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心配性な元セラピストがメンタルヘルスについて考えるブログ

【コロナ】「医療従事者のメンタルへの負担がやばい」、「若者のメンタルの負担もやばいかも、、、。」などといった知見シリーズ【その6】

 

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こんにちは、なすびです。(  ˙꒳​˙  )

 

今回は「新型コロナに関連したメンタルへの影響を見ていく!」内容になっております。

 

医師や看護師の精神的なダメージがすごい

コロナによって医療従事者にかなりの負担が強いられているのは既にご存知かもしれませんが、「具体的にどのくらいやばいのか?」ということで見ていきましょう。これは中国の34病院を対象に1257人の医療従事者データを集めまして、新型コロナウイルスの治療に当たる医療従事者のメンタル状態を調べた研究。(p)

 

まずは対象になった人たちの特徴について箇条書きすると、

 

  • 年齢:26〜40歳が813人(全体の64.7%)
  • 性別:女性が964人(全体の76.7%)
  • 看護師:764人(60.8%)
  • 医師:493人(39.2%)

 

といった感じで、比較的若い女性の方が多い印象であります。

 

そんな医療従事者たちには6日間かけて、うつ病、不安症、不眠症のレベルを測るアンケートに答えてもらい、そのデータを分析してどんな特徴が出るのかを調べてくれたわけなのですが、早速分析結果を見てみますと、

 

  • うつ病の症状:634人 【全体の50.4%】
  • 不安:560人 【全体の44.6%】
  • 不眠症:427人 【全体の34.0%】
  • 心理的な苦痛:899人【全体の71.5%】

 

などの症状を訴えている人がほとんどで、かなりの医療従事者のメンタルヘルスが脅かされている印象。

 

そしてこの論文によれば医療従事者のメンタルのダメージは感染者に接するかそうでないかでかなり変わるらしく、

 

 

といった感じ。受付のような業務のみと比べると実際に感染者のケアを行なったりと直に接する人たちの方がメンタルにダメージを負っている人の割合が多いんだとか。まあ自分も感染リスクにさらされている恐怖や助けられない患者をたくさん目の当たりにすると考えると、それはそうですよね、、、。

 

でもって、別の文献でも医療従事者のメンタルへの負担が深刻になってまして、武漢で働く991人の医療従事者を対象とした研究だと、

 

  • 全体の36.3%の人がメンタルヘルスに関する書籍などを手に入れていた
  • 全体の50.4%の人がインターネットなどのメディアを使って、心を立て直すための心理テクニックにアクセスしていた
  • 全体の17.5%の人が専門家によるカウンセリングまたは心理療法を受けていた

 

ということで、過半数の人がストレスをどうにかしようとしている印象であります。(p)ただおそらくサンプルとして使ってるデータベースは先の論文とおそらく同じなので更に広い範囲で調べたわけではないものの、実際にメンタルヘルスに困っているのはまず間違いなさそうな感じです。

 

また医療従事者のストレスは現場のみだけでなく、医療従事者というだけで周りからの差別も発生しているのもかなりひどい感じ。4月22日に行われた日本看護協会による記者会見のレポートによると、

 

  • 看護職というだけで子供の保育園自粛を求められた
  • 感染者を受け入れている病院で勤務していることが夫の会社に知られ、夫が勤務先より休むよう言われる
  • 感染者を受け入れている病院で勤務していることを理由に、子供が学校でいじめにあう

 

なんて事例があったとのこと。(p)新型コロナに関わる医療従事者というだけでその人自身はもちろんのこと、その家族への偏見や差別もメンタルへの負担になっているんだそう。これは報道とかでもよく見る話ですけど、これも辛い話ですよね。ホントはウイルスが悪いはずだし、何ならウイルスから身を守ってくれているのに、なんでこうなるんだ、、、。(;ω;)


まあ結局のところ僕たちの行動が感染を広めてて、その風評被害が医療従事者に行っているというだけなので、これはなおさら予防と自粛を心がけなければいけませんな、、、。

 

 

 

若者のメンタルもやばいかも、、、。

「もしかしたら若者のメンタルの負担がやばいかも」ということでまとめていきます。

 

こちらも中国の研究になりまして584人の若者が対象に「新型コロナウイルスが発生した後、若者のメンタルにどんな変化があったのか?」調べた研究。心理的な健康状態に関する様々なアンケートに答えてもらって結果を分析するような、研究でタイプとしては先の研究と同じ横断研究ですね。情報の質としては交絡因子(経済的に余裕がないからじゃなくて?みたいなやつ)が制御出来てないので割と低めということを先に言っておきます。(p)

 

これも一応対象になった人たちをチェックしていくと、

 

  • 年齢:21〜30歳が436人(全体の74.6%)
  • 職業:学生 454人 (全体の77.7%)
  • 家族形成:独身 548人 (全体の93.8)

 

という感じで企業で働いてる人も12%くらいはいるものの、ほとんどが若者かつ学生と言った感じ。

 

そしてこの参加者たちにはメンタルヘルスの状態チェックするアンケート(GHQ-12など)に答えてもらいまして、その結果を分析にかけたところ以下のようなことが分かりました。

 

  • 参加者の約40%近くが心理的に問題を起こしやすい状態にある(うつのような症状や薬物のような非行)
  • そのうち14.4%の参加者にはPTSD(ざっくり言うとトラウマ)の症状があった

 

とのことでして、とりあえず新型コロナウイルスのせいでメンタルが悪化してそうな感じではあるよと。

 

そしていろんな要因がある中でもメンタルの悪化に関連していたのが、

 

  • 教育レベルの差:オッズ  8.71 (修士号との比較)
  • 企業の従業員であること:オッズ  2.36 (学生との比較)
  • PTSDの症状:オッズ 1.05
  • ネガティブコーピング:オッズ  1.03

 

とのことで、この研究だと特に教育レベルや学歴が低い人ほど新型コロナウイルスによってメンタルの悪化しやすい傾向にあったそう。

 

「ではそれは何でなのか?」について、研究者によりますと

教育のレベルが高い参加者ほど自分のメンタルの理解を向上させて、回復へのために積極的な対策を講じることが出来る。

とのことでして、要は頭のいい人ほどメンタルのダメージとなっている原因の解明に勤めて、上手いこと解決に導くことが出来るという話なんだそう。コロナに関しては正しい知識を得る能力もあるので、変なデマに惑わされることもないんでしょうな〜。

 

ちなみにこの研究ではあらかじめ新型コロナウイルスに関する知識レベルをチェックしてたりするんですけど、一部(全体の5%程)の参加者は、

 

  • アルコール消毒がウイルスを効率的に殺菌できることを知らない
  • メンタルの状態が免疫力に影響を与えることを知らない

 

という人もいたんだそうな。ここまで何も知らないと、ウイルスを過度に恐れすぎてしまってメンタルが悪化してもおかしくなさそうですね、、、。

 

なので研究者は以下のようにコメントをしておりまして、

この流行の間、若者がCOVID-19について学び、自分や他の人を守るための行動ができるように促す必要がある。流行の防止と制御のために公共のメディアを使った教育を実施する必要があります。

とのことで、コロナの影響でメンタルが悪化してる若者は正しい知識を勉強しよう!なんて感じになりそうです。

 

ただこの辺はツイッターとかSNSでデマ回りますし、かといって人生経験や知識もかなり少ないはずなので、何をもってして正しい情報なのか?がかなりわかりにくくなっているのが辛いところ。

 

新型コロナに関してはWHOもインフォデミックのようなフェイクニュースを心配してますけど、やっぱりこういう時に論文みたいな一次情報に当たるのが大事だなと改めて思う次第です。この辺はYouTubeとかで医学論文を解説しながら、デマの吟味をしてくれるお医者さまもいらっしゃるので、SNSフェイクニュースで混乱している方はそういう情報の当たり方をしてみてはいかがでしょうか。(`・ω・´)