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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

【オーディオブック VS 電子書籍】より内容を理解し、記憶に残りやすいのはどっち??っていう研究のお話です


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お久しぶりです、なすびです。

 

今回は『オーディオブック』についてのお話です。

 

『オーディオブック』っていうのは本の内容を朗読してくれる音声のことなんですが、いかんせんラジオのように散歩やドライブしながらでも本の内容が頭に入るので結構便利だったりやつです。有名どころだとAmazonが運営するオーディオブックを使ってる方も多いのではないでしょうか。

 

で、前回『内容をより理解するなら紙の本と電子書籍どっちがいいのか?』っていう話をまとめたんですけど、今回は『オーディオブック VS 電子書籍ならどっちがいいんだろう?』って話が参考になったのでまとめておこうと思います。

 

電子書籍 VS オーディオブック】 理解が深まり、記憶残りやすいのはどっち?

これは2016年に発表された論文で91人の男女(25〜40歳)を対象に「第二次世界大戦」の内容をベースにしたノンフィクションを読んでもらうんですが、その際に以下のグループランダムに割り振り理解力や記憶力の差をチェックしてくれてます。(P)

 

  1. オーディオブックを使用するグループ
  2. 電子書籍を使用するグループ
  3. オーディオブックと電子書籍の両方を使用するグループ(オーディオブックを使いつつ電子書籍で文章を追う)

 

参加者には同じ内容の文章を読んでもらうわけなんですが、

 

  1. まず直後にテストを行い「どのくらい内容を理解しているのか?」をチェック(例:この登場人物はどの軍に所属してましたか? A.海軍 B.陸軍 C.空軍)
  2. 2週間後に改めてテストを行い「どのグループが1番記憶に定着しているのか?」をチェック

 

という2つの軸から学習する媒体の差を比較してくれてます。

 

ちなみに参加者全員は大学での教育受けてまして、やたらと高い学位を持つ人だったり大学を卒業していない人は省かれたそう。実験開始前の学力はどのグループでも有意な差もなかったってことで、デザインとしてもいい感じなのではないでしょうか。

 

 

個人的にはオーディオブックと電子書籍のダブル活用が強そうだな〜っと思ったんですが、結果はどうだったのかというと

 

  • 内容の理解力に目立った違いはなかった
  • 記憶の定着レベルにも違いはなかった

 

っていうことで、この結果は男女に別に分析しても違いはなかったそう。

 

 

まあ大学教育を受けた人たちを対象にしてるので子供やお年寄りを対象にした場合違いが出る可能性があるものの、ダブル活用でさえ目立った差がないのは意外でしたね〜。

 

で、この辺について研究者はオーディオブックを全否定というわけではなく

新しい事実情報や難しい概念を学び、勉強し、保持することを目的として教科書を読むと、本研究で見られたノンフィクションの文献とは異なる結果が得られる可能性がある。

ということで、読書の内容によってはオーディオブックによってメリットが得られるかもですし、逆にデメリットがあるかもしれないという感じになってました。

 

過去の研究でも「ノンフィクションなら紙の本が良さそうだけど、フィクションなら紙も電子も差はない」みたいな結果が出てますんでそんなイメージでいいんですかね。

 

 

ということで、最後に過去の知見も合わせてまとめますと、

 

  • 実用書のような知識系の読書:紙の本 = オーディオブック > 電子書籍
  • 物語系の読書:紙でも電子でもオーディオブックでもなんでもよさそう

 

っていうことで、知識系の本の理解度的にはオーディオブックでも良さそうですが、読み飛ばしが出来ない分効率が落ちる部分があるのでこの辺はケースによって使い分けるのが良さそうですね。

 

ちなみに自分は要点をわかりやすく説明するための例え話は読み飛ばしたりするのと、紙の手触りが好きってことで紙派です。