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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

帰り道を変えてみるレベルの行動の変化で、メンタルの悪化が防げるんじゃない?という研究の話

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こんにちは、なすびです。(  ˙꒳​˙  )

 

メンタルヘルスを保つためにはいかんせん活動量(活動のバライティ)を増やすことが大事だったりするんですけど、なにせ

 

  • 活動量の減少はメンタルを悪化させる
  • メンタルが病むと何かと活動量が減る

 

ということが、過去の研究でも分かってたりします。

 

同じことばかりやってる日常だとなんとなくやる気がなるという方も多いとは思いますが、要は自分の生活が同じルーティンで回り過ぎてもメンタルが悪化しやすくなってしまうので、活動のバライティは豊富である方が良い感じなんですね。

 

この辺の話は以前『行動活性化療法』なんかで割と詳しくお話したんですけど、とは言え昨今の状態では旅行や遊びにも行けないし、新しいことにも挑戦がしにくい環境になってるので、活動量が減ってしまうのも致し方ないところかと思います。

 

そんな中、今回は「帰り道を変えてみるレベルでルーティンを変えるだけでもメンタルの悪化が防げるんじゃない?」という話がありましたのでまとめておこうと思います。

 

 

 

活動にバライティがあると、『海馬』が活性化する!!

これは『Nature Neuroscience』に掲載された論文になりまして、132人の若い男女(18-31歳)を対象に「普段の行動量の多さが幸福感にどんな影響を与えるのか?」と調べた研究になってます。(p)

 

まずざっくりと研究内容を見ていくと、

 

  1. 参加者にはGPSを携帯してもらい、移動経歴を常にモニタリングする
  2. スマホのメッセージなどでその日の気分について記録し続けてもらう
  3. 毎日の行動や経験の多さがメンタルにどんな影響を与えるのかを調べる

 

研究者は「活動範囲が広いといろんな場所に行っていろんな経験ができるからポジティブな感情になりやすいのでは?」と考えたみたいなんですね。

 

でもって早速そんな結果を見てしまいますと、

 

  • 活動範囲が多い日はポジティブな感情の報告が多かった

 

とのことで、その日の移動範囲や訪れた場所が多かった参加者は「幸せに感じた」とか「リラックスした」「興奮した」と言ったメッセージが多かったんだそう。まあこの辺は「休みの日にいろんな場所に良い気分転換になったのかな〜」という感じで、なんとなく想像ができる結果かと思います。

 

でもってこの研究では主観的な感情の変化だけでなく、fMRIを使って「脳内の状態にも変化がないか?」というところまで調べてくれてるのが面白いところなんですけど、どうやら活動範囲の多い人たちは気分の改善と共に海馬の働きが活発になり、腹側線条体との結びつきがより強くなってた!とのことなんですね。

 

ちなみに『海馬』の働きに関してはすでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、ここは記憶力やメンタルヘルスの維持に重要なところであることに加え、慢性的なストレスによって小さくなっていくことがわかっております。どうやら活動量を増やすことで海馬の働きも活発になり、メンタルの悪化も防げると考えることができそうなんですね。

 

また『線条体』はあまりに耳にしたことがないかもしれませんが、これはざっくり言えば「自分にとってのやりがいとは何か?」ということに気づくセンサーみたいなもの。これは海馬との働きと合わさりうまく機能することでまた新しい活動を起こしたいと思うようになり、活動量を増やす良いサイクルが生まれると考えられております。(p)

 

研究者曰く、

この2つの脳回路の関係は自分が身を置いている環境の新規性と多様性をやりがいのあるものとして捉えるレベルに影響を与える可能性がある。これにより多くの探求や新しい経験の探求を促進するかもしれません。

とのこと。

 

どうやら日常のルーティンを少し変えるように意識するだけでも脳の働きに良い影響を与え、また更に新しいことに挑戦したくなるような気分になりやすいんだそう。これはちょっとした良いメンタルへの潤滑剤みたいな感じになりそうですね。

 

 

 

どのくらいのレベルで活動量を増やせばいいの??

ではどのくらい活動量を増やせば良いのか?という話です。これが海外旅行とか遊園地に遊びにいくレベル活動と言われてると、急に現実的なものではなくなってしまいますからね、、、。

 

しかしながら、研究者のコメントを引用する限りだと、

私たちは物理的な場所に関連する斬新な体験に関連する利点を調査しましたが、この研究では、最近経験したことのない光景、音、体験に身をさらすことも同様にやりがいを感じるかもしれないということを示唆しています。

〈中略〉

また何か探索するということは、散歩に出かけるときに新しい道を進むこと、あなたが読んだり見たりするもの、または今連絡をとっている人に新しいバラエティを紹介することを意味するかもしれません。

ということで、観光地に行ったり、新しい習慣を身につけるといった劇的な変化でなくても、日常の中で何かしらの新しい発見があれば十分そうな感じです。

 

でもってこの変化を日常的なレベルにしてみると、

 

  • 普段使わない便利グッズを使って家事をやってみる
  • いつもと違う帰り道を使う
  • 過去にハマってた趣味を改めてやってみる
  • 本などを読んで新たな知識に触れる
  • 自分が関わったことのない、アートに手を出してみる(音楽とか絵画など)

 

と言った感じで、ちょっとしたルーティンから抜け出すことを意識してもらえれば、自宅で出来ることも意外と多い感じです。

 

まぁ今の行動パターンに自分は満足してるし、メンタルもそこまで悪化してない!という方であれば問題はないんですけど、なんか新しいこと初めてみないとメンタルヤバそうだな〜と感じる方はその第1歩として、日常のちょっとした行動に変化を与えてみると良さそうです。

 

自分も自粛生活はそんな苦じゃないな〜と思ってましたけど、さすがに毎日YouTube見て、楽器を弾いてを繰り返してるいくら好きなことでも気が滅入ってしまいました、、、。なのでこれを気に中学時代にハマってたプラモデルを作ってみようかなと思います。もしかしたら何か新しい気づきがあるかも知れませんからね〜。

 

皆様も今の生活にちょっとした変化を加えてみてはいかがでしょうか〜。( ˶˙ᵕ˙˶ )