【コロナ】「布マスクは意味ある?」、「O型だと感染しにくい?」、「感染者とすれ違うだけで感染する?」などのちょっとした知見シリーズ【その1】
こんにちは、今日は雨がすごかったですね〜、なすびです。
今回はコロナに関する知見がたまってきたので、軽くまとめておこうと思います。
感染者とすれ違うだけでも感染する?
「コロナって空気感染するの?」ということで『エアロゾル感染』なる言葉が話題になりましたが、そんな情報源はNEJMの掲載された1つの論文。(p)すでにご存知の方も多いと思いますが、プリンストン大学の研究になりまして「密閉環境において、コロナウイルスがどのくらい生き残るのか?」を調べた研究なのですが、それによりますと
ウイルスが生き残るとのこと。
この知見によってステンレスやプラスチックの生存時間がエグいから手洗いのみだけでなく、ドアノブやスマートフォンもマメに拭き取ろうという話なったわけですね。
そして注目すべきが「エアロゾル(空気中)でも3時間生き残るぞ!」という結果でして、「換気の良くない環境は良くない!」とはなった一方、「人とすれ違うだけでも危ないんじゃないか?」と拡大解釈をしている人がいたりします。
しかしこの研究ではかなり密閉状態(小さめのドラム缶から大きめの水筒くらいの空間)にウイルスを投入しておこなっているので、外のようにある程度開放的な空間においてこの結果を当てはめることはかなり無茶と言えましょう。
まあ感覚的にはそんな気がしてしまうのも無理はありませんし、人との距離を取ることの重要性は変わりませんがランニングですれ違っただけで感染する!という説はかなり根拠がないということで、この情報を元に「人とすれ違うのが怖く」なってしまっている方は、そこまで怯える必要はなさそうな感じです。
追記 4月20日
呼吸が荒くなるレベルのランニングだと、飛沫が飛ぶ場合があるので、そのポイントは気をつけたいところです。
布マスク意味あるの?
国の政策で安倍首相がつけている「布マスク」が配布されますが、そもそも「布マスクって予防の役に立つのか?」という話であります。
まず結論から申し上げると、
- 布マスクではウイルスをほぼブロックできない(余裕で吸い込む)
- しかし、鼻や口を直接触らないという点では意味がある
- 感染者がつけた場合、大きな飛沫であればブロックしてくれる
といったように、意味ないようであるみたいな感じでしょう。「アベノマスク」に関しては、そもそもサイズが小さいのであまり期待はしてませんでしたが、ここでは口を覆うような布マスク(手作り系)のブロック効果について見ていきます。
まずは医療従事者を対象に「インフルエンザのような呼吸器感染症の予防に布マスクが使えるのか?」を調べたRCT研究を参考にすると、
- 布マスクはサージカルマスクに比べて、インフルエンザの感染リスクが約13倍高い
- でもって布マスクは97%ウイルスをブロックできてない
- なんならサージカルマスクですら、44%のウイルスをブロックできてない
とのことで、布マスクに関してはウイルスをがっつり吸い込むぞ!という話になりそう。(p)
しかしサージカルマスクのようなマスクでもウイルスは吸い込んじゃうということで、そもそも『3M』のようなガチなマスクじゃないと完全にはウイルスはブロックできないみたいなんですね。
また研究者によれば、
布マスクはウイルスのろ過率が非常に悪い(ほぼ0%)ことを示しました。またSARS期間中の観察により、湿気、液体の拡散、病原体の滞留により、ダブルマスキングやその他の慣行が感染のリスクを高めることが示唆されてます。
とのことでして、布マスクだとブロックできないから!という理由でマスクを2重にしてる人がいるんですけど、湿気の影響でかえって感染リスクが上がるかもしれないのでやめておいた方良さそうな感じです。まあこの辺はCDCの知見にもあるように、空気感染におけるマスクの効果はとても期待できなさそうな感じといえましょう。
そして新型コロナに関する布マスクの研究も見ていきますと、
- 感染者が布マスクをつけたとしても、完全にブロック出来るわけではない
- それはサージカルマスクでも同じ
とのことでして、大きな飛沫のようなものであれば防いでくれそうではあるもので意味がないとは言えませんが、完全にブロックするのは難しいんだそう。(p)
さらに研究者は
内側のマスク表面よりも外側の方が汚染が多い
とコメントをしてまして、どうやらマスクの外側の方がウイルスによって汚染されやすいんだそうです。この辺のメカニズムについては良くわかってないものの、マスクを取った後は手洗いは必ずというところも抑えた方が良さそうであります。
結論として「アベノマスク」に期待することは、口と鼻を直接触らないことの予防と考えてもらえると良いのではないでしょうか。じゃあ手作りでええやん笑
O型だと感染しにくい説が爆誕してました
最後にコロンビア大学が「新型コロナの感染と血液型」の関係を調べてくれてたので、まとめておこうかと。(p)
これはニューヨークプレスビテリアン(NYP)病院システムのヘルスケアデータを使用した横断研究になりまして、「血液型と新型コロナの陽性発症率にどんな関係があるのか?」を調べてくれたもの。1559人とサンプル数もそこそこ人数で、血液型によって感染症にかかるリスクが変わるなんて話もあるので、これが新型コロナに当てはまるかどうかは確かに気になるとこです。
そんな知見によりますと、
- A型では陽性の患者の割合が高い(OR = 1.338,95%CI:1.072 - 1.672,P = 0.009)
- O型では陽性の患者の割合が低い(OR = 0.804,95%CI:0.654 - 0.987,P = 0.036)
- この傾向は年齢、性別、高血圧、糖尿病、過体重、慢性心血管疾患および肺疾患といった、感染率に影響を与えそうな変数を調整しても残った
とのこと。年齢や持病と行った陽性反応に影響を与えるポイントを調整しても傾向が残ったみたいなので、もしかしたら血液型も関係あるのかもしれないといったところでしょう。
また他の血液型に関しても「AB型も陽性の割合が低い!」なんて結果が出ているものの、対象人数が少なすぎて妥当性が低いですし、B型に関しては特に有意差がなかったとのこと。
一応この研究ではA型の方が陽性が出やすくてO型が出にくいとはなっているものの、横断研究という特性上、明確な因果関係を示している研究ではない点にはご注意くださいませ。
まあこれが本当だとしたらO型の人はラッキーですけど、もしこれを間に受けて浮かれている人がいれば釘を刺してやってください笑