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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

認知行動療法に学ぶ、正しい気持ちの整理法【その1】


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こんにちは、なすびてす。( ˙꒳​˙ )

 

今回は「正しく気持ちを整理する方法」ということで、認知行動療法について書いていこうと思います。

 

ちなみに認知行動療法っていうのは、ざっくりいうと「自分の考え方の悪い癖に気がついて、それを修正しよう!」というものになりまして、まあちょっと分かりにくいとは思いますが、うつ病といった精神疾患の治療法の1つだとお考えください。

 

「えっ、うつ病の治療に使うってことは、これを使ってる私はもしかして病気なのだろうか、、、。」なんて思う方がいらっしゃるかもしれませんが、その辺は気にしなくてかまいません。何せ気持ち立て直したり、整理するのがうまい人は自然と認知行動療法の1部を実践してたりするので、認知行動療法は気持ちの落ち込みといったストレスを和らげるためのストレス解消法だ!と思って使ってみてください。

 

というわけで今回はデビット・バーンズ先生の『いやな気分よ、さようなら』を参考に『正しく気持ちを整理する方法』を3パートくらいに分けてお届けしてまいります。

 

いやな気分よ、さようなら コンパクト版

いやな気分よ、さようなら コンパクト版

 

 

 

 

 

気持ちを整理する4つのポイント

『正しく気持ち整理する方法』ということで、先に大まかな流れかを書いてしまいます。

 

  1. まず自分がどんなことに悩んでるのか?を確認してみる(リストアップ)
  2. なんでそれについて悩んでるのか?を深く考えてみる(自分を苦しめる価値観などの明確化)
  3. それは自分の思考パターンによるものなのか、一時的なものなのかをチェックしてみる(認知のゆがみに気がつく)
  4. どのようなことがきっかけで、どんな気分になったのか?それについてどう行動するのが合理的なのか考えてみる(CBT日記)

 

という感じになりまして、これらひとつひとつは後ほど見ていきます。

 

そしてまず「気持ちの整理が出来ている状態」というのはどういうことか定義しておきますと、『その悩みを解決するためにどのような行動をするのか?』というアクションプランを決める、もしくは決まっていて行動が出来ている状態のことです。

 

もし仕事の人間関係に悩んでるようであれば、その状態をどうにかするために

 

  • 転職を検討する
  • 自分のスキルを磨いて相手より有利な立場につく
  • 心理学を勉強して嫌いな人の対処法を学んでみる
  • 部署を変えてもらえるように上司に掛け合う

 

という感じで、何らかの行動を計画したり、実行したりするような状態ですね。まあ気持ちが乱れてしまう原因は人それぞれではあるものの何か悩みを解決するためには何かしら行動を起こすしかないのはお分かり頂けるかと思います。「とにかく行動あるのみ!」なんてフレーズは多くの自己啓発本でも書いてある通り、問題を解決するための行動というのは気持ちを整理する上で間違いなく重要なわけですね。

 

しかしながら「サラッと行動できれば苦労はない!」という話でもありまして、ここでそんな行動を必ずと言っていいほど邪魔をしてくる存在があります。それが自分の思考です。

 

転職した方がいいのはわかってるんだけど、「次の仕事を見つけるのが面倒」、「次の会社でも失敗したらと思うと怖くて踏み出せない」、「どうせ上手くいかない」、「何を言っても無駄に終わるだろう」、そんな思考が本当は悩みを解決に導くであろう行動を邪魔して、未だに悩みを引きずったままという方も多いのではないでしょうか。

 

このように思考が行動を邪魔するようなことは誰にでも起きることで、身近な例で言ってもダイエットで始めたランニングが「モチベーションが上がらない、、、」という思考で3日で終わるとか、「明日から頑張れば良いか」という思考によってやらなきゃいけないタスクを先延ばしにしてしまうなど、あらゆるところで思考が望ましい行動を邪魔してくるんですね。

 

でもってそんな思考に行動を制限されてしまうという現象を解決に導くのが認知行動療法というものです。「自分がその時にどんな思考によって望ましい行動が出来なくなってしまうのか?」ということについてより深く考え、自分自身で気がつくことで、行動を邪魔してくる思考を出来るだけコントロールしてあげるような方法を学ぶようなものになってます。

 

前置きが長くなりましたが、そんな認知行動療法を先の1〜4のステップに分けておこなっていくような感じなので、早速1つ目から見て参りましょう。

 

 

 

1&2:どんなことについて悩んでるのかを書き出してみる

まずは最初に自分がどんなことについて悩んでいるのかについて確認をしてみるというステップです。

 

この辺は過去にお話しした『エクスプレッシブ・ライティング』の内容に近く、シカゴ大学の研究なんかでも『テストの不安を書き出しただけで、テストの点数が改善する』という研究もあるほどで、これは悩んでることを明確にするとことで「これを解決するために自分がどんなことをするべきなのか?」ということがイメージしやすくなるからなんですね。(p)

 

しかしながら『気持ちの切り替えが苦手』という方は意外とこれが出来てないケースがあったりしますので、ここでは極端な例を挙げてみましょう。

 

Q.どんなことに悩んでるのか?

 

  1. 仕事が辛い
  2. 仕事での人間関係が辛く感じていて、疲弊した毎日を送っている。そんなストレスから他の人に当たることが多くなり、自分のせいで家庭内の雰囲気が悪くなっている気がする。このままだと家族以外にも自分の周りから人が離れていって、孤独な人生を送るかもしれない

 

違いを分かり易くするためにかなり極端な内容を書いてしまいましたが、仕事が辛いというのはどちらも同じです。しかしながら二つ目の方が「どんなことに辛さを感じているのか」ということが詳細に記されている分、「どこをどうすれば問題が解決しそうなのか?」というのが、1つ目に比べてイメージしやすいんですね。

 

一方で1つ目のような状態だと「自分の気持ちや悩みがどのようにすれば解消されるのか?」という対処方も「転職する」「仕事休む」といった感じで、かなり限定的になってしまいます。そして転職しようという気分になったにしても、「新しい職は見つかるだろうか?」という思考などに負けやすい(「家族の雰囲気を取り戻すための転職する!」みたいな動機がない)ので行動に繋がりにくくなったりもします。結果として転職をすることなく、ストレス状態を引きずるケースもあるわけですね。

 

対して、2つ目の方は「どういった行動をすれば解決しそうなのか?」ということがイメージしやすいので、

 

  • パートナーに仕事の状態について相談をしてみる
  • 会社に相談して、部署といったポストを変えてもらえないか頼んでみる
  • 同僚に相談してみて、職場における理解者を増やす

 

といった感じで、少なくともこのようなアクションプランを立てることは可能なのかなと。仮に実現は難しいにしても「自分の悩みを解決するためにどんな行動をすれば良いのか?」が明確になる分希望は持てますし、転職するにしても「次はアットホームな雰囲気の会社に!」といった動機が行動を後押ししてくれやすいですからね。

 

でもって、2個目のように悩んでることについてさらに深掘りをしていくことで「孤独な人生を送るかもしれない」といった自分の価値観のようなものが出てきます。これはもちろん「その分人のために尽くせる!」というプラスな面を持つ価値観もありますが、先の例のように「孤独な人生を送りたくない」という価値観でもある場合、「離職したら自分に価値がなくなってしまい、パートナーが離れるかも」「相手に嫌われてないかどうか常に気になる」といった思考によって行動を制限されやすかったりするんですね。

 

この辺は価値観にも悪い側面があるということを頭の片隅に置いてあげて、自分の「孤独な人生を送りたくない」という価値観から生まれる思考が行動を妨げてるのかもしれない!と気がつけるとより良いかと思います。

 

でもってこのような価値観による根本的な悩みを見つける方法としては、その悩みに対して「そうするとどうなるの?」という質問をして深掘りをしていくという方法があります。これに関しては過去に記事をまとめてますので、こちらを参考にしてもらえればと思います。

 

まとめ

ということで今回は気持ちの整理方法【その1】ということでしたが、まずは

 

  • 悩んでることについてリストアップする(5個くらい)
  • 優先的に解決したいものについて、順位付けをしてみる(一番はこれで、2番はこれかな〜)
  • 悩んでることについてなるべく詳細に書き、それについて深掘りをしてみる(「結婚しないと負け組だ」みたいな価値観によって苦しんでないかチェックする)

 

というところから、始めてもらえると良さそうです。人によってはリストアップした時点で少し気分が楽になるようなケースもあるので、出来そうなところから始めてみてください。

 

ということで、次回に続きます( *¯ ꒳¯*)