セルフコンパッションで完璧主義な考え方が和らぐかもしれない!というお話です
こんにちは、なすびです。
今日は『完璧主義』と『セルフコンパッション』についてのお話でございます。
完璧主義というのはざっくりいうと完璧を求めすぎるあまりに精神的に窮屈になりやすい考え方のようなもので、当ブログではメンタルが病みやすくなる考え方の1つとして取り上げております。
が、とはいえ「完璧主義が必ずしも悪いものだ!」というわけではなく、
- 健康的な完璧主義:自分が設定した基準を達成しようとして悶々とすること。「ここは細部までこだわりたい!」、「もっとクオリティが高いものを届けたい」といった向上心や誠実性に関わるものだと、メンタルの悪化には関係なかったりする
- 不健康な完璧主義:目標を達成できなかった自分のことを過度に批判したり、ミスをすることや他者から評価されるを極端に恐れること。テストで100点取れない自分に価値はない、上司に怒られるから絶対にミスできない、人の期待に応えねばならないと思こみすぎるあまり、日常的に過度なストレスにさらされる。うつ病などの精神疾患との関連が強い。
というように、完璧主義が良くないって言われるのはどちらかといえば後者の考え方になります。
かくいう自分も良くない方の完璧主義をもってるところがあるのでなんとかしたいわけなんですが、今回は『完璧主義によるメンタルへの悪影響をセルフコンパッションが緩和してくれるかもしれない?』って話がありましたんでまとめておきます。
ちなみに『セルフコンパッション』についてはざっくりですが、自分に優しくする能力みたいなものだと思ってください。
セルフコンパッションが完璧主義を和らげてくれるかも!
マーストリヒト大学の研究になりまして、『セルフコンパッションが完璧主義の悪影響を和らげてくれるのか?』について、調べた観察研究になります。(P)
この論文では2つの研究内容がまとめられているんですが、ざっくりとした流れを見ていくと、
- まず参加者の完璧主義レベルをチェックする(CAPSなどを使用)
- うつ症状のレベルをチェック(SMFQなどを使用)
- セルフコンパッションのレベルもチェック(SCS-sなどを使用)
というような感じです。それぞれの項目を「541人の青年(12〜15歳)」と「515人の成人(18〜72歳)」を対象にチェックしまして、セルフコンパッションが高い人の場合、完璧主義レベルが高くてもうつ症状に変化があるのか?について傾向を割り出してくれてました。
早速ですがそんな結果を見ていくと、
- セルフコンパッションが完璧主義の悪影響を緩和してるれる!
とのことでして、実際にセルフコンパッションが高い人は低い人と比較して完璧主義レベルが高くてもうつ症状のレベルが低い傾向にあったんだそう。
※同論文より参考にしたもの
確かに図を見ると、セルフコンパッションが高い人は完璧主義レベルが上がってもうつ症状にあまり変化がないですね。(1番下の線)
この辺は研究者いわく、
青年と成人は同じように、学校や職場で高い水準でパフォーマンスする、スポーツや音楽などの活動で厳しい目標を達成する、完璧な外見の維持、完璧なパートナーを見つけ、そして完璧な生活を送るというプレッシャーにさらされることがよくあります。そのようなプレッシャーは、人々が「不適応な完璧主義」もしくは「諦め」といった極端ないずれかの選択に導かれる可能性があります。
完璧主義的な思考を抑え込むのは難しい可能性が高いことを考えると、セルフコンパッションはそのような思考に対する反応を変え、その影響を最小限に抑えるためのより健康的な方法を提供するかもしれません。
とのこと。
自己批判的なネガティブな考えが浮かばないようにするんじゃなくて、ネガティブな考えが浮かんだ時の解釈を変えることはメンタルが悪化しないためにも重要なことなんですが、セルフコンパッションがそういった完璧主義による悪い解釈への反応を変える働きがあるかもしれないみたいですね。(自分を責めちゃダメだ!ではなく、何でこんなにも自分を責めるのだろう。ミスすることは誰にでもあることなのにみたいな)
まあこの研究は横断研究なのでエビデンスのレベルはそこまで高くないんですが、セルフコンパッション自体は知っていて損ではない心理テクニックなので、特に自己批判になりやすい人は抑えておくとよろしいのではないかと思います。