年収が上がってもある考え方をするだけで幸せがガッツリ下がってしまうぞ!という研究のお話です
お金で幸せは買える?買えない?
こんにちは、なすびです。
「お金で幸せは買えない!」なんてことを言う人は一定数いると思いますが、経済学や心理学の世界では「お金で幸せは買える!」という結論になっていたりします。(p)いかんせん、お金があれば自分が欲しいものが買えたり、自分が望む環境に身を置けたりできますし(留学したい、もっと勉強がしたい)、大切なパートナーとそれなりに幸せな生活をするためにもお金が重要であるのはなんとなくイメージがつくかと。
「いや、真の愛はお金では買えません!!」なんて言われてしまうとちょっと困ってしまいますが、「お金が幸福感にとって重要あるのは間違いない」という話の一方で、「所得が増えても、幸福度がそんなに上がらん」と言う話があるのもまた事実。「幸福感が最大になるのは年収800万がMAXで、そのあとは所得に慣れて幸福度が下がってく一方」という話はもしかしたら聞いたことがあるかもしれませんね。(p)
「幸せになるためにはある程度お金がいる、でも所得が増える幸せは長続きしない」ということで、非常にややこしい感じではありますが、イギリスのカーディフ大学が「所得が上がっても幸せに慣れない理由って他にもあるんじゃない?」という話が面白かったのでまとめていきたいと思います。
年収が増えても幸せが続かないのは、ランク所得仮説のせい
「所得と幸福」に関する研究はかなりの数行われているのですが、この研究はそんな相当数ある研究をまとめて分析したもの。(p)
1つ1つの研究としては
- 自分の収入が、年齢ごとの平均収入と比べてどのくらいの位置にいるのかチェック(平均は400万だけど、自分は350万なのね)
- 何年か追跡して、人生の満足度にどんな影響があるのかをチェックする
- どんな傾向が出るのか調べる
みたいな観察研究が多く、ざっくり言えば「所得って幸福にどれだけ影響を与えているの?」ということを調べているわけです。
でもって、そんな膨大な研究を分析して結果「所得と幸福」についてどんな特徴がわかったのかと言いますと、
- 収入が上がれば一時的に幸福度は上がる(p)
- しかしいくら稼いでいようが、周りの人より所得が低いと感じれば幸福度が下がってしまう
とのことでして、この現象は8万を超える観察研究で確認されたんだそう。
これはランク所得仮説と呼ばれるもので、自分がいくら稼いでようが周囲の人の方が稼いでるとわかると幸福度が下がる現象のことを言います。確かに今の収入に満足してても「自分の友人とか同世代の人が自分より稼いでる!」ってわかると、ちょっと惨めな気持ちになったりしますもんね。
またこの現象は裏を返せば、自分が400万円を稼いでいることに幸福を感じているのではなく、自分は周りと比べてこれだけ稼いでいるんだ!という感覚が幸福感を生んでいることを示しているので、この考え方が強く働く限りいくら稼ごうが幸福にはなれないんだそう。うーん、なるほど。(・・;)
大半の人が自分より稼いでいると比較してしまう
そして自分の収入を他人と比較するときは、自分より収入が低い人か高い人の2択になると思いますが、研究に参加した人の大半が年収が低い人ではなく、高い人と比較する傾向にあったとのこと。その差は75%とほぼ2倍とのことでして、やっぱり自分より上の存在と比較してしまうみたい。
研究者にいわく、
ランク所得仮説は所得と幸福が必ずしも一致しないことを示しています。この考え方がある限り、たとえ自分の所得が増えたとしても、自分が周囲の人と比べてどのくらいの所得があるのかを知る機会がなければ、幸福感を実感することが難しい。
とのこと。
収入が高い仕事を選んでも幸福になりにくいのは、このランク所得が関わってきそうな感じですね。
ただ研究者によれば、「ランク所得仮設はその人の解釈しだいなところもあるので注意が必要」と釘をさしております。これは「周りの方が収入が高いのか、じゃあ僕ももっと頑張らねば!」みたいな感じで、モチベーションに変化させることができればOKということですね。
でもって、もしこの問題に対処するとしたらですが、
- 自分の中で収入以外の幸せの指標を見つける(自由な時間、今の仕事に誇りを持っている)
- なるべく収入の話はしない、情報を集めない
- 「人生はお金以外に価値がある!」という価値観を持った人と多くの時間を過ごす
- 平均収入が低い、地域に引っ越してみる
といった感じでしょうか。
全体的に自分の収入のランクを気にしないようなアプローチが多めになっています。自分も友人と収入の話になったりしますけど、やっぱり周囲の人の方が収入が高いと精神的なダメージがあるのであまりしたくないんですよね。同い年だからこそなおさらなのですが、稼いでるって人としてのわかりやすいステータスみたいな感じだと思うので、気にすることが少ない環境に身を置くのが一番かと。
まあこの論文でもそうですが、「他人との比較で幸福度が下がる」というのはアドラー心理学の基本でもありますし、どうにか気にしないマインドを養っていきたいものですね。
隣の芝生は青く見えるというのは、色々と厄介ですな〜。( ˙-˙ )