である『思考の有効性』についてを改めてまとめていこうかと思います。

 

 

 

ネガティブな思考がダメとかではなく、その思考が役に立つかどうか?で考えてみる

では最初はちょっと復習から。

 

『ACT』ではネガティブな考えといった自分の思考に「良い」や「悪い」のレッテルを張らないで、自然のものとして受け入れる姿勢が重要というのは過去に書いた通りです。

 

いかんせん「ネガティブな考えが良くないものだ!」と無理にポジティブ思考に持っていこうとしたり、「何とか抑えねば!」とコントロールしようとすると、返ってメンタルが悪化するケースがあるので、なるべく下手に刺激しないで放っておこうという姿勢が大事だったりするわけですね。

 

これは例えばですが

 

  • 不安になることは悪いことだ

 

と思っている人がいれば、これは不安が悪いというレッテルを張っている状態です。

 

しかしこれを

 

  • 何かに挑戦するときは誰でも不安になるものだ

 

となれば、これは「良い」レッテルを張っているわけでもないし「悪い」レッテルを張ってるわけでもない状態になります。(人によっては良いレッテルに感じるかもですが、、。)

 

でもってさらにこれを

 

  • 不安な感情は注意力を高めて、物事を計画的に考えるのを助けてくれる

 

となれば、これは不安に対して良いレッテルを張っている状態になりますね。

 

この中だと不安に対して良いレッテルを張っているのが望ましそうな感じではありますが、『ACT』で目標としたいのはひとまず自分の思考に対する悪いレッテルを外すことです。

 

悪いレッテルを外すというのは、ネガティブな思考を抑え込むのではなく、脳内で自由に泳がせたり、放置しておくようなイメージなんですけど、この感覚を掴むのがなかなか難しかったりするわけですね。

 

 

 

でもってここまでが前回までの復習。

 

かく言う僕もそこまではしっかりと掴めてはいないんですけど、ここでもっとわかりやすく掴むために『思考の有効性』と言われる以下の切り口で考えていきます。

 

『思考の有効性』とは何かといいますと、

 

  • その考えにとらわれることはあなたの生活を豊かにして、充実させたものにしていますか?

 

という問いかけのようなものです。

 

例えば「太っていて醜い身体だな〜」と自分を責め続けている人がいれば、

 

  • 仮にこのまま自分を責め続けたとして、あなたの体系が改善し、生活や気持ちが豊かになるだろうか?

 

と言った感じ。

 

ざっくり言えば「それを考えることが自分にとってどんなメリットがあるだろうか?」ということについて考えてみるという感じなんですけど、これは「さっさと切り替えなさい」という鋭い言葉ではなく、考えてばかりいるよりは、何か行動を起こした方が自分にとって望ましい結果に繋がりそうだよねといった、自分に向けた優しいフレーズみたいなイメージです。

 

上の例で言えば、「醜いな〜」と自分を責め続けているのであれば、ちょっとだけ外を歩いてみるような行動をしたり、ジュースを飲むのをやめるようにはどうすればいいのか?ということを考えたりした方が、生活を豊かにしてくれそうだよなというのは何となくイメージがつくかと。

 

また別の例で言えば、会社のプレゼンや発表会の本番前日になって急に不安に苛まれるなんてことは、日常的にも良くあることだとは思いますが、ここで先の切り口を使うとすると「不安のようなネガティブに考えを巡らすことに、何かメリットがあるのだろうか?」と考えてみることです。

 

仮に焦ってプレゼンの練習するにしても、

 

  • 不安な思いで焦りながら練習をすることや準備に励むことは自分のためになるだろうか?

 

と問いかけて見てください。

 

これは「不安になった方がモチベーションが上がるんです!」とか「この不安感が本番に近い感じで練習になる!」という感じで捉えているのであれ特に何もしなくてOKですが、大半の人が不安で話すことを忘れてしまったり、楽器の演奏なら指の動きが悪くなったりと、プレッシャーでパフォーマンスが落ちるはず。

 

それがさらなる焦りや不安を生んで、あまり有意義な練習にならなかった!なんてことになるのであれば、焦りや不安に苛まれながら練習するのはなるべく避けたいわけです。

 

『ACT』としては焦りや不安で練習の一歩に踏み出すまではいいものの、同じ練習時間を過ごすのであれば、なるべく気にせず練習した方がいい時間をおくれるんじゃないか?と考えてみるほうがいいということですね。

 

世間ではそれを「目の前のことだけに集中する」とか「なるようにしかならない」なんて言い方をするかもしれませんが、少し自分に優しくするイメージをもって「この考えに囚われてることにメリットはあるのだろうか?」という有効性に着いて考えてみると良さそうです。

 

 

 

「大切な人同じ悩みを持っていたらどう声をかける?」というセルフコンパッション

ただそう言われても気になるのは気になるという話ではありましょう。実際に自分もそうは思っていても、ついつい考え込んで不安な時間を送りつ続けてしまうことがありますので、ここではそれを少しでも楽にするちょっとテクニックを紹介します。

 

これは以前紹介した『セルフコンパッション』というもので、簡単にいえば「自分のことを攻めすぎてしまうのを防ぐようなテクニック」なんですけど、今回はそれを応用していきます。

 

先の例をこのテクニックを使いますと、

 

  • プレゼンや発表会で親しい友人が緊張している場合、あなたはどんな声をかけますか?
  • 前日追い詰められた状態で練習に励んでいる大切な人にどう声をかけてあげますか?
  • 自分がダメな人間と責め続けてしまう友人に、あなたはどんな声をかけるだろうか?

 

自分と同じ悩みを持った大切な人がいたとしたらどんな声をかけるだろうか?と言うふうに考えてみると、少し自分のことを客観的に見れたりして、ネガティブな思考に囚われにくくなったりします。

 

また自分に厳しいが故に自分を追い込んでしまう人ほど、他人には優しかったりしますので、そんな他人への優しさを自分に向けてあげようぜ!というのが、このセルフコンパッションというテクニックです。このへんも良かったら日常生活で使ってみてください。

 

またかなり話が長くなってしまいましたが、『ACT』に関して詳しく知りたいという方は専門書を買ってみるか、過去の記事を読んでいただけるともう少し理解が深まると思いますのでよければ。

 

あ〜、明日から自粛生活か、、、。皆さんもお家で平和な時間をお過ごしくださいませ〜( ˙꒳˙ )

 

 

 

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