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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

糖質で太る説はどこまで本当なのか??

こんにちは、なすびです。

 

前回はダイエットのお話をさせてもらいました。世の中には色んなダイエットがあるものの、共通して痩せる要素ってこれしかないよねみたいな話だったのですが、今回もダイエット繋がりということで、糖質制限の話を書いていこうかと思います。

 

テーマ

糖質制限は痩せるんだけど、厳密には糖質を制限しているから痩せてるわけではないっぽい

 

 

 

 

そもそも糖質制限って?


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糖質制限ダイエットを知っている方は多い印象ですが、文字通り糖質の摂取量を制限する食事方法のことを言います。「白米は糖質だから減らす」、「お菓子も糖質だからがまん」みたいな感じですね。

 

でもってこの糖質制限は糖尿病治療から始まったといわれておりまして、糖尿病の原因とも言えるインスリンが肥満の原因じゃないの?という仮説から生まれた食事法とのことです。この仮説からインスリン肥満ホルモンと言われるようになったのですが、まずはインスリンが肥満になりという理屈について見ていきます。

 

肥満ホルモンのインスリンとは?

改めてインスリンについて簡単に説明すると、インスリンとは上がった血糖値を下げる働きをするホルモンです。白米やパン、お菓子などを食べると血糖値が上昇するのですが、血糖値がそのまま上がり続けるとカラダによろしくないため、インスリンがそれを抑えてくれるわけです。

 

そんなインスリンが肥満の原因と言われる理由は主に3つありまして、

 

  1. インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制する
  2. インスリンは血液中の中性脂肪を分解して、脂肪細胞に蓄える
  3. インスリンは筋肉に糖を溜め込むが、余った糖は中性脂肪に変換し、脂肪細胞に蓄える

 

とのこと。

 

要はインスリンがお腹の脂肪を燃えにくくさせるうえに、お腹に脂肪を蓄えてしまうみたいですね。理屈だけで見れば、インスリンが肥満ホルモンと言われてもおかしくないわけですね。

 

 

一方でインスリンはそんなに脂肪を蓄えないという話も

これだけみるとインスリンのせいで太っているように思えるのですが、実はインスリンが糖を脂肪に変えることはめったに無いよというデータがあったりします。インスリンが血糖を脂肪に変換することをデノボ脂肪合成というのですが、実はこのデノボ脂肪合成という現象は実はめったに起きないとのこと。(1)

 

2001年に女性11名を対象に行った実験では

360〜390gの糖質に対して、デノボ脂肪合成は3〜8gしか起こらなかった

とのことでして、これは白米に換算すれば、(1杯150g 糖質約55g)7杯も食べる必要があるいうことみたい。どうやら糖質は極端に食べないと脂肪にはならないということみたいですね。(2)

 

「いや、太っている人なら話は別だ!」と思う人もいるかと思いますが、確かにこの研究は肥満の被験者のほうがデノボ脂肪合成が起きやすい傾向にあったと研究者は認めております。しかしながら2011年の研究でも同じの傾向が確認されているものの、別の研究者によれば痩せていても肥満でもデノボ脂肪合成量にそこまで差はないみたいなんですよね。(3)

 

結局痩せていようが、太っていようが糖を脂肪に変える量はそこまで変わらなそうな感じですね。ちなみにタンパシ質や脂質を食べても、インスリンは分泌されるので、一概にも糖質がインスリンを分泌させて脂肪を生成してるとは言えなさそうであります。

 

 

 

糖質って本当に太る原因?

「糖質が太る原因なのか?」という問題ですが、いかんせん「カロリーが太る原因だ」と主張する専門かと対立しているわけです。実際にカロリーだけでは体重の増加を説明できなかったり、糖質だけでは体重の増加を説明できないところがあるのでなんとも言えないところなのですが、2014年のメタ分析によれば「糖質ではなく、カロリーが太る原因なのでは?」という結果が出ていたり。

 

これは過去に行なわれた「糖質と体重の関係」について質の高い19件のデータ集めたメタ分析になっておりまして、文献の中でも信頼度はかなり高いものになっております。(4)

 

この実験では1500kcalという範囲で低炭水化物ダイエットとバランス食ダイエットが体重にあたえる影響を比較をしているのですが、もし糖質が太る原因なのであれば糖質の量が少ない低炭水化物が痩せるのではないか?ということを調べたわけですね。

 

でもって、結果はというと

2年間肥満の人を追跡調査しましたが、糖尿病の有無にかかわらず、体重減少と心血管危険因子の変化にほとんど違いはありません。

とのこと。低炭水化物であろうが、バランス食であろうが体重の減り方は同じだったみたいです。つまり糖質が太る原因ではないということになるわけです。

 

 

なぜ糖質制限は痩せるのか?


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糖質が太る原因ではないという結論になったものの、実際に糖質制限で痩せてる人がいるのは事実であります。しかしながらここで言いたいのは「糖質を制限しているから痩せているわけでは無いのでは?」ということですね。

 

糖質制限が痩せる理由として考えられるのは以下の通りでございます。

 

1.たんぱく質が増えるから

これは糖質を制限すると自然とたんぱく質の割合が増えるから痩せるということですね。たんぱく質には痩せるためのメリットが2つありまして、

 

①食欲を抑制できる

たんぱく質は食欲抑制効果や満腹感がかなり高いので、結果的に総カロリー摂取量が減っている。(5)

 

②消化にエネルギーを使う

糖質や脂質と比べると、消化に使うエネルギー量が多いため、消費カロリーが多くなる。

 

 

2.加工食品の量が減る

糖質を制限していると、加工食品が自然と減りがち。加工食品に含まれる トランス脂肪酸オメガ6が自然と減ることで痩せている可能性がある。

 

という2つが、糖質制限で発生するわけですね。

 

実際に糖質制限で痩せるみたいな論文もあったりするみたいなのですが、

 

  • タンパク質が増えている
  • カロリーが揃っていない

 

みたいなパターンが多いので、論文の妥当性が低いケースがあるみたいなんですな。しっかり糖質の差だけで太るかどうかを比較できていないということですね。

 

 

 

自然な糖質なら良いのでは?

糖質制限が登場したことで、カロリーは関係ない説が浮上したもの、結局ダイエットはカロリーも大切になってきそうです。なので個人的にはそこまで糖質を怖がらなくても良いのでは無いかと思っています。

 

前回ブログでも書きましたが、糖質にもメリットは有るので、糖質とセットでついてくる悪者に気をつければ良いのでは無いでしょうか。

 

またダイエットの基本はデビット・カッツ先生の論文を参考にしていただければいいと思います。ただいくら自然の糖質なら良いといっても食べすぎにはご注意。

 

 

まとめ

 

  • 糖質制限インスリンが原因で太るという仮説から始まった
  • インスリンが肥満ホルモンであるかはちょっと怪しい
  • そんなわけで糖質制限ダイエットもちょっと怪しい
  • 糖質制限は痩せるけど、タンパク質が増えていたり、加工食品が減っているパターンが多い
  • 自然な糖質ならあまり気にしなくて良い気がします(食べすぎには注意)