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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

「帰り道に出来るストレス解消法」と噂の歩行瞑想【入門編】

歩行瞑想って、ストレス解消にめちゃめちゃいいのでは?

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こんにちは、なすびです。

 

マインドフルネス瞑想がメンタルに良いというのはなかなか有名なお話なんですが、過去の大規模な研究を見ても

 

  • ジョンズホンプキス大学のメタ分析47件のRCTでもうつ状態が改善する(p)
  • 36件のRCTを集めたメタ分析では不安の改善にも効きそう(p)

 

といった感じで、かなり質の高い研究で効果が認められてたりします。

 

そんなマインドフルネス瞑想がメンタルに良いと言うことで個人的には過去にまとめたものの、「まったく習慣なってない!」というのが最近の悩みでして、どうにも呼吸瞑想のように座ったままじっとしているのが苦手なんですよね。

 

でもって、マインドフルネス瞑想といっても呼吸瞑想以外にもいろんな種類があるんですけど、僕みたいにじっとしてるのが苦手ない人は歩行瞑想がいいなと思っております。いかんせんじっとしていなくてもいいというところと、歩く環境さえあればどこでも出来るので通勤のような隙間時間もうまいこと使えるのでかなりいい感じなんですよ。

 

ということで今回は歩行瞑想について詳しくまとめたことはなかったので、どの辺についてまとめていこうと思います。

 

 

一応マインドフルネス瞑想のおさらい

では歩行瞑想の説明に入る前に、マインドフルネス瞑想についておさらいをしておこうかと。

 

マインドフルネス瞑想といっても色んな種類がありまして、

 

  • 座ってやる瞑想(これがオーソドックス)
  • 歩行瞑想(ムーブメント瞑想とも言われたり)
  • マインドフルネスイーティング
  • ボディースキャン

 

といったところがありますが、やる動作が違うだけ根本的には同じになります。マインドフルネスイーティングとボディースキャンに関しては後日改めてまとめていきますね。

 

でもってその根本は何かと言いますと、

 

  • 自分の思考のパターンに気がつくこと
  • その思考を観察出来るようになる力を養うこと

 

になります。

 

例えば、生活をする中で僕らは

 

  • 今日の晩ご飯は何にしよう
  • 明日、仕事行きたくないな
  • 昨日の失敗を思い出すと凹むな〜

 

といった、未来や過去に考え事を常にしているわけなのですが、実はそれが脳の負担になったりストレスになっていたりするわけです。

 

で、マインドフルネス瞑想というのはこのような状況の中で、

 

  • あ、また明日の仕事の心配してるな
  • また難しく考えすぎているな

 

というふうに、自分の考え事から抜け出すような力(脱フュージョンメタ認知)や自分の思考を観察するような力を養うことを目的としております。

 

このような感覚は『満員電車に乗っているのではなく、ホームで電車が去っていくのを見つめる』といった感じでイメージするとわかりやすいかもしれません。

 

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僕らは生活をしていれば、考え事を頭がいっぱいになってしまう状況になりますが、それは不安や怒りといった感情が詰まった満員電車に乗っている状態になります。

 

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ここで「いかんいかん、またネガティブなことで頭がいっぱいになってしまった」とネガティブトレインに乗っていることに気がついて、一度電車を降りる。ネガティブな感情も一時的に頭の中にやってくるだけで、時間が経てば去っていくといった精神を養いたいわけですね。つまり考えごとの渦から抜け出し、感情という電車が過ぎ去るのを観察するのが目的になります。

 

ただそうは言っても、また同じ考え事の渦にはまって同じことについて何度も考えてしまうのは誰でもあることで仕方のないことなので、そんな時にマインドフルネス瞑想がトレーニングツールとして役に立ちます。

 

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マインドフルネス瞑想はこの感情という電車の乗り降りを繰り返すことで、感情の渦にはまりにくくなるような脳を作っていきます。「いかんいかん、また同じことを考えてるな」と気がつき、自分の思考を外側から観察するような視点を鍛えることで、結果的に考え事で脳が浪費することも減るので、良い休息にもなるんですね。(P)

 

ちなみに瞑想に関する誤解としては「無心にならなければいけないのでは?」といったものがあるのですが、確かにそういった種類の瞑想もあるものの、マインドフルネス瞑想では無心になることは目的にしてません。というか心を無心にするなんておそらく無理ですし、「心を無にするのです」といっている人も、本当に無心なのかどうか怪しいところかと。

 

あくまでも自分がどんなことを考えているのか?について、一歩距離を置くような視点を養うのがマインドフルネスの目的の一つであるというのは頭の片隅に入れてもらえるといいと思います。

 

歩行瞑想のやり方

前置きが長くなりましたが、そんな歩行瞑想のやり方を以下の3ステップで見ていきましょう。

 

  1. 歩くスピードは自由です(最初はゆっくりがオススメ)
  2. 足が地面に触れる感覚や手足の筋肉や関節の動きに意識を向ける
  3. 歩いている時に「右、左、右、左」や「上げる、下げる、上げる、下げる」といった感じでラベリングする。

 

ざっくりいえば、とにかく歩くことに集中する!!という感じですね。

 

でもってラベリングについては歩数を数えてもいいですし、「1、2、1、2」とか何でもOKです。また始めは2と3は両方意識するのは難しいので、どちらか片方だけでも大丈夫です。ちなみに僕は足裏の感覚に集中するタイプで、「右足が地面についた、左足が地面についた」という感じでやっております。

 

実際にやってみるとわかりますが、歩行瞑想をやっていると「これ本当に意味あるの?」といった考え事をしてしまったり、車の雑音に気を取られたりといった感じで、必ず気が散ります。

 

そこで一番大切なのは、気が散らない精神を身につけるのではなく

 

  • 「あ、いつの間にか考え事してしまったな。もう一度集中しよう。」
  • 「車の音に気をとられた、歩数を数え直そう」

 

といった感じで、自分が考え事とかに気を取られたということに気がついて、それを元に戻そうとすることです。先の例で言えば、満員電車を降りたり、乗ったりすることを繰り返す作業が大切なので、気をとられてしまうことはまったく問題ないです。

 

なので「考え事してしまって、もうダメだ〜」となるのではなく、もう一度足の感覚に意識を戻してみよう、という上記の流れを毎日5〜10分続けて見てください。

 

ちなみに良い習慣にするコツとしては

 

  • 駅の改札から自宅までやる
  • 玄関から駅までやる

 

といった感じで、自分が決まってやる行動と組み合わせると習慣化がしやすいので、習慣まで持っていきたい人はイフゼンプランニングを参考にしてみると良さそうです。

 

単に歩くだけでもストレス解消にはなるので、瞑想はハードル高いと思う方は散歩なり、森を歩くだけでもよろしいかと思います。とりあえず気になってたものから始めてみるとよろしいのではないでしょうか。(`・ω・´)

 

参考文献

世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる