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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

【アファメーション】「私なら出来る!」といったポジティブ心理学が向いてない人たちとは?

こんにちは、なすびです。

 

今日はポジティブシンキングについて書いていきます!

 

テーマ

自尊心が低い人はポジティブワードでネガティブになるぞ

 

 

研修の定番!「目標を達成するためのアファメーションとは?」 

 

 

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会社の研修でアファメーションという内容を扱うことがあるのですが、僕はいかんせんこれが苦手。アファメーションは「目的を達成するために、自分自身を奮い立たせるフレーズを決める」ようなもので、ポジティブシンキング一種みたいな感じです。

 

皆さんも日々の生活の中で「300万の売り上げを達成する!」とか「痩せるために、ダイエットするぞ!」といった目標は立てる場面があるかと思いますが、実際に目標を達成することはなかなか難しいことかと思います。

 

アファメーションはそんな目標に対してぶれそうになった時、もう一度立ち向かうためのフレーズを自分に投げかけるようなもので、例えば

 

  • 売り上げを達成するために、勉強するんだろ俺!今は辛いけど、頑張ろうぜ!
  • 昔のジーンズを履くために、5キロ痩せるんでしょ私!私はステキな人間、もうちょっと頑張ろう!

 

みたいな感じ。ちょっと大げさに書きましたが、とりあえず自分を奮い立たせるような、ポジティブな言葉で自分を励ます方法になっています。松岡修造さんをイメージしてもらうといいかもしれませんね。アファーメーションは他にも「私は失敗しても大丈夫」とか「私は愛されている」といった感じで、ポジティブな言葉であれば自分が好きなように決めていいんだとか。

 

そんなアファメーションが研修使われている理由ですが、科学的に何かとメリットが確認されているからなんだそう。確かに2013年にカーネギーメロン大学が行った研究で「アファメーションで問題解決能力が上がる!」なんて結論が出ていたりするわけなのですが、一応原文をチェックしていこうかと思います。(p)

 

 

研究のアファメーションと一般的なアファメーションが全然違う?

これは慢性的なストレスを抱えている大学生80人を対象とした研究。学生たちを以下のグループに分けて、「アファーメーションが問題解決力にどんな影響を与えるのか?」を調べたそうな。

 

  • 自分の大切なもの(家族とか価値観とか)に順位をつけて、一番大切なものに対して前向きなエッセイを書くグループ(ex 自分はこれからも家族を大切にしていきたい)
  • 特に何もしないグループ(コントロール群)

 

 この二つのグループに問題解決能力を図るペーパーテストをやってもらったところ、前向きなエッセイを書いたグループの方がスコアが高かったとのことなんですね。結果だけ見ると「アファーメーションすごい!」となりそうなところですが、アファメーションで問題解決能力が上がるメカニズムを見ていくと、

 

 

そもそもストレスが問題解決能力といったパフォーマンスに悪影響を与えている

アファメーションにより、ストレスが低下する

パフォーマンスが上がって、問題解決能力が上がる

 

 

みたいな感じになりまして、「アファーメーションがいい!」というよりは、ストレス解消が問題解決に一役買っているような気がしてならないわけです。

 

また内容を見ても「ポジティブワードで自分を励ます」というよりかは、「自分が大切にしたいものを改めて確認する」といった要素が強いので、なんだか世間や会社で行っているアファーメーションとは違うような印象。なんだか間違ったアファメーションが広がっているんですかね~。

 

個人的にはストレス解消目的なら「エクスプレッシブライティング」でもいいような気がしますし、ポジティブ心理学も否定的な研究が出始めているので、現状アファーメーションに効果があるのかはなんだかよくわからない感じです。(°_°)

 

 

自尊心が低い人はアファーメーションで気分が悪くなるぞ

先の研究では「アファーメーションがいい影響を与えてくれている」という結果が出たものの、2008年の研究では別の結果が出ていたりします。ウォータール大学の研究によれば、「自尊心の低い人に限っては、アファメーションで幸福感が減少する」なんて結果が出ていたり。(p)

 

この研究では「自己肯定感が低い人にポジティブワードは有効なのか?」といったことを調べたのですが、結果は以下の通り。

 

 

とのこと。

 

自尊心が高いとアファーメーションの恩恵を受けられるものの、自尊心が低いと心にダメージを受ける可能性があるわけですな。

 

研究者によれば

そもそも自尊心が低い人は、ネガティブな考えが深く根付いてしまっている。無理にポジティブなことを考えさせようとすると、理想と現実のギャップが際立ち、かえって気分を悪くなってしまう。

 とのこと。

 

自尊心が低い人に「かっこいい人間になるんだ!」と考えさせても、「でも実際、俺カッコよくないしな〜」といった理想と現実のギャップで、ネガティブな考えが浮かびやすくなってしまうということみたいですね。

 

仮にアファメーションで上手くいったとしても、自尊心が低い人だと「うまく行ったのはたまたまだ」なんて考えにもなりがちだったりするので、効果も得られにくいんだと。うーん、これまた難儀ですな~。(・・;)

 

 

まとめ

とりあえずアファメーションについて書いてきましたが、まとめますと

 

 

みたいな感じです。

 

何かと自身があったり、自尊心が高いと感じる方はアファメーションのメリットが得られそうな感じですが、元から自尊心が低い人は「シロクマのリバウンド効果で嫌な部分に目が行きやすくなってしまうので、むしろ逆効果な可能性が大。無理なポジティブ思考は危険かと思いますので、僕みたいな自尊心が低いめの方はアファメーションはオススメしない感じであります。

 

また仮にアファメーションでポジティブワードを考えるにしても、「私は幸せなれる」みたいな抽象的なワードは避ける方が良さそう。「落ち込みやすい人は目標の立て方あまり上手くないぞ」なんて話でも書来ましたが、ポジティブワードを考える時は、この辺を参考にして頂いてもよさそうです。

 

個人的に「私は自尊心が低いです!」と思っている人は、ポジティブで自分の気持ちに反発するのではなく、自分の気持ちを受け入れるようなマインドセットを養う方がおすすめです。この辺はAWAREのテクニックとかセルフコンパッションをご参照くださいませ。

 

僕はとりあえずアファメーションはしばらく封印しようかしら(¬_¬)