【コロナ知見シリーズ】 「死亡リスクが3倍高い人の特徴とは?」「手作りマスクにはどんな素材を使うべき?」「結局コロナの抗体はどのくらいの期間残るの?」
こんにちは、なすびです。
たまにはコロナについてガッツリまとめておくのもアリかな〜と思ったので、今回は個人的には気になった知見を3つまとめていきます。
コロナで死亡率が高い人の特徴とは??
糖尿病のように既存の疾患を持ってる人ほど重症化しやすかったり死亡率が高い報告はいくつかあるんですが、8月の末に出た研究がその辺に関する過去のデータまとめてくれてていい感じでした。(P)
これは『既存の疾患とコロナの死亡率』を調べた321件の研究から適格な25件を選んだメタ分析になんですが、集められたデータの質も比較的高く、合計で65,484人のデータを使っているのは信頼度が高くてよさそう感じ。
で、早速を結果見てみると、
- 心血管疾患:125%高い【リスク比(RR)2.25、95%CI = [1.60–3.17]、研究数 n = 14】
- 高血圧:82%高い【1.82 [1.43〜2.32]、n = 13】
- 糖尿病:48%高い【1.48 [1.02〜2.15] 、n = 16】
- うっ血性心不全:103%高い【2.03 [1.28〜3.21]、n = 3】
- 慢性腎臓病:225%高い【3.25 [1.13〜9.28]、n = 9】
- 癌:47%高い【1.47 [1.01〜2.14]、n = 10】
といった疾患を持っていると、コロナによる死亡リスクが最大で3倍ほど高くなる可能性があるんだそう。この中だと慢性腎臓病や血管に関わる病気のリスク特に高くなってますね。
ちなみにリスクが高くなる原因はなんなのか?というところですが、
- 上記の疾患を持っている人は免疫機能が落ちている可能性がある
- 高血圧の薬(RAASブロッカー)の使用が重度のコロナを発症させるかもしれない、、、(研究結果が一致してない)
ということで、免疫機能の可能性はやっぱりあるんだろうな〜と思いつつも、まだ分からない部分も多いみたいですね。
手作りマスクは何を使うべき??
感染予防になりそうな手作りマスクってどんなマスク?ってことについてデューク大学が調べてくれてたので、まとめておこうと思います。(P)
この研究では「14種類の手作りマスクが飛沫(0.5μm)をどのくらいブロックしてくれるのか?」を調べてるんですが、ざっくりとした手順は
- マスク付けて「健康を維持せよ!」みたいな言葉を5回繰り返す
- 特殊なカメラで言葉を発した時の飛沫を観察する(粒子の数などをカウントする)
といった感じです。
手作りマスクで飛沫の飛び方は違うのか?をチェックしたんですが、そんな実験で使われたマスクは以下のものになります。
※同論文より写真を引用したもの
そしてこれらのマスクはマスクをつけない時の飛沫の飛び方を基準にブロック率も出してくれているんですが、そんな結果は以下のようになりました。
- コットン素材の手作りマスクはそこそこ飛沫を防いでくれる(何もつけないのと比較してブロック率が70%ほど高い)
- バンダナを口に巻くだけのようなマスクは何もつけないよりマシだが、あまり飛沫をブロック出来てない(何もつけないのと比較してブロック率が35%ほど高いくらい)
- しかしネックゲイターに限ってはつけない時より飛沫が飛んでしまってる
ということで、全体的にみるとコットン系の生地は比較的ブロック率が高く、バンダナやネックゲイターなんかはマスクとしてあまり適してないということになりそうです。
ちなみに最強のマスクと言われる『N95マスク』に関しては何もつけないのに比べて99%以上のブロック率を持っていて、医療用のサージカルマスクも同じようにかなりブロック率が高いのででこれらを身につけることが安全なのは未だに変わらなそうですが、コットン系の布マスクもそこまで悪くなさそうな感じがしますね。
また飛沫のブロック率はマスクの付け方とかによっても変わるので、この辺はマスクは自分にあったサイズのマスクを用意したり、出来るだけ鼻まで覆うようするなど正しい付け方なんかをもう一度確認してみると良さそうです。
結局コロナ抗体は何ヶ月くらい残るの?
過去に『コロナウイルスの抗体って長持ちしない』みたいな話を聞いたことがあるかもしれませんが、スペインの研究だと抗体って最短2週間くらいで消えちゃうかもしれないという示唆がある故に、集団感染で感染を収束させるのは難しい可能性が出てたりするんですよ。(1)
ただこれが本当だと一度コロナにかかった人が数ヶ月もしないうちに再び感染する可能性があるためかなり厄介なことになるんですが、アリゾナ大学が発表した新しい研究ではコロナの抗体は数ヶ月ほど持続する!といった結果になってちょっと安心でした。(P)
まず研究者いわく、
これまでの研究では、初期感染からの抗体産生を推定し、感染後に抗体レベルが急速に低下し、短期的な免疫力しか得られないことが示唆されていた。しかしこれらの結論は『短命の形質細胞』に焦点を当てたものであり、『長命の形質細胞』とその産生する高親和性抗体を考慮に入れていなかったと考えている。
とのこと。抗体を作り出す形質細胞には短命なものと長命なものの2つがあるんですが、今までの研究だと短い期間で集中的働くタイプの抗体のしかチェックできてなかったんだそう。(P)
なので今回は5882人分の血液サンプルを使って長期的に機能する方タイプの抗体の影響を調べてくれてましたわけなんですが、そんな結果は
- コロナの抗体は最低でも5〜7 ヶ月は持続しそうだった!
とのことで、一度かかるとコロナへの耐性がそれなりの期間つくんだそうです。
ちなみに「そもそも抗体検査の精度って大丈夫なの?」ところもあると思うんですが、研究者いわく
完了した5,882回の検査のうち、偽陽性となったのは1回だけで、その割合は0.02%未満であった
とのことで、抗体の検出を99%の精度で行うことも出来ていたんだそうです。
まあ何はともあれ、今後も抗体が持続するような研究結果が出続けてくれるといいですね〜。
参考文献
(1)https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31483-5/fulltext