メンタルを安定させるには自分の『価値』を定めるのが大事だ!という『ACT』のお話し
こんにちは、なすびです。
そんなわけで、『ACT』の続きです。
「ストレスに対して柔軟なるためには、6つのポイントがあるよ!」という話は前回お話させていただきましたが、今回はそのポイントの1つである『価値』について、詳しく書いて行こうと思います。
前回を見てない方のためにざっくりながら復習しますと、『ACT』ではストレス対して柔軟になるためにも『価値』に基づいた行動をしていくことが大切だよね、という話になっています。
ここでいう『価値』というのは自分の選択の方向づけるもののことになりまして、
例えば
- 「漫画家になりたい」は『価値』ではありませんが、「クリエイティブな人間でいたい」は『価値』になる。
- 「結婚したい 」は『価値』ではありませんが、「他者を愛し続けたい」は『価値』になる。
と言った感じです。
なんとなくイメージを掴んで頂けたかと思いますが、『価値』は行動そのものではなく、あくまでも行動を方向づけるコンパスのようなものということです。
「漫画家になりたい」という目標が、「自分で作品を生み出したい」というクリエイティブな『価値』に基づいているのであれば、漫画家になれなかったとしても、YouTubeで動画を編集しアップロードまでやる、また彫刻家といったアート作品をつくるといった行動でも、幸福感を高めていけそうだよねといった感じですね。
また自分の中の『価値』がある程度定まっていると、漫画家になれなかったとしても、クリエイティブな道は他にもある!と言った感じで、ストレスの衝撃を減らしてくれたり、他人との比較でブレそうになる自分を支えてくれる役割もあったりもするわけです。
ざっくりな復習にはなりましたが、これから読み進めて行くためにも、1度『ACT』の全体像を確認しておくとより理解がしやすいと思いますので、前回の記事も合わせて参考にして頂ければと思います。
ではさらに深いポイントを見ていきましょう。
『価値』を定める上での注意点
実際に『価値』を明確にする作業に入る前に、いくつか注意点があります。僕自身これを無視して『価値』を明確にしようとした結果、苦しんだ経験がありますので皆さんは何卒ご注意いただければと思います。
『価値』をひとつに定めようとしない
『価値』について考えると、自分の中でいくつか候補が出てきます。
例えば
- 「正直でいたい」
- 「人を喜ばせる行動をしたい」
- 「優秀な人間でありたい」
と言った感じです。
数は人によって異なりますが、「自分の『価値』は正直であることだ!」と無理に絞ることはありません。どうしても1つしかなければ、1つでも構いませんし、3つあっても構いません。
ただありすぎても、自分の方向性を見失ってしまうので、いくつか出てきたら優先順位をつけていきます。
5つのコンパスが別々の方向を刺していては動けなくなってしまうので、最終的には自分にとって重要そうな『価値』を3つ程選ぶような感じですね。
『価値』に固執しすぎない
これは先にお話した『価値』を1つに絞ろうと思いすぎないというポイントに近いです。
あまりにも『価値』に固執しようとすると、「自分はこういう価値観をもっているから、こうしなきゃいけないだ!」という使命感から、どうしても窮屈な感じがしてしまいます。
道を歩いてもコンパスを使わない時があるように、自分の『価値』に乗っ取って行動するかは本人の自由です。『価値』に乗っ取って行動するのもいいですし、乗っ取らなくてもいいので、必ずしも『価値』通り動かなくてはいけないものと、思い込み過ぎないようにして頂ければと思います。
『価値』はそのときによって変わる
人の気分が時間の流れと共に変化するように、『価値』も時の流れで変わるものです。人に笑顔を届けたいという『価値』を持っていたとしても、日によっては喜びを感じない日もありますし、そもそも人にすら会いたくないなんてこともあるはずです。
「もしかしたら自分の『価値』は人に笑顔を届けることではないのかもしれない」と不安になってしまうかもしれませんが、『価値』とは絶対なものではないので安心して頂ければと思います。
長いスパンで考えた時に、やっぱり人を笑顔にすることに喜びを感じて、そのようなことをやり続けたいと思うのであれば、それは立派な『価値』と言えるでしょう。
具体的なエクササイズ!
前置きが長くなってしまいましたが、ここから具体的な作業に入っていきますので、肩の力を抜いて取り組んで頂ければと思います。
では早速ですが、『価値』の原石になるような以下のトピックについて考えてみましょう。
ノートでもスマホのメモ帳でも構いませんので、少しばかり考えてみてください。
- 友人:自分が友人とどんな関係を気づいていきたいか、また友人にどんなことをしてあげたいか。
- 家族:自分が家族とどんな関係を気づいていきたいか、また家族にどんなことをしてあげたいか
- 子育て:自分の子供にどんな風に接していきたいか、どんな子供に育ってくれると嬉しいか
- 仕事:自分が仕事で成し遂げたいことはどんなことだろうか
- 自分の成長:自分は将来どんな人間に成長していたいだろうか、どんな人間でいたいだろうか
- 健康:自分が健康でいたいにしても、何のために健康でいたのだろうか
- 趣味:自分が趣味を楽しいと思えるポイントはなんだろうか、どこに魅了されているのだろうか
もちろんいきなり『価値』を出せるはずもないので、そのトピックについて何かしらのワードを書き出してから、深堀して『価値』を見つけるような感じでもかましません。
例えば友人のトピックで考えてみた時に、
- 一緒にライブに行ったのが楽しかったな
- いつもより本音で話し会えた気がしたな
- いつでも相談に乗れるような相手でいたいな
みたいに思い出から、深堀をしていく感じても結構です。
でもって、各トピックで見つかった『価値』について、0点から〜10点で評価して頂きまして、順位付けをするという感じになってます。
例えば、家族トピックでも
- 家族との時間を大切にしたい 9点
- 優しく接したい 8点
みたいな感じで、2つ出てきても大丈夫です。
そしてスコアが高い上位3つくらいが、今の自分の中の『価値』なんだという目安になります。
※一応ざっくりとした流れはお伝えしましたが、行き詰まってしまったという方へためにさらなるポイントをいくつか上げていこうと思います。
『価値』にしてはいけないものがあります!
先のようなトピックについて考えると、どうしても『価値』ではなく、目標のようなゴールが出てきます。ちなみにこのゴールは『価値』にはならないので注意が必要です。
先の例で言えば、
- 「漫画家になりたい」は『価値』ではありませんが、「クリエイティブな人間でいたい」は『価値』になる。
- 「結婚したい 」は『価値』ではありませんが、「他者を愛し続けたい」は『価値』になる。
と言った具合ですね。
結婚できるどうかは、僕らがコントロール出来るようなことではありませんが、自分が他者(好きな男性、家族、ペット)を愛するような行動を取るかどうかは自分でコントロールすることが出来ます。
そんな他者を愛するといった『価値』に基づいて行動を続けた結果として、結婚という1つのゴールを通過するかもしれませんし、結婚が出来なかったとしても他者を愛するような行動を自分自身が出来ていると思えれば、幸福感は保ちやすいですからね。
もっと具体的にしてみよう!
例えば家族のトピックで、「立派な父親でいたい!」というワードが出てきたとします。
しかしながら、立派な父親というのは人によって様々でして、
- 金銭的に家族を養っていく
- 出来るだけ子供と一緒にいる
- きちんと叱れる
と言った感じで考えられるだけでもいくつかあるわけですね。どれも十分立派な父親像であると思いますが、「自分にとって立派な父親とはなんだろう?」と更に1歩踏み込んで貰えるとよさそうです。
まとめ
『価値』を定めるエクササイズについて、ざっくりながらまとめさせていただきました。
この辺は最初にお伝えした注意点などをもう一度確認して貰えると、より自分に合った『価値』を定める助けになると思います。
また中には『価値』は何となく出てきけど、これで良いのかといったとぼんやりした感じの人もいらっしゃるかと思いますが、それで問題ありません。
なぜなら自分の『価値』に自信を持つには、その『価値』にそった行動を繰り返し行なう必要があるからですね。あくまでも行動を起こすまでがセットになっているので、次回から『価値』にそった行動にしていくにはどうしたらいいのか?なんてところにも触れて行きますので、お待ち頂ければと思います。
また僕自身の経験としては、就活の自己分析で『価値』に正解を求めすぎてかなり苦しみました。「自分はどんな人間でどんなことに喜びを感じるのか」、「自分はどんなことに適しているのか」について正解をだそうとして、迷走状態になってしまったんですね。
先の例で言えば、「クリエイティブな人でいる」という『価値』を定めればよかったものの、「漫画家になるのが正解か?」、「いや彫刻家になるのも捨てがたい」みたいなことを永遠にやってたわけです。
またぼんやりとした『価値』は出てきたものの、『価値』に基づいた行動をしてなかったところもあったので、これが本当に自分の『価値』なのか?と疑心暗鬼になったこともありましたね。つまり答えの出ない自己分析を永遠としたわけです。
しかしながら先にお話した通り、『価値』は行動を方向づけるコンパスなので絶対はありません。なので皆さんには是非とも肩の力を抜いて考えて頂ければと思います。
また話は変わりますが、普段から日記をつけているような人であれば、過去の日記をもう一度読んでみるなんてことをしてもらえると『価値』見つける参考になると思います。
読み返してみた時に「この気持ちは今も昔も変わってないな」、「ここは昔と考えが違うな」といった気づきが、『価値』そのものだったり、ヒントになることもあるので、よかったら過去の自分の言葉をチェックするようなこともよかったらやってみて下さい。( ˙▿˙ )
参考文献
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