「目標の立て方を変えれば、格段に落ち込みにくくなるぞ!」という研究のお話
こんにちは、なすびです。
今日は目標立て方について書いていきます。
テーマ
目標の立て方が下手だと、不安や憂鬱になりやすいぞ!
- 目標を達成できないと、心にダメージが、、、。
- 高い目標立てる人は鬱になりやすい!という研究
- 目標は曖昧に、プロセスは明確に
- まとめ
目標を達成できないと、心にダメージが、、、。
目標を達成することが、メンタルにとって重要なのは以前書いた通り。「何かを成し遂げた!」という自信はメンタルにとってプラスですし、「全然できなかった」となればメンタルが凹むなんてことはよくあるとなのかと。
僕自身も目標を達成できず凹むなんてことはしょっちゅうでして、「またやってしまった〜」とか「俺はなんてダメなんだ〜」みたいな状態は日常茶飯事であります。
そんな目標を上手いこと達成するには、根性だの実行力などいろいろあると思いますが、「大切なのって、目標の立て方なんじゃない?」という論文がありましたので、まとめておこうかと。また「鬱になりやすいのは目標の立て方が良くないからだ!」みたいな話もありますので、メンタル不調でお悩みの方はいろいろ参考になるかもしれません。
目標の立て方が下手だと鬱になりやすいぞ!
メンタル不調の原因は様々ではありますが、その中でも「目標の立て方が原因なんじゃない?」みたいな研究をしているのが、ジョアン・ディクソン博士であります。
ジョアン博士の研究では、45人の男女を対象に「うつ病になりやすい人とそうでない人の目標の立て方に差があるのか?」というのを検証してくれています。実験のデザインとしては、過去にうつ病を経験しているグループと特に問題のないグループに分けて、目標の立て方の違いを調べたとのことなんですね。(p.p)
でもって、この両者にどんな違いがあったのかと言いますと、
1.鬱の人は抽象的な目標を立てがち
そもそも今の自分が達成できないような目標(英単語がわからないのに、英語ペラペラになる!)だったり、「幸せになりたい」みたいな抽象的な目標を立てる傾向にあったんだとか。
逆に鬱でない人は「技術を身につけたい」という抽象的な感じではなく、「金属加工専門〇〇大学の学位を身につける」みたいにもう少し具体的な目標を立てる傾向があったそうな。
なんで抽象的な目標を立てると鬱になりやすいのかというと、そもそも達成しにくい目標を立てるので、失敗したと感じることが多いんだそうな。例えば「ピアニストになる」みたいな大きな目標ほど、「毎晩ピアノを1時間弾く」とか「できないことが見つかったら先生に相談する」みたいな具体的な目標の積み重ねになると。なので具体的な目標を立てないと遊びのような他の誘惑に負けやすくなったり、ピアノでちょっとできないことがあるとすぐに挫けてしまったりして、モチベーションを保てなくなってしまうということですね。
夢のまた夢みたいな感覚になって、挫けたり凹んだりするのなんだか、わかるな〜(^_^;)
2.鬱の人は回避的な目標を立てがち
この論文では目標にはアプローチ的な目標と回避的な目標があるということを書いておりまして、
- アプローチ的目標:「5キロ痩せる」とか「メンタルを強くする」みたいに、望ましい結果を出すことに集中する目標のこと。
- 回避的目標:「嫌なことがあってもめげない」みたいに、嫌な結果を避けることに集中する目標こと。
といった2つがあるそう。瞑想をやるという目標は同じでも「不安に強くなるための瞑想」はアプローチ的になって、「不安になりたくないから瞑想する」は回避的な目標になるわけです。
しかしながら回避的な目標は嫌なことを意識して目標を立てるため、頭の中にネガティブな考えが浮かびやすく、あまりいい目標の立て方ではないんだそうな。
鬱の人はこの回避的な目標を立てる傾向にあった上に、アプローチ的目標に対しては自身のなさが原因で悲観的なイメージをもっていたそう。「自分に達成できるのだろうか」といった不安が先行して、「絶対合格するぞ!」みたいなアプローチ的な目標を立てるのが苦手なんですかね。でもこれもわかるな〜。
3.目標を達成できなかったという経験がさらに鬱を加速させる
上記のような失敗したと感じやすい目標を立てて、実際に失敗を経験すると「どうせ上手くいかない」とか「また失敗した、俺はなんてダメなんだ」みたいな、ネガティブサイクルで自信がなくなっている人が多いみたいですね。まるで自分のことのようでなんだかつらい感じもありますし、自分では良かれと思ってやっているつもりなんですけど、上手くいかないですよね〜。
しかしながらこの研究では鬱の人だから人生に目標が少ないとか全くないというわけではなかったみたいなので、とりあえず目標の設定の仕方がよくないよってことだったみたいです。「目標を立てる時は具体的に」みたいなアドバイスは皆さんの中でもよく耳にするかと思いますが、このアドバイスは科学的にも正しいみたいですね。
目標はなんとなくでいい、ただプロセスは明確に
「目標は具体的な方がいい!」みたいなことを書いたばかりですが、「逆に曖昧な方がいいんじゃない?」という反対意見があるのが、科学の世界です(`・ω・´)そんな反論をぶつけるのがユタ大学の研究になるのですが、どうやら「目標は曖昧にしたほうが達成しやすいのでは?」みたいな内容になっています。先の主張とまったく逆ですな。(p)
んでもってこの研究では「目標の曖昧さについてのメリット」を3つの試験で確認をしております。この試験の中でもダイエットに関する研究がわかりやすかったので、それについて書いていこうかと。
41人の被験者に対して、健康診断の結果を伝えるような研究になりまして、伝え方を以下の2つのパターンに分けたんだそうな。
- 健康診断の数値をそのまま伝える(例:血糖値が100です)
- 健康診断の数値を幅をもたせて伝える(例:血糖値は95から105です)
3週間後、2つのパターンを検証したところ幅をもたせて伝えた人達の方が痩せる傾向にあったとのことなんですね。
なんで幅をもたせて方がモチベーションの維持できたのかと言いますと、「目標を達成できなくて挫けてしまう」ということが起こりにくかったそう。例えば「1ヶ月で5キロ痩せる」という目標ではなく、「1ヶ月で3〜5キロ痩せる」という目標にすることで、もし5キロ痩せられなかったとしても「とりあえず3キロ達成できた」というモチベーションが、その後のダイエットに良い影響を与えるんだそうな。
研究者によれば
曖昧な情報を提供されることによって生まれた余裕は、人々が肯定的な期待に沿って行動することを助け、モチベーションを保ってくれます。
とのこと。
要は目標に幅をもたせてあげれば、失敗したという感覚が起こりにくく、モチベーションの維持がしやすいということみたいですな。
ダイエットの例で言えば、「5キロ痩せる」という目標を立てたのに、4キロしか痩せられなかったとなれば明確な失敗感がありますが、「3~5キロ痩せる」という目標であれば「5キロ痩せたかったけど4キロ痩せたし、一応目標は達成したか」みたいに失敗した感じが少なくなるんだと。なのでその後のダイエットが継続しやすくなり、徐々に目標を達成できるということですな。確かにそんな気がする。
ただここで注意したいのが目標を曖昧にすることで、メリットが得られるパターンというのが長期的な目標という点です。例えば「ダイエットで6キロ痩せる」とか「月に30冊本を読む」みたいな達成に時間がかかる目標に関しては、曖昧な方がいいみたいなんですけど、それを達成するために「毎日20分走る」とか「寝る前に1時間本を読む」みたいな短期的な目標は、具体的である必要があるみたいなので、お気をつけください。
まとめ
そんなわけで目標の立て方について書いてきましたが、ざっくりまとめると
- 短期的な目標は具体的に
- 長期的な目標は曖昧に
- 回避的な目標をアプローチ的な目標に
ということになります。
これはダイエットの例で言えば、
- 「食べる量を減らす」ではなく、「ゆで卵みたいにお腹にたまりそうな物を食べる」
- 「食べ過ぎをやめる」ではなく、「5キロ痩せる」
- 「1ヶ月で5キロ痩せる」ではなく、1ヶ月で「3〜5キロ痩せる」
みたいにしていただけると、モチベーションを保ちやすいので、目標が達成しやすいそうです。
自分も大きな目標を立てて失敗するみたいなことが多いので、この辺は気をつけていきたいと思います。よく身内から「小さなことをコツコツと」と言われますが、これが科学的にも正しいことを身をもって知った気分です。
またこの辺は習慣化の要素も関係があるので、イフゼンプランニングのテクニックも使えると思います。この辺は合わせて使ってもらうと良さそうです。
本日もご一読ありがとうございました(^-^)