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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

SNSの『いいね!』が少ないと感じるだけでメンタルが病みやすくなるかも、、、っていう研究のお話です。

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こんにちは、なすびです。(`・ω・´)

 

今回はTwitterFacebookといった『SNS』に関するお話です。

 

当ブログではよく「SNSの使いすぎでメンタルが病みやすくなるから気をつけよう!」ってことで、過去に「1日何分までなら悪影響が少ないのか?」とか「どのSNSでメンタルが病みやすくなるのか?」といった話をまとめてまいりました。

 

まあ何でSNSでこういったメンタルがやられちゃうのか?ってところに関しては、「批判的なコメントをもらうことがあるから」「他人のリア充投稿を自分を比較して惨めな気分になるから」「SNSの論争を目にして、不快な気分になるから」とかいろいろあるんですが今回は『自分の投稿に「いいね」が少ないと感じるだけでも将来的にメンタルが病みやすくなるかもしれない』という研究が興味深かったのでまとめておこうと思います。

 

 

 

批判的なコメントをもらったわけではないのにメンタルがやられる、、、

これは2020年にテキサス大学オースティン校が発表した論文になりまして、1337人の学生(10代が中心)を対象にした研究になります。(P)

 

この論文では3つの研究を通して「学生がSNSでの投稿に良い評価をもらえないとメンタルにどんな影響があるのか?」を調べてくれてるんですが、その研究の1部を紹介すると、

 

  1. まず参加者には同年代と交流を深めることができるSNSで自分のプロフィールを作る(趣味はバスケです!)
  2. 研究者はそのプロフィールの内容に関係なく、コンピューターによってランダムに『いいね』をつける(この人は48人から『いいね』をもらったことにしよう)
  3. 参加者にはプロフィールに『いいね』がついているランキングを公開する(〇〇君は48人から『いいね』をもらっているので3位です!)

 

といった感じ。プロフィールの内容に関係なく『いいね』をつけてるので、内容がよくないものでもランキング上位になる可能性があるのがポイントなんですが、そういった周囲からの高評価の数が学生たちのメンタル(自分への自信とか)にどんな影響があるのか?を3つの研究から見てくれたわけですね。

 

ではそんな3つの研究結果を見ていきますと、

 

  • 自分のプロフィールに『いいね』が少なかった人は自分自身を拒絶されたと感じ、ネガティブな考えが増加した(研究1)
  • 『いいね』が少なかったことを気にしてしまっている人ほど、将来的にうつ病の症状を経験する可能性が高く、日常生活からのストレスを感じやすい傾向にあった(研究2)
  • 学校の仲間からいじめを受けた経験がある生徒は『いいね』の数が少ないことに最もネガティブに反応し、『いいね』が少ないのは自分の性格が悪いからだと感じる傾向が高かった(研究3)

 

とのこと。コメントなどで直接何か批判されたわけではないにもかかわらず、『良いね』の数が少ないと自分の性格などを批判された気分になってしまったんだとか。そしてこういったことを気にしやすい人は日常生活からネガティブにも敏感だったりするそうで、ストレスも感じやすいんだそうです。

 

でもって、この結果について研究者によりますと

社会的な地位は人間として発達する10代もはっきりと注目されており、明確に否定的なフィードバックがなくても若者は自分たちの相対的な人気を強く認識しています。

〈中略〉

この結果は明らかに否定的なコメントを共有する機会がなくても、オンライン上で自分の社会的な地位を比較することを容易とするテクノロジーが、若者の内面症状の発症を加速させる可能性があることを示しています。

とのこと。SNSの「いいね」といった周囲の人からのフィードバックは若者たちにとって「自分がどのような人間なのか?」を決める情報になる一方で、「いいね」の数から自分の価値を決めている側面があるのではないかと。なのでいじめといった何か自分が批判されるようなコメントを直接もらわなくても、「いいね」の数を周囲の人と比較することで「自分は大したことない人間なのかもしれない」「自分の性格が悪いのかもしれない」と自信を失う可能性があるわけですね。

 

確かにいいねがたくさん貰えたら自分価値が認められてるような気分にもなりますもんね、、、。

 

ちなみに2019年に発表された別の学生を対象にしたSNSの研究だと「1日に30分から3時間SNSを見る人は全く見ない人に比べてメンタルが病む確率が約2倍上がる!」といった知見があるんですが、これはSNSの「いいね」の数を気にする頻度が高いからかもしれません。(P)

 

まあこの辺はこういったことで自分に自信が無くなったりしないよう、

 

  • SNSでいいねがつかなくても、自分が否定されているわけではない(ネガティブな拡大解釈のしすぎ)
  • 根本的に自分と他人を比較して自分自身の価値を決めようとしすぎ
  • SNSの利用はそういったネガティブな考えを誘発しやすくする

 

といったポイントを押さえておくといいのではないでしょうか。もちろんSNSが悪だ!というわけではないのですが、この辺は特に精神的に最も成長すると言われる10代の学生さんは影響が大きそうなので、使用時間や使い方には何卒ご注意くださいませ〜。(*¯ㅿ¯*;)