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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

結局のところチョコレートの健康効果はいか程のものなのか?というメタ分析の話

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こんにちは、なすびです。( ˙꒳​˙ )

 

「チョコレートって健康食品なのでは?」なんて話は昔から言われてたりするんですけど、いかんせん

 

 

という話があるので、要するにチョコレートが病気の予防に役に立つのではないかと考えられてるわけですね。

 

また専門家によっては「せんべいを食べるならチョコ食ったほうがマシだ!」という話もあるくらいですし、当ブログでもドーナツとかケーキのような甘い加工食品とかを口にするなら「チョコレートをかじった方がメンタルへのダメージが少なそうだ!」ということで、チョコレートは健康説についてはそこそこ賛成な感じではおります。

 

ただもちろんのこと「チョコは砂糖と飽和脂肪が多いから身体に悪い!」というような懐疑的な意見もありますゆえ、「チョコは健康食だ!」という説を結論付けることは難しいかったりするんですが、新しく出た系統レビューのメタ分析がその辺について調べてくれていたのでまとめておこうと思います。(p)

 

 

 

食べ過ぎなきゃ、病気を予防してくれるかも

これは2020年にドイツが発表した研究になりまして、「チョコレートの摂取量が慢性病リスクにどのような影響を与えるのか?」を調べたもの。ちなみにここで調査された慢性病というのは、

 

 

といったものになりまして、これらの慢性病に関する27件の研究についてメタ分析をして一つの大きな結論を出してくれてます。総サンプル数としては約100万人のデータがあるものの、一つ一つのデータはあまり質が高くないので研究の信頼度はちょっと微妙といったところではありますが、チョコレートに関する現状のデータとしては参考になる内容かと思います。

 

先に大まかな結論だけ申し上げると、「食べすぎなければチョコレートで病気のリスクが上がることはなさそう!」という感じなんですけど、

 

結果その1:チョコレートをたくさん食べる人をあまり食べない人を比べた場合、

 

  • チョコレート摂取量と死亡率、冠状動脈性心疾患、高血圧、大腸がんリスクには特に関連は見つからなかった
  • 糖尿病に関しては13%リスクが下がる(RR 0.87、95%CI 0.79、0.97、I 2  = 60%、p  = 0.03)
  • 脳卒中リスクに関しては14%低くなる(RR 0.86; 95%CI 0.76、0.96、I 2  = 61%、p  = 0.01)

 

※たくさん食べる人の最大量は1日46g(冠状動脈性心疾患のデータ)

 

結果その2:チョコレートの摂取量が1日10g増えるごとに見てみた場合、

 

  • チョコレート摂取量が増えると心不全2型糖尿病リスクが低下するわけではない(心不全:RR 0.99、95%CI 0.94、1.04、2型糖尿病:RR 0.94、95%CI 0.88、1.01)
  • 冠状動脈性疾患リスクに関しては4%リスクが低くなる(RR 0.96; 95%CI 0.93、0.99、I 2  = 29%、p  = 0.21)
  • 脳卒中に関しては10%リスクが低くなる(RR 0.90、95% CI 0.82、0.98、I 2  = 59%、p 不均一性  = 0.02、n  = 7)
  • 大腸がん、高血圧に関してはデータが少なかったのでメタ分析はできなかった

 

とのことで、この結果だけ見ると、チョコレートの摂取で慢性病のリスクが上がるわけでもなく、病気によっては予防効果があるかもしれないくらいの感じになってます。血圧とかに関してはデータが足りなかったみたいなので摂取量に応じたリスクはわかりませんが、過去のメタ分析を参考に考えても血圧を下げてくれる可能性もなくはないのかな〜といった具合です。(p)

 

また予防効果が得られるのはあくまでも、適度の摂取量を守った場合に限られまして、

 

  • 冠状動脈性心疾患と脳卒中に関しては1日20gに摂取を増やすとリスクが約7〜8%減少するが、それを超えると予防効果が得られなくなる
  • 心不全に関しては1日12 gまで増加させるとリスクが約14%減少するが、1日35gを超えるとリスクが増加する
  • 糖尿病に関しては1日10gならリスク8%低くなるが、1日30gを超えるとリスクが上がる

 

※コンビニの板チョコが1枚50gくらい

 

適量は病気によって様々ではあるものの、とりあえず1日20gまでにしておくのが無難なのかなっといった感じではありますな。コンビニとかで売ってる板チョコで考えれば、だいたい半分を超えないくらいの量ですね。

 

 

 

1日20gなら問題なし!と言いたいところですが、、、

先の結果から「1日20gなら問題なし!」といいたいことなんですけど、この研究のさらなる欠点がチョコレートといっても「ダークチョコなのかミルクチョコなのかわかんねえ!」という話であります。

 

この辺はお察しの通り、病気の予防に関連しているのはココアフラボノイドの多さと考えられているので、要はダークチョコのようなカカオ割合が高いチョコレートじゃないと健康効果が得られなくなってしまうのではないかということなんですね。

 

なんでこの結果がもしミルクチョコを中心の結果を出してるのであれば、ダークチョコの消費量ならもう少し増やしても良さそうな感じではあるんですけど、ダークチョコ中心に結果を出してるのであれば、ミルクチョコを食べる量を減らした方が良さそうな感じになりそうなんですね。(具体的な数値は個人の推測になっちゃいますけど、ミルクチョコの場合半分の1日10gくらいでしょうか)

 

この辺については、研究者は慎重に議論が必要というとのことで、

慢性病の予防効果に関してはカカオフラボノイドの摂取が血清トリグリセリドとC反応性タンパク質を減少させ、インスリン感受性を改善し、高密度リポタンパク質を増加させる可能性があります。

 

ただ一方で、チョコレート自体はエネルギー密度の高い食品であり、比較的大量の飽和脂肪と砂糖が含まれています。食事のエネルギー密度の増加は、食事の質の低下、およびBMIと腰囲の増加に関連している可能性があり、これらは生活習慣病に直接関連している。

とのことでして、ダークチョコレートのようにブラボノイドが豊富なら体に良いかもしれないけど、ミルクチョコみたいにカロリーが高く、砂糖や脂肪も多いと健康効果が得られないかもしれないという感じなんですね。

 

「チョコレートが食生活を乱す!」なんて話は、過去に甘いお菓子は満腹中枢をおかしくさせて太るなんて研究もありますし、実は我慢するのが難しい食品トップ3なんていわれたりもするので、チョコレートの種類には注意したほうが良さそうであります。

 

まとめ

とりあえず個人的な結論を出しておきますと、

 

  • カカオ70%以上のチョコレートを1日20gまでにするのが健康にはベストだ!(板チョコ半分くらい)

 

ということにしておきまして、この辺は今後の研究によって変わってくるかもしれない!ということを頭の片隅に置いてもらえると良さそうです。僕としてはチョコ好きなんで食べてもOKな量が増えてくれるとありがたいっすけどね〜笑

 

また今の生活だと86%のダークチョコを1日40gくらい食べてる計算になってたので、余裕で通り越してたのはちょっとショックです(笑)これを期に気をつけようと思いますが、皆さんもいったんチョコレートの摂取量は軽くチェックしておくと良いかもしれません(ºωº;≡;ºωº )