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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

【意外と知らない暑さ対策の基本】「冷たい水は意味無い?」「手持ち扇風機は効果ある?」「紫外線のことも考えると服装はどうすれば?」

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こんにちは、なすびです。( *¯ ꒳¯*)

 

前回、夏の水分補給にはトマトジュースが良さそうだよね!って言う話を書いたんですけど、今回はそれ以外の暑さ対策についてまとめていこうと思います。

 

参考は2020年に南オーストラリア大学とシドニー大学が発表したレビュー論文になるんですけど、テーマとしては運動時の暑さ対策について過去の文献を元に内容をまとめてくれてた感じなんですが、運動以外といった日常でも使えそうな知識が多かったのでいい感じの内容になってました〜。(P)

 

で、まずは暑さ対策の基本として「こういう状況が危ないぞ!」っていうとポイントから触れていくと、

 

  • 体内の熱吸収が熱放散を上回ると体温が上昇していくので危険
  • 逆に熱放散が上回れば体温を下げることができるので安全

 

といった原則は頭に入れておくといいかと。

 

何となくイメージはつくと思いますが、熱中症のように暑さで体調を崩さないためには、いかに太陽光や気温といった部分から熱をブロックするか、そして体内に蓄積した熱をいかに素早く放出するかが鍵になってくるわけですね。

 

でもって、このレビュー論文ではそのポイントを頭に入れた上で、暑さ対策に関わる重要なポイントを2つに分けていまして、

 

  • 気候を判断する4つの環境パラメータ(周囲温度、湿度、風速、平均放射温度)
  • 運動中の熱調節負荷を決める2つの個人的パラメータ(身体活動のレベルと服装)

 

というものがあります。これだけではよく分からないと思いますので、それぞれについて細く見ていきましょう。

 

 

 

気候を判断する4つの環境パラメータ(気温だけで暑さを判断するのは不十分)

気温が高い、日差しが強いなどといった環境要因が体内の熱吸収を促進しているのは明らかで、皆さんもテレビで気温などをチェックして気温によって対策を変えてる人も多いのではないでしょうか。(今日の気温は35°だから、日傘とスポドリ、塩分ダブレットで万全にいくか!みたいな)

 

でもって研究者によると、この気温だけで暑さを想定するには不十分である!っていう話なんですが、

 

 

ということで、つまり、直射日光が当たることによって身体が温まるとか、太陽光で温まった地面からの熱なんかは考慮されてないわけです。体感的に気温よりも暑く感じるのはこのせいだったりするので、気温だけで暑さを判断するのはちょっと危ないわけですな。

 

なので気温以外にも太陽の出方などはチェックしておきたいポイントの1つなるんですけど、他にも抑えておきたいポイントが湿度と風速になりまして、

 

  • 湿度が高いと皮膚表面から体内の熱が逃げにくくなる(湿度が高いと暑く感じるのはそのため)
  • 風が強いと皮膚表面から体内の熱が逃げやすくなる(風に当たると比較的涼しいと感じるのはそのため)

 

といった特徴があるので、気温以外にも湿度と風速を見ておくとより万全な感じでよろしいのではないでしょうか。

 

なので、極端な例でいえば

 

  • 気温高い、湿度高い、風ほとんど吹いてない、直射日光が強い

 

という条件が重なった日は、体内に吸収される熱量が増えるのでかなり危険。十分な暑さ対策が必要になりますし、できれば外に出ない方がいいと言うことになりますね。

 

ちなみに運動をする場合なんかは、代謝熱(筋肉を動かすことで発生する熱)なんかも上乗せされるため、日中に外で運動するのは得策ではないと言えましょう。今の時期はマスクもつけているので、特に危険ですからね、、、。

 

気温や湿度、風速に関しては気象庁のホームページなどからも調べられるので、この辺も合わせて見てみてください。

 

個人で出来るベストな予防とは??

でもってここからは個人で出来る暑さ対策といったところになるのですが、先のメカニズムから熱の侵入をなるべく防いで、いかに発散を促進するかというポイントですね。

 

で、おそらく皆さんが既に知っていると思われる定番どころといえば、

 

  • まめな水分補給
  • 帽子
  • 日傘
  • 塩分タブレット
  • 日焼け止め(どっちかというと紫外線対策)

 

あたりは実行している方も多いと思いますので特に触れませんが、ここではもうプラスアルファの内容や意外と重要な対策について触れていこうと思います。

 

 

 

冷たい水を飲むと体温が下がるのか?

水分補給が大切なのは言わずもがなですが、温度はどのくらい重要なのか?というポイントですね。

 

冷たい水を飲んだ方が体の熱を下げてくれそうな印象ですが、その辺の科学的な根拠は得ないそうで、研究者いわく

冷水や氷スラリー(シャーベットみたいなやつ)を摂取しても、すべての環境において身体の冷却効果が得られるわけではない。これは逆に発汗作用が鈍化する可能性があるからだ。

とのこと。

 

どうやらキンキンに冷えた飲み物に体温を下げる効果があるとはいえないんだそうな。むしろ常温の水の方がいい可能性もあるみたいで、この辺はイメージと食い違う部分ですね〜。

 

 

手持ち扇風機には効果あるのか?

風が熱放散を促すのは先に書いたとおりで、今だと手持ち扇風機とか首にかけるタイプの扇風機とか持ってる人が多いと思うんですけど、研究者曰くそれだけだとちょっと対策としては弱いかもしれないとのこと。

 

研究者曰く

ファンを単独で使用しても、非常に暑く乾燥した環境では冷却効果が得られないかもしれない

ということで、気温が高く、湿度が低い環境だと熱い風をぶつけるだけ逆に意味ない可能性があるとのことなんですね。

 

なのでこの辺は扇風機にプラスして

 

  • 濡れたタオルなどで顔拭いたりしてから、風に当たる(デオドランドシートでも可)

 

といったように、既存のものと組み合わせるのが大事だ!っていう感じになってました。イベント会場とか行くとミストが出る扇風機とか置いてあると思うんですけど、あれを再現できるといいわけですね。

 

なのでスポーツ観戦するなら、濡れたタオルを首からかけて、定期的に顔拭いたりしながら扇風機に顔当てるみたいな感じがいいのではないでしょうか。

 

【夏の服選び】紫外線を重視するべきか?暑さを重視するべきか?

暑さ対策には衣類選びもかなり重要なのですが、この辺は意外と知らない人も多いかもしれません。

 

まあ衣類の素材によって、熱の発散しやすさ違うぞっていう話になるんですけど、

 

  • 麻、レーヨン、綿(コットン)などは熱伝導率が高いので涼しく感じる
  • ポリエステル、羊毛(ウール)は熱伝導率が低いので暑く感じる
  • 絹(シルク)は2つの間くらいに位置する

 

という感じで、麻やコットンといった熱伝導率が高い素材は体内の熱を外に出しやすいので涼しく感じるんですね。

 

でもって、さらにつけ加えると

 

  • 黒色や紺など暗めの衣類は熱や紫外線を吸収するため暑く感じる
  • 逆に白色といった染料を使ってない衣類は、熱や紫外線を吸収しにくいため涼しく感じる

 

といった特性がありますが、色に関しては何となく耳にしたことがあるかもしれませんね。

 

そして既にお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、紫外線対策に関してはこの暑さ対策とは全くの逆のことするわけなんですが、

 

  • 黒色や紺色の方がUPF(紫外線のカット率)が高い
  • ポリエステルやウールの方がUPFが高い
  • 厚手の生地になるほどUPFが高い

 

ということで、衣類で紫外線対策すれば熱はこもりやすくなるし、暑さ対策に特化すると紫外線のダメージを受けやすいといったトレードオフの関係にあるので判断が迷うところであります。

 

個人的には紫外線と暑さのどちらともとるなら、Tシャツにユニクロのドライパーカーを羽織るくらいがちょうどいいような気はしてまして、ユニクロやつは通気性もいいですし、UPF40(肌に届く紫外線が50分の1)なので薄手にしては中々優秀かと思います。というか今年の暑さを考えると紫外線対策の厚着はこの辺までが限界な気がする、、、。

 

まぁこのへんは個人差があるので何とも言えないですが、暑さ対策重視なら日焼け止めをこまめに塗ることである程度カバーも出来るので、このへんはお好みということでよろしくお願いいたします。( ˙꒳˙ )