歳を取るとメンタルが安定する!はどこまでホントなのか?
こんにちは、なすびです。
当ブログではメンタルヘルスについて書くことが多いですが、実は昔から歳を重ねるとメンタルが安定してくるなんて話があるので、今日はその辺について。
年齢を重ねると自尊心は高くなる?
これはスイスのベルン大学が行った研究になりまして、『11歳から94歳までの間で自尊心がどんな風に変化していくのか』を調べたもの。
164868人分のデータをまとめたメタ分析になりまして、信頼度としてはかなり良さげな感じです。(p)
ちなみにこの『自尊心』というのはざっくりいえば「今の自分に満足しているかどうか?」みたいなものになりまして、これが高いと
- 幸福度が高い
- 成功しやすい
- メンタルが安定してる
- 身体も健康的
であることがわかっております。自尊心が低すぎると「私は本当にダメな人間だ、、、」みたいな感じで、自己否定感が強くなりメンタルが悪化しやすいわけですね。
かくいう私も自尊心は非常に低いタイプで、僕自身としても喉から手が出るほど欲しいものになってます。
そんなメンタルヘルス状態を表している自尊心が、年齢とともにどう変わっていくのかを調べてくれたわけですがさっそく結果はというと、
- 自尊心の平均レベルは4歳から11歳まで増加
- 11歳から15歳は特に変化なし
- 20歳から30歳まで急上昇
- その後60歳までゆっくりと増加
- 60歳から70歳の間にピークに達し
- 70歳以降から少しづつ減少する
とのこと。
ちなみにグラフにするとこんな感じです。
※同論文から引用
20歳から30歳までの間で急上昇しているのが面白いですが、この図の背景で何が起きているのかを見てみますと、
幼少期:自尊心は比較的低め
- 理想の自分と現実の自分を比較し始める(僕はアンパンマンのように空は飛べないのか)
- 周りと比較する能力が芽生え始める(僕は〇〇君より足が遅いな、〇〇ちゃんより頭が良くないかもしれない)
青年期:自尊心が高くなり始めるものの、人によっては不安定な時期
- ホルモンバランスの乱れ
- 両親との対立
成人期:社会的な役割を担い始めて、自尊心が急上昇
- 仕事において管理職といった責任の強いポジションにつき始める
- パートナーと家庭を持ち始め、子育てを始める
老後期:60歳で頭打ちになるが、自尊心はかなり高いレベルに落ち着き、その後は少しづつ落ちていく
- 仕事を辞めることで一時的に自尊心落ちる
- 90歳を超えたあたりから認知機能が低下したり、うつ病になったりで、自尊心は落ちていく
といった感じ。基本的には歳をとれば取るほどいろんな経験を積んだり、社会的に重要な役目を担ったりして、自尊心は高くなっていく傾向にあるんだそう。
また2010年にギャラップ社が行った340,847人を対象にした幸福度調査でも
- 20歳前半からストレスレベルと怒りが低下し始める
- 30〜40の中年期に入ると社会的な責任から不安や心配レベルが上昇
- 50歳を超えると幸福度が上昇し続ける
とのことでして、50歳を超えたあたりから幸福度が上昇は自尊心が高まってきている影響が出てるのかなと思いますね。(p)
なんなら年寄りの方が感情のコントロールがうまい説
さらに最近の研究では若者よりお年寄りの方がメンタル安定してなんて話が出ておりました。(p)
これはデューク大学が2020年におこなった研究になりまして、20〜80歳の123人の男女を対象におこなったもので、ざっくりとした研究内容としては、
- 1日に3回参加者にメッセージを送り、今のリラックス状態や満足度、気分について5点満点で評価してもらう
- 加えて、食べたいものやアルコール、タバコ、SNS、ショッピング、昼寝など、参加者に今やりたいことを答えてもらう
といった感じ。これを10日間行いまして、人々が年をとるにつれて、ポジティブやネガティブといった感情と誘惑に抵抗する能力がどのように変化するかを調べたんだそう。
でもって、わかったことが
- 高齢者が「感情の変動が少ない」が少なく気分が安定している傾向にあった
- なんなら誘惑を抑える能力も高かった
とのことでして、歳をとっている方が感情のコントロールがうまかったんだそう。
僕としてはお年寄りって、なんだか怒鳴っている印象が強いですけど、これは典型的なステレオタイプってことみたいですね。
全体的に見てきた感じ、年を重ねるにつれてメンタルが安定していくのは間違いなさそうな感じ。
まぁ経験することに依存するところはあるんでしょうが、かなりの多くの参加者で確認されていることではあるので、自分も早く歳を重ねていきたいもんですね〜。(精神年齢だけ笑)
なんなら見た目は子供で、中身は大人な感じでいたいですな。