「人間、実は脳から太る!」というセットポイント理論のお話
こんにちは、ちょっと例のウイルスが危ない感じがしたので実家に避難することにした、なすびです。(´・ω・`)
今回はダイエットのお話。
太ってしまう原因については色々思い浮かぶことがあるかもしれませんが、世間一般では「やれ糖質が太る原因だ」、「やれカロリーの取りすぎが原因だ」、「はたまた加工食品が太る原因だ」なんて話がありまして、当ブログでも過去に一通り取り上げてきたしだいであります。
しかしながら何を隠そう、肥満のように人が太ってしまう原因っていうのは思ってるより複雑なメカニズムが働いていて、どうにも「これが太る原因だ!」と一概にはいえない感じなんですね。
まぁそんな「〇〇が原因で太る説」には関してはいろいろありますが、今回は新たな勢力として、「人間は脳から太るぞ!!」なんて話が面白かったのでまとめていこうと思います。参考は2017年の「セットポイント理論」に関する系統レビューです。(p)
人は脳から太るという『セットポイント理論』とは?
太る原因として考えられてる「セットポイント理論ってなんだ?」という話ですが、これは神経学の枠組みで考えられている理論で、すごくざっくり言いますと脳内で設定されている体重で現在の体重が決まっているという感じ。
イメージ的な例にはなりますが、
脳のセットポイントが60kgになっている状態で、ドカ食いする
↓
ドカ食いの結果、体重が62kgになる
↓
しかし脳のセットポイントは60kgなので、身体が自動的にカロリーを消費
↓
結果に60kgに戻り、痩せた体系を維持する
といった感じです。
過剰に摂取した分のカロリーを脳が判断して、あらかじめ設定されてる体重(60kg)に減らすように代謝を上げて消費してくれるみたいなイメージですね。
でもってこのようなメカニズムは
- 腸から脳に繋がっている迷走神経の正常な働きが、脳に満腹感を伝える
- 脳における視床下部の正常な働きが食べすぎを防ぐ
- グレリンやレプチンといった満腹ホルモンが「体内には十分エネルギーがあります」といったことを脳に伝える
といった要素が上手く働くことで『脳のセットポイント』を正常に保ち、自然と痩せた状態に維持するようにできてるとのことなんですね。
体重を維持するには脳が正常に働いていることがカギになってきそうな感じですね、うーん、なるほど。( ˙-˙ )
脳のセットポイントをおかしくする3つの原因
が、世の中には実際に太っている人がいるのも事実。そんな人達の『脳のセットポイント』ってどうなってるの?って話ですが、これもどうやら脳が高めの体重を設定してしまっているが故に、太っている状態を維持してるんだそう。
先例で言えば、最初は60kgに設定されていたのに、いつの間にか70kgになってる!みたいな感じですね。
ではそんな『脳のセットポイント』をおかしくして、肥満にさせてしまう原因ってなんなの?ということで、3つの原因について見ていきましょう。
ジャンクフードやお菓子といった加工食品の食べ過ぎ
「メンタルヘルスの大敵!」とも言える加工食品は『脳のセットポイント』をおかしくしてしまう原因の1つであります。この手の食品は塩分や脂肪、糖質が絶妙に配合されていているので美味しすぎる!という一方、脳への刺激が強すぎて『脳のセットポイント』にエラーが発生するわけですね。(p)もうちょっと嫌な言い方をすれば、ジャンクフードでちょっとした快楽状態になってしまう訳です。(p)
また迷走神経の観点から言えば、腸と脳はダイレクトにつながっているので腸内環境が食欲をコントロールしているところもあったり。2014年の論文でも、腸内環境が悪化することで食欲が暴走するのがわかっておりまして、ジャンクフードで腸内が荒れれば、必然的に迷走神経のダメージになり食欲をコントロールする力も弱まっちゃうわけですね。(p)
また人工甘味料も脳を混乱させる可能性があるので、ゼロカロリーとかも避けるに越したことはないんでしょうな〜。
まあそもそも加工食品が太りやすいのは間違いないでしょうし、僕としてもジャンクフードの影響で『脳のセットポイント』が壊れてしまうと考えてもおかしくはないなと思いますね、、、。
食事のバリエーションが豊富すぎる(甘いものは別腹)
これはシンプルに食事のバリエーションの多さが食べ過ぎにつながる!みたいな感じになりまして、白米だけだとご飯は進まないけど、肉とか魚、ふりかけみたいに色んなおかずや味があるとご飯が進む!なんて感覚は皆さんも経験したことがあるでしょう。こう言った食事のバリエーションが豊富だとどうしてもカロリーの過剰摂取につながりやすいんですな。(p)
またお腹がいっぱいであってもアイスクリームのようなデザート別腹!という現象もカロリーの過剰摂取になりまして、脳の『セットポイント』をおかしくさせてしまう原因にもなるわけです。(p)
まあこの辺は現代では当たり前の話ですけど、コース料理やバイキングなんかで言い方を悪くすれば、味に様々なバリエーションをつけることで食べすぎるようにできているわけですね、、、。
睡眠不足
睡眠不足で太るなんて話は有名ですが、『セットポイント理論』の観点からいっても太る原因になるとのこと。
レプチンやグレリンといった満腹ホルモンの働きに関係がありまして、そんなレプチンが睡眠不足で15%減ってしまうことがわかっていたりします。(p)
レプチンやグレリンといったホルモンは脳に「体には十分エネルギーがあります」というサインを出してたりするんですけど、レプチンが減ると「エネルギーは十分に足りている!」というサインを脳に送れなくなってしまい、脳はひたすら食べるように命令を出し続け、食欲が止まらないなんてことになってしまうわけですね。
また明るい部屋で寝ると33%も太りやすくなるなんて話もありますし、とにかく『セットポイント理論』からもダイエットのためにも良質な睡眠は必須なのは間違いなさそうです。
まとめ
そんなわけで『セットポイント理論』についてのお話ではありましたが、ざっくりまとめますと
- 『セットポイント』は脳にあらかじめ設定されている体重のようなもので、通常であれば食べ過ぎても設定された体重に戻るように出来ている
- しかし、ジャンクフードのような加工食品や睡眠不足が『セットポイント』が上昇させ、脳が太った状態を維持するように身体に命令を出す
- 結果体重が落ちず、肥満になる
といった感じですかね。
加工食品が体重の増加に繋がるのはいつも通りの話ではありますし、痩せるために糖質制限するにしても、カロリー制限するにしても、基本的には加工食品のようなジャンクフードが減って痩せているパターンが多いので、『セットポイント』を正常に戻すような健康的な食事(地中海食など)で痩せるのも何となく理解はできますね。
まあこの辺のメカニズムはどうであれ、体重を減らすには加工食品を減らすのと、睡眠をしっかり取ることがマストであることは間違いないんでしょうな。
やっぱりジャンクフードのパワーって凄いんだな〜(´・ω・)